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ブロッコリーとカリフラワー

『ブロッコリー』と『カリフラワー』って色以外に何が違うか知ってる?意外と知らないその驚きの違いとは?

投稿者:ライター 井澤佐知子(いざわさちこ)

監修者:管理栄養士 小林里穂(こばやしりほ)

鉛筆アイコン 2022年10月 6日

よく似た形を持ちながら、色も味わいも異なるのがブロッコリーとカリフラワーである。スーパーやファーマーズマーケットで、どちらを買おうかと悩む人もいるかもしれない。品種改良を重ねてきた野菜の歴史の中で、2つの野菜はどちらが先だったのか。この記事ではブロッコリーとカリフラワーの違いとともに、それぞれの美味しい食べ方も紹介する。

  

1. 色だけじゃない!ブロッコリーとカリフラワーの違いとは

カリフラワーとブロッコリー
形はよく似ているブロッコリーとカリフラワー、どちらもアブラナ科に属するため、植物学的に見れば仲間である。外観のほかに、栄養や食感など、2つの野菜の違いをまとめる。

ブロッコリーとカリフラワーの見た目の違い

ブロッコリーもカリフラワーも、密に詰まった上部はよく似ている。ブロッコリーは濃緑色で、肥大したつぼみの集合体となっている。カリフラワーは白色であるが、近年は紫色や黄色のタイプも登場するようになった。カリフラワーは、花序やつぼみが肥大化した部分を食すのである。

ブロッコリーとカリフラワーの栄養の違い

ブロッコリーといえば緑黄色野菜の代表であるが、カリフラワーはどうだろうか。厚生労働省によれば、緑黄色野菜の定義は「100g中に600μg以上のカロテンを含むもの」とされている。(※1)ブロッコリーは100g中に900μgのカロテンを含むため、緑黄色野菜に該当する。(※2)一方カリフラワーは、100g中に18μgのカロテンしか含まないため、緑黄色野菜ではないのである。(※3)
そのほか、100gあたりでいくつかの栄養素の量を比較してみよう。(※2・3)
・タンパク質
ブロッコリー 5.4g
カリフラワー 3.0g
・食物繊維
ブロッコリー 5.1g
カリフラワー 2.9g
・ビタミンC
ブロッコリー 140mg
カリフラワー 81mg
・葉酸
ブロッコリー 220μg
カリフラワー 94μg
・カロリー
ブロッコリー 37kcal
カリフラワー 28kcal
ただしビタミンCに関しては、茹でると含有量は僅差となる。(※4・5)
  • 茹でブロッコリー 55mg
  • 茹でカリフラワー 53mg

ブロッコリーとカリフラワーの味や食感の違い

似て非なるブロッコリーとカリフラワー、味や食感も異なる。ブロッコリーは独特の香りがあり、加熱すると花蕾部分はかなり柔らかい。カリフラワーはブロッコリーよりは癖がなく、花蕾部分は加熱後も歯ごたえのよさが残る。好みや調理法によって上手に選ぶとよい。

ブロッコリーとカリフラワーの栽培方法の違い

アブラナ科に属するブロッコリーとカリフラワーは、栽培方法もよく似ているとされている。しかし、カリフラワーはあまり日光に当てないで栽培するという特徴がある。日光によって白色部分が淡黄色になってしまうのが理由である。

2. ブロッコリーとカリフラワーの歴史はどっちが先?

ホウレンソウ、ブロッコリー、カリフラワー
ブロッコリーもカリフラワーも供給が安定した野菜であるため、家庭で食べる頻度は高いといえる。2つのよく似た野菜はどんな歴史があるのだろうか。百科事典によれば、ブロッコリーはカリフラワーの原種である。いずれも地中海地方が原産であるが、18世紀以降、イギリスやアメリカでも改良された品種が普及した。日本に渡来したのは、ブロッコリーもカリフラワーも明治初年である。しかし本格的に消費されるようになったのは、食の西洋化が進んだ1950年以降である。1980年以降に需要を大きく伸ばし、現在に至っている。

3. ブロッコリーとカリフラワーが合体?ロマネスコとは

ロマネスコのブロッコリー
近年、ときどき目にするようになった野菜のひとつにロマネスコがある。ブロッコリーとカリフラワーの合いの子のような姿が特徴である。フラクタル配列の様相を呈したロマネスコは、ブロッコリーとカリフラワーを掛け合わせたものなのだろうか。答えは不明である。かけ合わせて誕生したという説がある一方で、ブロッコリーやカリフラワーの原種という説もあるためである。ロマネスコという名称は、「ローマのブロッコリー」を意味するイタリア語からついたという説が有力である。また辞書によれば、ロマネスコはカリフラワーに分類されている。

4. ブロッコリーとカリフラワーの茹で方と茹で時間

木製の台所のテーブルに調理されたブロッコリーとカリフラワーを入れた黒い鍋
ブロッコリーとカリフラワーは、茹でて使うことが多い。いずれも花蕾と茎部分を切り分け、花蕾部分は小房にカットしてから茹でるのが通常である。茹で時間はそれぞれの大きさや固さにもよるが、ブロッコリーが3分前後、カリフラワーは5分ほどである。ブロッコリーもカリフラワーも水溶性のビタミンCが含まれている(※2・3・6)ため、これを流失させないために丸ごと茹でたり、レンジやフライパンを使ったりする加熱方法もある。用途に合わせて茹でてみてほしい。

5. ブロッコリーとカリフラワーのおすすめ料理

ブロッコリーとカリフラワーのグラタン
似た姿ながら、食感も色も違うブロッコリーとカリフラワー。双方の美味しさを引き出す料理法にはどんなものがあるだろうか。いくつかのアイデアを見てみよう。

ブロッコリーとカリフラワーのサラダ

色が対照的なブロッコリーとカリフラワーは、シンプルにサラダにすると食卓が引き立つ。ミニトマトやそのほかの野菜を一緒に皿に盛ってもキレイである。好みのドレッシングやマヨネーズなど、味付けもバリエーションが多いのが嬉しい。またツナを加えたサラダならば、ボリュームがアップする。食べ盛りがいる家庭にふさわしいサラダとなるだろう。

ブロッコリーとカリフラワーのグラタン

ブロッコリーとカリフラワーは、どちらも乳製品と相性がよい。ベシャメルソースを使って、カリフラワーとブロッコリーをグラタンで濃厚に楽しむ方法もある。ベーコンや玉ねぎを入れて、彩りのよいグラタンを堪能しよう。

ブロッコリーとカリフラワーの炒めもの

ブロッコリーとカリフラワーは、炒めものにするとシャキッとした食べ応えが好ましい。きのこ類やピーマンを加えて中華風の炒めものにしたり、アンチョビとニンニクでイタリア風にしたり、おかずとしてだけではなくおつまみとしても美味しい一皿になる。カレー粉のようなスパイスも使って、さまざまな炒めものにトライしてみよう。

結論

ブロッコリーとカリフラワーは、どちらもアブラナ科に属する野菜である。地中海地方原産の2つの野菜は、18世紀以降世界中で栽培が普及し、日本でも1980年代に一般的な野菜の仲間入りをした。栄養価はブロッコリーが優れている点が多いが、カロリーはカリフラワーのほうが低い。特徴を理解して、どちらの野菜も美味しく味わってほしい。
(参考文献)
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  • 更新日:

    2022年10月 6日

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