目次
1. ビタミンEの摂りすぎによる影響

ビタミンEの摂りすぎにはどのような影響があるのか見ていこう。
過剰摂取による症状
今までビタミンEは、摂りすぎによる影響がないといわれていた。しかし現在、ビタミンEを摂りすぎることによって骨量が減少し、骨粗しょう症を引き起こす可能性があるとされている。(※1)通常の食事から摂取する量では心配ないが、若返りを期待してサプリメントで大量に摂取すると危険性が増すので注意が必要だろう。
2. ビタミンEの摂取基準量

ビタミンEの摂りすぎにならない安全な摂取量とはどの程度か、一日の摂取量で確認しよう。
一日の摂取量
ビタミンEの摂取目安量は、一日あたり6.0~6.5mgだ。(※2)また、摂りすぎによる健康障害を未然に防ぐ量としては、成人男性で800mg程度とされている。(※2)サプリメントで摂取する場合でも、この量を守れば摂りすぎることもなく、安全にビタミンEのよい効果だけを得ることができるだろう。
3. ビタミンEの機能と特徴

ビタミンEにはさまざまな働きがあり、その効果は摂りすぎてしまいたくなるほど魅力的だ。
働きと特徴
ビタミンEは強い抗酸化作用を持ち、体内の脂質の酸化を防ぐ働きがある。そのため血管を健康に保つほか、血栓や動脈硬化の予防、血圧を低げたりLDL(悪玉)コレステロールを減少させるなど、生活習慣病の予防にも役立つのだ。(※3)また、毛細血管を広げる働きもあるため、血流が改善され肩こりや頭痛、冷え性の症状が緩和されるという効果も期待できる。(※4)血流の改善という点では新陳代謝も活発に行われ、肌のターンオーバーが促進されることで肌の色ツヤやハリもよくなるだろう。(※4)
ほかにも紫外線から肌を守り、シミの原因となるメラニン色素の発生を抑えるため美肌にも効果を発揮するのだ。(※4)この身体に嬉しい栄養を効率的に摂取するには、脂溶性のビタミンのため吸収率の高まる油分と一緒に食べるとよいだろう。そして酸化しやすい性質を持っているため、鮮度のよいうちに食べるようにしよう。
不足による影響
いろいろな食品から摂取できるビタミンEは、摂りすぎの心配はあっても通常の食事をしていれば不足することはないだろう。しかし、極端に偏った食事を続けた場合や過度の小食などでビタミンEが不足すると細胞膜の脂質を酸化から守る力が弱まり、貧血、眼の障害、筋力低下、神経障害などが起きる可能性がある。(※3)
4. ビタミンEを多く含む食材

多くの食品からビタミンEを摂取することができるが、とくにビタミンEを多く含む食品の100gあたりの含有量を紹介しよう。
主な食材と量
アーモンド 30.0mg(※5)
すじこ 11.0mg(※6)
うなぎ 7.4mg(※7)
モロヘイヤ 6.5mg(※8)
かぼちゃ 4.9mg(※9)
ツナ缶 2.8mg(※10)
ほうれん草 2.1mg(※11)
たまご 1.3mg(※12)
ビタミンEは身近な食材で、簡単に一日の目安量を摂取することができる。身体によいからと特定の食品を摂りすぎると、ほかの栄養素の摂りすぎや不足につながるので適度な量をバランスよく食べるようにしよう。
結論
ビタミンEは過剰に摂取すると、骨量が減り骨粗しょう症を引き起こす可能性がある。通常の食事では心配する必要はないが、サプリメントを飲むときには基準量を必ず守り摂りすぎにならないよう気をつけよう。脂溶性ビタミンのため、油脂と一緒に食べることで吸収率が高まり効率的に栄養を摂取することができるだろう。身体に嬉しい効果が多くあるので、ビタミンEを含む食品を積極的に摂り老化防止に役立ててもらいたい。
(参考文献)
※出典1:公益社団法人日本薬学会
※出典2:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
※出典3:大塚製薬株式会社
※出典4:メディカル・ケア・サービス株式会社
※出典5〜※出典12:文部科学省 食品成分データベース
https://fooddb.mext.go.jp/