目次
1. GABAの摂りすぎによる影響

ストレスが溜まっている人やストレスを軽減させたい人、睡眠の質を向上させたい人などにおすすめとされる「GABA」。しかしGABAの摂りすぎにより、身体に副作用が出たり悪影響を及ぼしたりはしないのだろうか。
健康被害の報告はない
結論から言うと、GABAの摂りすぎによる副作用や悪影響について、いまのところ報告はない。また、GABAが原因で健康被害が起きたという報告などもない。
2. GABAの摂取目安量

GABAを摂りすぎたところで身体への悪影響はなさそうだが、では一体、GABAはどれくらいの量を目安に摂取したらいいのだろうか。
一日の摂取量
人によって環境や疲労、ストレスなど、さまざまな要因でGABAの不足量が違うため摂取量も違ってくる。一般的な目安は、1日に30mg~100mgだ。食べ物からの摂取も可能だが、多量に食べる必要があるので、GABAが配合されたサプリメントなどを利用すると手軽に効率よく摂取できるだろう。
また、ビタミンB6にはたんぱく質をアミノ酸に分解する働きがあり、アミノ酸の一種であるGABAの合成につながる。(※2)ビタミンB6が多く含まれるバナナやササミ、魚(鮭、カツオなど)と卵や肉類、豆類などのたんぱく質をしっかり摂ると、体内のGABAを増やすことができるので積極的に摂取したい。
3. GABAの機能と特徴

GABAの摂りすぎが身体へ悪影響を及ぼすことはなさそうだが、そもそもGABAにはどのような働きや特徴があるのだろうか。また、GABAが含まれている食品はどんなものがあるのか紹介する。
働きと特徴
まずGABAとは、脳や脊髄などの中枢神経に多く存在するアミノ酸の一種で、ガンマアミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)の略称である。GABAは、脳内の興奮・緊張状態を鎮めて交感神経を落ち着かせ、副交感神経を優位にする働きがあり、ストレス軽減やリラックス効果が期待できるとされている。(※3)副交感神経が優位に働いていると心が落ち着き、入眠しやすくなるので、睡眠の質を高めることも可能だ。
しかし過度なストレスを感じているとGABAが多く使われてGABA不足になり、過剰に興奮性の神経伝達物質が分泌されることで、身体が疲れやすくなったり、リラックスすることができなくなったりしてしまう。(※4)
ほかにも、GABAには血液中の中性脂肪の脂質代謝を促す効果や(※5)、腎臓の働きを活発にして血液中の塩分を排出させる、血圧上昇抑制効果もある。(※6)
成分が含まれている食品
GABAは、野菜(トマトやジャガイモ、ケールなど)や果物(バナナやブドウ、温州みかんなど)のほか、乳酸菌発酵製品(キムチや納豆、ヨーグルトなど)、チョコレートや発芽玄米などに多く含まれている。特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品などでも多数販売されているので、店頭で「GABA」の文字を見かける機会もあるだろう。
また、ゲノム編集技術を用いた品種改良により、トマトに含まれるGABAの量を4~5倍に増やした「高GABAトマト」の開発も進められている。
結論
ストレス緩和や睡眠の質の向上、血圧上昇抑制など、さまざまな効果が期待されているGABA。GABAの摂りすぎによる健康被害や副作用は、いまのところ報告されていない。睡眠時間を改善したり、主食を白米から発芽玄米に変えてみたり、少し意識して食事やサプリメントなどでGABAを摂取し、疲労やストレスを緩和してほしい。
(参考文献)
※1※3〜※5出典:日本栄養・食糧学会
※2出典:国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所「ビタミンB6解説」?
※6出典:社団法人日本栄養士会「GABA(ギャバ)と血圧」