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みかん

みかんの効果がすごい!主な栄養素と機能性を徹底解説

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2023年2月 9日

冬のフルーツとして知られるみかんは、日本人にはなじみ深い存在だ。こたつにみかんという常套句が生まれるほど、古くから愛されてきた。とはいえ、派手な印象はなく、庶民的な存在であるみかんが今、実は注目を集めている。あの小さなオレンジ色の丸いフルーツにすごいパワーが秘められているというのだ。今回はそんなみかんの栄養や効果について徹底調査。肌やニキビに効くって本当?

  

1. みかんの効果と主な栄養素

みかん農園
みかんは冬に旬を迎えるフルーツで、日本人にとってはとても身近な存在だ。そんなみかん、実は健康にとてもいいフルーツで、各界から今熱い視線が送られている。ここではまず、その効果をもたらす主な栄養素について解説をしていこう。

主な栄養素

みかん/砂じょう100g
エネルギー/49kcal
たんぱく質/0.7g
脂質/0.1g
糖質/11.4g
食物繊維総量0.4g
カリウム/150mg
ビタミンA/
β-カロテン190μg
β-クリプトキサンチン1800μg
β-カロテン当量1100μg
レチノール活性当量92μg
ビタミンC/33mg(※1)
みかんは中くらいのもので1個100g前後なので、果肉部分を1個分食べるだけで上記の栄養素を摂取することができる計算だ。また手で簡単に皮をむくだけで食べることができるところも嬉しい。

ビタミンC

みかんの栄養のなかでも特筆すべきは、ビタミンCだ。ビタミンCは体内で生成できないので、毎日摂取する必要がある水溶性のビタミンだ。骨や腱を結合するタンパク質=コラーゲン生成に欠かすことのできない化合物で不足すると壊血病にいたる危険性がある。そのほか、肌のメラニン生成を抑え、日焼けを予防したり、風邪やストレスに対する抵抗力を高める働き、毛細血管や歯を健康に保つ働きなど、身体の各所で活躍をしてくれる存在だ。さらに、昨今では抗酸化力があることも知られ、がんや動脈硬化など、現代病の予防にも期待が持たれている。みかん100g中にはビタミンCが33mg含まれている。ビタミンCは成人男性で1日に100mgが推奨されている。みかんだけで考えれば、約3個食べれば推奨量を満たすことになる。ただし、食事はバランスが命。さまざまな食品から栄養素を摂取したほうがいいので、1日1~2個くらいが妥当であろう。(※1.2.3)

β- クリプトキサンチン

みかんの栄養素で注目を集めているひとつが、このβ-クリプトキサンチンである。これはミカンの色素で、最新の栄養疫学研究によると体内でビタミンAと同じ働きをするという。最大の注目はがんの予防の可能性を秘めていることにある。β-クリプトキサンチンは、カロテノイドの一種でそのなかでも最も発がん抑制効果が高い。さらには骨の代謝にも関与していることがわかってきており、動物実験では骨量の減少を抑制することが明らかになってきている。
またヒトを対象にした実験も盛んに行われており、中でもうんしゅうみかんの産地である三ヶ日町での栄養疫学研究結果は非常に興味深い。みかんをよく食べ、血中のβ-クリプトキサンチンのレベルが高い人は低い人に比べると骨粗鬆症や肝機能異常症、脂質異常症、動脈硬化、2型糖尿病の発症リスクが有意に低いことがわかったのだ。みかんにはこのβ-クリプトキサンチンが、100gあたり1800μg含まれている。これはほかのフルーツに比べると格段に多い量である。(※1~6)

カリウム

みかんに含まれるカリウムは非常に多いとはいえないが、1個で150mg摂取できるので、手軽に摂取できるという意味では効率がいい。カリウムはナトリウムとの相互作用で、体内の細胞の浸透圧を維持している。さらに腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制することから、高血圧予防にも期待が持たれている。みかんにはカリウムが100gあたり150mg含まれている。(※1.7)

2. みかんの効果は薄皮や白い筋にもある

みかん
みかんには、とても豊富な栄養が含まれていることがお分かりいただけるだろう。ちなみに皆さんはみかんの薄皮や白い筋が気になるほうだろうか?もし、取り除いて食べているとしたら、それは少しもったいないかもしれない。なんとこれらにも非常に健康効果の高い栄養素が含まれているというのだ。ここからはそんなみかんの薄皮や白い筋に含まれる栄養と健康効果について紐解いていこう。

主な栄養素

みかん/じょうのう100g
エネルギー/49kcal
たんぱく質/0.7g
脂質/0.1g
糖質/11g
食物繊維総量1.0g
カリウム/150mg
ビタミンA/
β-カロテン180μg
β-クリプトキサンチン1700μg
β-カロテン当量1000μg
レチノール活性当量84μg
ビタミンC/32mg(※8)
上記は砂じょう(つぶつぶした果肉部分)ではなく、じょうのうと呼ばれる砂じょうが入っている袋部分の栄養素。砂じょうとほぼ変わらないが、食物繊維だけは倍以上ととても多いことがわかる。

ペクチン

ペクチンとは食物繊維の一種である。みかんの場合は果皮に最も多く含まれており、薄皮や白い筋にも含まれているという。ペクチンには糖分吸収を抑える機能があるといわれており、食後血糖値の上昇をゆるやかにする効果が期待されている。さらにコレステロール代謝の正常化や便秘改善など、現代人の悩みに有意な効果を有している。(※9.10)

ヘスペリジン

みかんの白い筋は維管束と呼ばれるもので、水分や栄養分を補給する管のようなものである。これには食物繊維だけでなくヘスペリジンが多く含まれている。別名、ビタミンPとも呼ばれるヘスペリジンはフラボノイドの一種で、漢方の生薬である陳皮(みかんの皮を乾燥させたもの)の主成分でもある。古くから人々は陳皮を身体を温める生薬として活用してきたが、このほどこの効果が科学的に明らかになりつつある。そもそもヘスペリジンには毛細血管の強化や血清脂質改善作用など、多くの健康効果が認められており、動脈硬化を防ぐ効果があるとされている。さらにこのヘスペリジンを酵素反応でグルコースを転移させた糖転移ヘスペリジンには血流改善作用があり、冷え性の改善、肌状態や顔色がよくなるなど、さまざまな体調を改善するらしい。ぜひ、積極的に薄皮や白い筋も食べていきたいものである。(※11.12)

3. みかんの効果を得るための選び方

みかん
みかんは健康効果の高いフルーツであり、薄皮や白い筋も一緒に食べるほうがいいことは明白である。ここからは、そんなみかんの効果を余すことなく得るためにおいしいみかんの選び方について、学んでいこう。

見た目のポイント

みかんの薄皮や白い筋は、なんとしてでも食べたい部分であることがわかった。甘いみかんであれば食べやすいので、ここでは甘くおいしいみかんの選び方について言及していこう。
  • ヘタが小さめで少し枯れていること
  • 濃いオレンジ色で表面がつるっと滑らかなこと
  • 皮にハリがあるもの
このようなみかんを選ぶのがおすすめだ。みかんは風通しのいい場所で保存するのが正解で、温度はやや高めの3~8℃くらいが適温。暖房器具などの利用からこのような場所が見つけにくい場合は、涼しくて通気性のある場所を選ぶといい。箱で購入する場合は、購入後は箱を開けておくこと。さらに腐ったみかんはすぐに排除し、つぶれてしまいがちな下のほうから食べるのがベストだ。

結論

みかんには、非常に高い健康効果があることがおわかりいただけただろう。未だ、研究途中だが、肌や生活習慣病の改善にも効果が期待できるかもしれない。みかんの持つパワーを最大限に引き出すためには、必ず薄皮や白い筋も一緒に食べること!ぜひ1日1個のみかんで健康的な生活を送りたい。
(参考文献)
  • ※1出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)果実類/(かんきつ類)/うんしゅうみかん/砂じょう/普通/生
    https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07029_7
  • ※2出典:公益財団法人長寿科学復興財団「ビタミンCの働きと1日の摂取量」
  • ※3出典:農林水産省「みかんにはどんな栄養があるのですか。また、おいしいみかんの選び方や保存方法についても教えてください。」
  • ※4出典:J-stage「ミカンの摂取と健康に関する栄養疫学調査:三ヶ日町研究」
  • ※5出典:農林水産省「主な果物の健康機能性」
  • ※6出典「β-クリプトキサンチン研究最近の進歩」
  • ※7出典:公益財団法人長寿科学復興財団「カリウムの働きと1日の摂取量」
  • ※8出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)果実類/(かんきつ類)/うんしゅうみかん/じょうのう/普通/生
    https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07027_7
  • ※9出典:J-stage「果実類・果菜類および種実類のペクチンの含有量について」
  • ※10出典:J-stage「ペクチン」
  • ※11出典:農林水産省「みかんの皮をむくと白い筋がありますが何でしょうか。」
  • ※12出典:J-stage「糖転移ヘスペリジンの血流改善作用」

監修管理栄養士:黒沼祐美

経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士、健康運動指導士資格を取得。企業給食管理、食品メーカーでの商品開発、医療機関での栄養指導、健保組合での特定保健指導などを経験。その後、食文化や料理技術を学ぶためイタリアにて1年間料理留学を経験し、2012年より在住。これまでの経験を活かし、現在はオンラインでの特定保健指導や食・栄養関係の記事監修などを行う。

監修医師:中澤 佑介先生

経歴:患者さんに近い立場で専門的医療を提供したいという想いから、泌尿器科クリニック(泌尿器科/内科)を開院。2023年5月 金沢駅前にメンズヘルスクリニックを開院予定。 【資格】金沢医科大学 医学博士、日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医
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  • 更新日:

    2023年2月 9日

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