目次
1. ゆず七味の原材料

ゆず七味とは、文字通りゆずを使った七味のことだ。食材の風味を引き立てるかんきつを使った伝統的な七味だが、そもそも原材料は何が使われているのだろうか?ゆず七味に使われている素材と特徴についてみてみよう。
使われている素材
日本を代表するスパイスである七味は、基本的に辛さに特徴があるものを2種類、香りを重視したものを5種類ブレンドする。主だった原材料は、青のり、胡麻、麻の実、山椒、唐辛子、陳皮、けしの実といった7種類だ。
メーカーによって異なるものの、それら7種類に柚子の皮などを加えたものが一般的にゆず七味といわれている。
日本は東西で好まれる味が異なるので、七味の配合割合は東西で微妙な違いがある。たとえば関西では淡白な味の料理が好まれるため、辛さより香りを重視したブレンドで作られることが多く、紫蘇や胡麻を多く使う。対して関東ではピリッとした辛さが好まれるため、複数の唐辛子を使用する店もある。購入する際は、自分の好みで買う場所を変えてみると面白いかもしれない。
2. ゆず七味の美味しい使い方

ゆず七味の食べ方として、焼鳥やうどんなどに振りかけるだけで終わらせていないだろうか?できあがったものにかけるのはもちろん美味しいが、ゆず七味を料理に使う方法もご紹介しよう。
おすすめの食べ方
できあがった煮物や焼き物にかけて食べる方法は定番だ。振りかける人の目分量によるので、好きな辛さにすることが可能。さらに火を入れるなどの工程がないので、ゆずの風味も飛びにくく、ゆず七味の美味しさをダイレクトに感じられる。
また、マヨネーズやポン酢などの調味料に混ぜると、ひと手間加えたドレッシングとして楽しめる。辛さはもちろんのこと、ゆずの風味が全体をさわやかにしてくれる。冷やしても美味しい食べ方だ。
3. ゆずと三大七味

日本全国に七味はあるが、「日本三大七味」と呼ばれる七味唐辛子専門店があるのをご存じだろうか?東京の浅草寺、長野の善光寺、京都の清水寺というそれぞれ歴史ある大寺院の門前に店を構えている。店ごとに七味の調合や味、香り、色など工夫を凝らしてあり特徴があるのだ。
八幡屋礒五郎
長野・善光寺門前に店を構え、「善光寺参りの手形」と称されるほど有名な七味唐辛子を販売している。辛みと香りの調和を重視した配合の七味が特徴で、とくに開封後の風味にこだわりがあり、小袋や小瓶での購入がおすすめだ。こちらのゆず七味は、国産ゆずの果皮を使用した香り高い風味が楽しめる。
七味家本舗
京都・清水寺の参道にあり、一子相伝の調合法で京料理の絶妙な味を引き立てる薬味として、風味を重視した良質な原料にこだわりがある。七味家本舗ではゆず七味の取り扱いがないが、ゆず一味とゆず粉を販売している。後述するやげん堀の七味や七味家本舗の七味唐辛子に混ぜて、自分好みの味にブレンドするのがおすすめだ。
やげん堀
東京・浅草寺の近くにあり、漢方薬をヒントに考案された七味唐辛子を販売している。そのままの唐辛子と焼き唐辛子の2種類の唐辛子を使用した、関東特有のピリッとした辛さが特徴だ。
使用される七味の原料を個別でも販売しており、自分でこだわりの七味唐辛子を作れる。やげん堀の七味にもゆずは入っていないので、ここの七味を使用したゆず七味がほしい場合は自分で調合するのがベストだ。
結論
ひとくちにゆず七味といっても東西で味や風味の違いがあり、食べ方にも無限の幅がある。店舗によっては自分でブレンドしたり、配合を決めて調合を頼めたりすることもあるので、自分好みのゆず七味を使ってお気に入りのレシピにひと手間加えてみてはどうだろうか。
監修管理栄養士:渡邉里英
経歴:大学で栄養学を学び、大学院卒業後、医学関連出版社に就職。管理栄養士としての知識と医学雑誌の編集経験をもとに、オリひと食料理記事の監修に至る。