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バナナ

バナナの食べすぎと一日の目安量!身体への影響と注意点を解説

投稿者:ライター 佐々木このみ(ささきこのみ)

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2023年2月14日

バナナは手軽にエネルギー補給のできる便利な食品だが、食べすぎると身体に影響が出るのだろうか。本記事では、バナナの食べすぎによる影響と一日あたりの摂取量の目安について紹介する。適量のバナナを食べて、健康維持に役立てよう。

  

1. バナナの食べすぎにならない量

バナナ
バナナは何本食べると食べすぎになるのだろうか。まずは、一日あたりの摂取量の目安をおさえておこう。

一日の摂取量の目安

バナナは果物に分類されるが、果物の摂取量は一日あたり200gが目安とされている(※1)。中くらいのサイズのバナナの場合、1本あたりの可食部が約100gのため、一日あたり2本までなら食べすぎにならない量といえるだろう。
ただし、ほかの果物も食べる場合は、1~2本を基準にバランスを見ながら調整する必要がある。
【糖尿病患者の場合】
バナナの食べすぎにならない目安量は、健康状態によっても異なる。2本までというのは健康な場合である。血糖値を管理する必要のある糖尿病患者の場合、バナナ2本は食べすぎになってしまう。ほかの果物を食べない場合、一日あたり中1本が目安となる。(※1)

2. バナナの食べすぎによる影響

バナナ
バナナを食べすぎると、身体にはどのような影響が出るのだろうか。目安量を超える摂取により考えられるリスクを見ていこう。

カロリーの摂りすぎ

バナナのカロリーは可食部100gあたり93kcalである(※2)。中サイズ1本が約100gのため、1本食べれば約100kcal、2本食べれば約200kcalが摂取カロリーの目安となる。
バナナを2本食べて摂取する約200kcalは、一日あたりの間食の目安のカロリーと同じだ。摂取カロリーが消費カロリーよりも多くなると太ってしまうため、バナナの食べすぎは肥満の原因にもなり得る。(※3)

中性脂肪の増加

バナナには100gあたり21.4gの糖質が含まれている(※2)。バナナを食べすぎると、糖質の過剰摂取につながる。摂りすぎた糖質は肝臓で中性脂肪に合成されるため、中性脂肪が増え肥満のリスクが高まる。

栄養の偏り

バナナの主な栄養素は炭水化物(糖質、食物繊維)であり、カリウムやビタミンB群も多く含まれる。しかし、たんぱく質や脂質は少なく、ほかのミネラル、ビタミン類もバランスよく含まれているとはいえない。(※2)そのため、バナナのみで食事を済ませる習慣をつけると、栄養が偏ってしまう。
栄養バランスのよい食事を摂る習慣は、死亡リスクの低下と関係するという研究結果も報告されている(※4)。健康維持のためには、バナナは間食や補助的な食品として位置付け、ほかの食品も組み合わせて栄養バランスを整える必要がある。

3. バナナの食べすぎに注意が必要な場合

皮を剥いたバナナ
カロリーの過剰摂取や栄養バランスの偏り以外にも、バナナの食べすぎで注意すべきことがある。バナナの食べすぎが習慣化した場合に考えられるリスクを紹介する。

結石ができるおそれ

バナナにはシュウ酸が含まれている。シュウ酸は、摂りすぎると尿路結石症のリスクが高まる物質のため摂取には注意が必要だ。シュウ酸の多い代表的な食品であるほうれん草の場合、茹でこぼすことでシュウ酸を流出させることができる。しかしそのまま食べるのが一般的なバナナの場合、茹でてシュウ酸を減らすことは難しい。尿路結石症予防の観点からも、食べすぎには気を付けたい。

高カリウム血症になる可能性

バナナ可食部100gあたりには、カリウムが360mg含まれている(※1)。腎機能が正常な場合はカリウムの過剰摂取になるリスクは低い。しかし、腎疾患患者の場合や、腎機能に影響を与えるような薬を服用している場合は、慎重にならなければならない。腎機能が低下するとカリウムの排泄が妨げられ、高カリウム血症を引き起こすケースがあるからだ。服薬しながら毎日バナナ1本を食べていた患者が高カリウム血症となり死亡した事例もある(※5)。腎機能に問題のある場合はとくに、バナナなどカリウムを含む食品の摂取には注意が必要だ。

結論

バナナの一日あたりの摂取目安量は、1~2本である。食べすぎるとカロリーの過剰摂取や中性脂肪の増加により肥満リスクが高まるほか、栄養も偏ってしまう。また、尿路結石症や高カリウム血症のリスク要因になるケースもある。バナナのみを食べすぎるのはおすすめできないが、エネルギー源としては優れた食品である。栄養バランスのよい食習慣を心がけ、上手に活用しよう。
(参考文献)
  • ※1、4出典:農林水産省
  •  ※1:「FACT BOOK 果物と健康 六訂版」(「国産果実競争力強化事業」)p5、p8
  •  ※4:「食育」ってどんないいことがあるの?~エビデンス(根拠)に基づいて分かった こと~統合版 (令和元年10月)p14~18
     https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/evidence/attach/pdf/index-28.pdf
  • ※2出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」果実類/バナナ/生
    https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07107_7
  • ※3出典:厚生労働省 e-ヘルスネット
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
  • ※5出典:日本薬学会 薬学雑誌vol.130「カリウムの摂取制限を受けている患者でのグルコサミン硫酸塩使用の安全性(朝比奈泰子、堀里子、澤田康文)」p273
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/130/2/130_2_271/_pdf/-char/ja
  • 監修医師:鈴木 幹啓先生

    経歴:自治医科大学卒業後/三重県立総合医療センター/三重中央医療センター/三重病院/伊勢赤十字病院/紀南病院で勤務後、平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院。株式会社オンラインドクター.comのCEOも兼務
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  • 更新日:

    2023年2月14日

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