目次
1. カシューナッツの食べ過ぎにならない量

カシューナッツは、どのくらいの量なら食べ過ぎにならないのだろうか。一日に食べる適切な量の目安を紹介する。
一日の摂取量の目安
カシューナッツは一日あたり20g(15~20粒程度)を目安に食べるとよいだろう。間食として食べられることが多い食品だが、栄養バランスを考慮するとほかの食品と組み合わせて摂取することが望ましい。
おつまみ用(フライ、味付け)のカシューナッツ20gは約120kcalである(※1)。間食の目安カロリーは200kcal(※2)とされるため、残り80kcal分を果物などほかの食品から補えば、栄養バランスも整えやすくなる。
2. カシューナッツを食べ過ぎによる影響

カシューナッツを食べ過ぎると、身体にはどのような影響が出るのだろうか。カシューナッツに含まれる栄養素と過剰摂取のリスクを踏まえ、解説していく。
体重増加の可能性
カシューナッツには、脂質が多く含まれている。おつまみ用のカシューナッツの場合、可食部100gあたりの脂質量は47.6gにもなる。約半分が脂質でできている食品なのだ。そのためカロリーも100gあたり591kcalと高い。(※1)
脂質はエネルギー源となるほか、細胞膜などを構成したり臓器を守ったりする働きがある重要な栄養素だ。ただし、過剰摂取は肥満の原因になる。(※3)
また、摂取カロリーが多くなり過ぎると一日あたりの消費カロリーを上回りやすくなる。摂取カロリーが消費カロリーよりも多い状態が続くと体重が増え続け、やはり肥満の原因となってしまうため注意が必要だ。(※4)
腹痛や便秘
カシューナッツ100gあたりには食物繊維が6.7gと多く含まれる(※1)。食物繊維は水溶性と不溶性の2種類に大きく分けられ、いずれも便秘の予防や改善に効果的である。ただし、とくに不溶性食物繊維のみを過剰摂取すると、便秘を悪化させてしまうことがあるため注意が必要だ。
便秘が悪化する可能性も
水に溶けない不溶性食物繊維は、便のかさを増すことで排便を促す。しかしその反面、便が硬くなり過ぎたり、大腸に刺激を与えすぎて痙攣性便秘を悪化させたりするケースもあるのだ。その結果、お腹が張り腹痛が続いてしまう。便秘を改善したいなら、水溶性食物繊維も含めバランスよく適量を摂取することが大切である。(※5、6、7)
食餌性イレウス(腸閉塞)の症例も
ナッツ類の食べ過ぎによる症例の一つに、食餌性イレウスが挙げられる。イレウスとは腸閉塞のことで、食餌性イレウスは消化されにくい食品や水分を吸って膨張する食品(海藻類)が原因となることが多い。カシューナッツなどのナッツ類が原因となるケースは稀だが、ピーナッツによるイレウスの症例が報告されている。(※8)
3. カシューナッツの食べ過ぎとニキビ

ナッツ類を食べ過ぎるとニキビができやすいという説があるが、実際はどうなのだろうか。カシューナッツを食べることで肌荒れに影響があるのか、気になるところだ。
食べ物の影響について
カシューナッツなど、ナッツ自体が直接的にニキビの原因となるという研究結果は出ていない。ニキビの原因は皮脂の過剰分泌である。皮脂の出る脂腺の機能が亢進されることでニキビができやすくなる。食べ物による影響は証明されていないが、肌荒れの原因の一つに便秘がある。カシューナッツの食べ過ぎは便秘を招くリスクもあるため、適量を食べ栄養バランスのよい食事を心がけよう。(※9、10)
結論
カシューナッツは脂質が多く高カロリーな食品のため、食べ過ぎると肥満の原因になる。また、食物繊維が豊富なため便秘の予防や改善に役立つが、食べ過ぎると逆に悪化させてしまうこともある。ニキビとカシューナッツの因果関係は不明だが、カロリーの過剰摂取や便秘は肌荒れの原因となる。食べ過ぎによる不調を防ぐためにも、一日あたり20g程度を目安にするとよいだろう。
(参考文献)
※1出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」種実類/カシューナッツ/フライ/味付け
※2、6出典:厚生労働省 e-ヘルスネット
※3、4、5出典:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
※7出典:株式会社ロッテ 食物繊維のとりすぎは体に悪い?過剰摂取の影響と適切な摂取量を解説
※8出典:日本臨床外科学会雑誌67巻「ピーナッツの大量摂取が原因と考えられた食餌性イレウスの2例」(河野 修三? 別府 理智子 酒井 憲見 白日 高歩)
※9出典:国立熊本病院 くす通信第61号 「にきびと食事」
※10出典:医療法人社団・泰静会 大西医院 「にきびの予防法」?