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こんぶ

【昆布の食べすぎNG!?】食べすぎると予想外の事態に!身体への影響と一日の摂取量目安とは

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2022年9月11日

昆布は和食文化がある日本の食生活に欠かせない食材だ。お酒のおつまみとしても箸が進む昆布だが、食べ過ぎると身体に異常をきたす場合があることを忘れてはならない。そこで今回は、昆布の食べ過ぎで起こる身体への影響や適切な摂取量の目安について解説しよう。

  

1. 昆布の食べ過ぎによる影響

腹痛
まずは、昆布の食べ過ぎが身体にどんな影響を及ぼす場合があるのか説明していこう。

消化不良

海藻類である昆布には食物繊維が豊富に含まれている。(※1)食物繊維とは、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類に大きく分類され、便秘や生活習慣病の予防・改善効果が見込める成分だ。食物繊維は整腸作用が期待できる一方、人の消化酵素で消化できない物質でもあるため、過剰な摂取を行うと身体に不調をもたらす場合がある。代表的な症状は消化不良である。(※2)(※3)
水溶性食物繊維を多く含む昆布は、難消化物質であることから、食べ過ぎると「食餌性イレウス」を引き起こす危険があるのだ。食餌性イレウスは、消化されにくい食物が消化管に詰まった場合に発症し、吐き気や腹痛などを引き起こすのである。治療するには詰まった昆布の除去が必要だが、難消化物質なので時間が経過しても消化されにくく、水分を吸収して膨張するため内視鏡や手術によって取り除くケースが多いのだ。(※4)(※5)

甲状腺障害(※6)(※7)(※8)

昆布には、食物繊維以外にもヨウ素という栄養素が多く含まれている。(※1)ヨウ素とは、甲状腺ホルモンを作り出すのに必要な栄養素であり、新陳代謝や子どもの成長ホルモンの働きを促すミネラルである。ヨウ素が不足すると甲状腺ホルモンが作り出せず、甲状腺機能の低下をもたらす危険があるが、過剰に摂り過ぎた場合でも同様の甲状腺障害を引き起こす可能性があるのだ。さらに、ヨウ素の過剰摂取で生じた甲状腺障害は、甲状腺腫を発症させるケースも報告されているので注意が必要である。
日本人は昆布を調味料として利用する機会が多いため不足する心配は少ないが、毎日のように昆布を食べ過ぎるとヨウ素の過剰摂取になりえるのだ。症状を改善するには、ヨウ素を多く含む昆布の大量摂取を止めれば、自然と元の状態に回復することがほとんどである。

2. 昆布の食べ過ぎにならない量

ダイエット
昆布出汁やとろろ昆布、おしゃぶり昆布などお酒のおつまみにもなる昆布は、日本人の食生活に欠かせない食材だ。しかし、昆布の食べ過ぎは身体に悪影響を与える危険があるため、昆布の適切な摂取量を知ることが大切である。ここでは、一日に摂取する昆布の目安量について解説していこう。

一日の摂取量の目安(※9)(※10)

昆布の食べ過ぎを防止するには、昆布に含まれるヨウ素量を把握し、一日に摂る量の目安を知ることが大切だ。厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」では、成人におけるヨウ素の推定平均必要量を一日0.095mg、推奨量を一日0.13mg、耐容上限量を3mgとしている。
昆布を使った食生活が浸透している日本では、昆布出汁や昆布巻き、佃煮などヨウ素を摂取する機会が多いのが特徴だ。一食あたりのヨウ素含有量は、昆布出汁に1~3 mg、昆布巻きに6~20 mg、昆布の佃煮に10~20 mg含まれている計算である。このように、日本人は他国に比べ昆布や魚介類を多く摂取しているため、一日約1~3 mgのヨウ素を摂取していると推定され、日常的に必要量を十分満たしているのだ。昆布は食物繊維やヨウ素などの重要な供給源だが、普段の食生活で必要以上のヨウ素を摂取しているので食べ過ぎには注意が必要である。

3. 昆布と一緒に食べる阻害食品

キャベツ
昆布に含まれるヨウ素は、不足しても食べ過ぎても甲状腺ホルモンに悪影響を与える。日本人は昆布をはじめとする食品からヨウ素を多く得ているため不足することは少ないが、ある一定の食品を食べ過ぎるとヨウ素の蓄積を阻害する場合があるのだ。ここではヨウ素の蓄積を阻害する食品について紹介していこう。

ヨウ素の蓄積を阻害する食品

昆布をはじめとする食品から身体に吸収されたヨウ素は、甲状腺に蓄積され、甲状腺ホルモンの構成成分に使用されることがほとんどである。一方で、食品のなかにはヨウ素が甲状腺に蓄積するのを阻害し、甲状腺腫を引き起こす可能性がある化学物質のゴイトロゲンを含むものが存在するのだ。ゴイトロゲンの性質がある物質には、チオシアネートやイソフラボンなどがあげられる。アブラナ科植物のキャベツやブロッコリー、大豆製品に多く含まれているのが特徴である。(※11)(※12)(※13)しかし、いずれも通常量の摂取であれば甲状腺機能に異常をもたらす危険度は低いため、気持ち悪い状態になるまで食べ過ぎなければ問題ないだろう。

結論

昆布の摂取量目安については、和食文化がある日本において自然と必要量以上摂取できるのであまり考えなくてもよいだろう。だが、昆布の過剰摂取は身体に悪影響を与えるため、お酒のおつまみのように嗜好品として楽しむときは食べ過ぎないよう注意が必要だ。

(参考文献)

(※1)文部科学省 食品データベース 藻類/(こんぶ類)/刻み昆布 - 01.一般成分表-無機質-ビタミン類
(※2)厚生労働省 eヘルスネット 食物繊維
(※3)医療法人紘祥会 日置クリニック 海藻の食べすぎはNG?がんと関連や海藻の良い・と悪いところをご紹介 - フコイダンラボ
(※4)社会医療法人 全仁会 倉敷平成病院 栄養科通信vol.94『食物繊維について』 | 倉敷平成病院だより
(※5)国立研究開発法人科学技術振興機構 昆布による食餌性イレウスの1例 P136,137,139
(※6)伊藤病院 ヨウ素について
(※7)ふくおか内科クリニック 甲状腺とヨウ素 (ヨード)についてのお話 | ふくおか内科クリニック|秋田駅から徒歩4分|内科/糖尿病/生活習慣病/甲状腺など
(※8)一般社団法人 日本食品安全協会 インフォメーション | 一般社団法人 日本食品安全協会
(※9)厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書 P335?P340
(※10)環境庁 環境省_ヨウ素について
(※11)国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 E.ヨウ素不足の問題
(※12)厚生労働省 6.2.5.ヨウ素( I )P241
(※13)医療法人社団一泉会 いとせクリニック
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  • 更新日:

    2022年9月11日

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