目次
1. カフェインの摂りすぎによる影響

カフェインは身近な飲み物に含まれているが、摂りすぎると下痢や気持ち悪さといった不調がでてくることがある。今回は、カフェインを過剰に摂取したときの症状について紹介する。
過剰摂取の症状
カフェインを過剰摂取すると、めまい、震え、不安、不眠、心拍数の増加など中枢神経が刺激されることによりさまざまな症状がでることがある。消化器官が刺激されることで、吐き気や下痢といった症状がでる人もいるだろう。カフェインを過剰に摂りすぎることで、高血圧のリスクが高くなる可能性もある。妊婦であれば、胎児が低体重で生まれてくる可能性もあるため十分注意しよう。
カフェインはコーヒーやお茶に入っているのはもちろんだが、エナジードリンクなどの清涼飲料水も要注意だ。カフェインが多量に含まれているものもあるため、飲みすぎには気をつけたほうがよいだろう。(※1)
2. カフェインの摂りすぎにならない量

どのくらいであればカフェインの摂りすぎにならないのだろうか。摂取量の基準は一般的に、健康な成人、妊婦、子どもの3つの区分に分けられる。国ごとにも摂取の目安が異なるので詳しく見ていこう。
一日の摂取量
カフェインの一日の摂取量について紹介する。日本では明確な基準は定められていなが、米国食品医薬品局によると健康な成人であれば一日あたりの摂取量の目安は400mg以下だ。コーヒーであれば4~5杯程度である。カナダでも同様にカフェインの一日の摂取量として同量が推奨されている。
さらに、妊婦・授乳中または妊娠予定の女性の場合は、カフェインの一日あたりの摂取量の目安は最大300mgである。これはマグカップ約2杯分だ。妊娠中にカフェインを摂取することで、低体重児が生まれたり自然流産を引き起こしたりする可能性があることも証明されている。
米国疾病予防管理センターによると、カフェイン摂取量が一日2~3杯程度であれば、母乳を通じて乳児への悪影響は及ぼさないとのことだ。(※1)妊婦・授乳中はとくにカフェインの摂りすぎには注意しよう。子どもは身体の大きさが変わるため、年齢によっての基準量が異なる。カナダ保健省によると、4~6歳は最大45mg/日、7~9歳は最大62.5mg/日、10~12歳は最大85mg/日である。
13歳以上のカフェイン摂取データは不十分だが、一日2.5mg/kg以上は摂取しないようにするのが望ましい。(※2)欧州食品安全機関は、18歳以下のカフェイン摂取について3mg/kgであれば悪影響がないとしている。(※1)カフェインはコーラなどの清涼飲料水にも含まれているため、子どもは清涼飲料水などを飲む際にカフェインの摂りすぎに注意してほしい。
3. カフェインの摂りすぎを防ぐための注意点

カフェインは身の周りのあらゆる飲料に入っているので、気付かないうちにカフェインを摂りすぎている場合がある。カフェインを摂りすぎた場合に注意するポイントや、普段飲んでいる飲料のカフェイン濃度について詳しく見ていこう。
注意すべきポイント
カフェインを摂取する場合は、前項で述べた摂取量を守ることがポイントだ。毎日コーヒーをよく飲む人は、カフェインの摂りすぎになっているかもしれない。もし飲みすぎた場合は、水分をしっかり摂るようにしよう。水分を多めに摂ると、血液中のカフェイン濃度を下げることができる。
カリウムやマグネシウムの摂取も有効だ。マグネシウムやカリウムは自律神経を安定させ、血圧などを下げる作用があるとされる。普段からコーヒーを飲む習慣がある人は、気をつけてみてはいかがだろうか。(※3)
飲料に含まれるカフェイン濃度
カフェインを含む食品は、コーヒーや茶類、エナジードリンクなどである。コーヒーに含まれるカフェインは60mg/100ml、玉露は160mg/100ml、紅茶は30mg/100ml、エナジードリンクや眠気覚まし用飲料は32~300mg/100mlだ。(※1)エナジードリンクは1本あたりにコーヒー2杯分のカフェインが含まれているものもある。エナジードリンクを飲む際は、コーヒーを一杯減らすなどで調整するのが好ましい。
結論
カフェインは身近な飲料に含まれているため、ついつい摂りすぎてしまう場合がある。過剰摂取すると身体の不調に繋がる恐れもあるので、飲みすぎには注意しよう。子どもや妊婦など摂取量の目安は人によってさまざまだ。摂取しすぎた場合は水分を多く摂る、カリウムやマグネシウムなどを摂るなどし、一日の摂取量を超えないように対策しよう。
(参考文献)
(※1)カフェインの過剰摂取について:農林水産省
(※2)食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~
(※3)マグネシウムの働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット