目次
- (※1)(※2)日本食品標準成分表2020年版(八訂) https://fooddb.mext.go.jp/
- (※3)公益財団法人長寿科学振興財団 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/shokumotsu-seni.html
- (※4)日本食品標準成分表2015年版(七訂) https://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/12/20/1365343_1-0201r11.pdf
1. もち麦の糖質の量

もち麦は白米と混ぜて食べることが多いが、白米ともち麦で糖質の量を比べたときにどの程度違うのかみてみよう。
100gあたりの糖質
白米の100g当たりの糖質量が35.6g(※1)に対し、もち麦の100g当たりの糖質量は24.3g(※2)となっている。白米よりももち麦の方が、糖質量は少ないことがわかる。また、白米のカロリーが100g当たり156kcalに対し、もち麦は100gに対し118kcalで、もち麦の方がカロリーも低いのだ。しかし、もち麦の糖質量やカロリーが極端に低いわけではないので、食べ過ぎには注意が必要だろう。
2. もち麦の糖質以外の栄養素

もち麦には糖質だけではなく、豊富な栄養素も含まれている。主な栄養素とその効能について紹介しよう。
主な栄養素と効能
もち麦には白米と比べて、タンパク質や食物繊維を多く含んでいる(※2)。食物繊維は大腸内の善玉腸内細菌の餌になり腸内環境が改善されるほか、便のかさを増やしたり大腸の運動を促したりする効果があり便通を正常化するのに役立つのだ。もち麦に含まれる食物繊維の中でも、β-グルカンと呼ばれる水溶性食物繊維の健康効果が期待されている。水溶性食物繊維は小腸での栄養の吸収スピードをゆるやかにし、食後の血糖値の急上昇を抑えてくれる。ほかにもコレステロールを体外に排出させ血中のコレステロール値を正常化させることや、ナトリウムを排出させ高血圧を予防する効果もある。食物繊維はカロリーが低く肥満の予防にもなるので、糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化など、さまざまな生活習慣病の予防が期待できるのだ(※3)。食物繊維やタンパク質が豊富な食材としてオートミールも人気だが、水溶性食物繊維はもち麦の方が多いので水溶性食物繊維の効果を得たいのであればもち麦を選ぶといいだろう。(※4)
3. もち麦を美味しく食べる方法

もち麦は白米と一緒に炊くのが一般的な調理法だが、そのほかにもさまざまな料理に使うことができる。
おすすめの料理
もち麦を使った料理でおすすめしたいのが、炊き込みごはんと炒飯だ。つい食べ過ぎてしまいがちなメニューだが、白米の一部をもち麦に置き換えることで摂取する糖質とカロリーを少し下げることができる。そして白米にもち麦だけを混ぜたものが苦手という人でも、炊き込みごはんや炒飯であればもち麦が具の一部のようになり、抵抗なく食べられるだろう。ほかにもスープの具にしたり、ハンバーグなどの挽肉料理に混ぜたりしても美味しく食べられる。もち麦のプチプチした食感を活かして、いろいろなアレンジ料理にチャレンジしてみるのも楽しいだろう。
結論
もち麦は白米と比べて、糖質もカロリーも低いことがわかった。しかし、白米をもち麦に置き換えたとしても、糖質やカロリーが大幅に下がるわけではないので食べる量には気をつけた方がいいだろう。さまざまな生活習慣病の予防が期待できる食物繊維の健康効果を取り入れ、美味しくもち麦を食べてもらいたい。
(参考文献)