目次
- ※1参照:日本栄養・食糧学会誌「摂取する水の温度と量がヒトの胃運動に及ぼす影響」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/64/1/64_1_19/_pdf
- ※2参照:厚生労働省「「健康のため水を飲もう」推進運動」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/nomou/index.html
1. 食事中の水分補給

まずは、食事中の水分補給について見ていこう。
食事からも水を摂取している
水分と聞くと経口摂取をイメージする人も多いと思うが、実は食事からも水分を摂取しているのだ。人間は平均して食事から1日1リットルの水分を摂取しているといわれている。また、水を飲み過ぎると胃酸が薄まるなどの声もあるが、人間の身体は体内の水分量を調整するようにできている。そのため、多少飲み過ぎた場合でも体内コントロールで対応できるのだ。
2. 食事中の水と胃の運動

次に、食事中の水と胃の運動の関係について見ていこう。
水の温度と胃の運動
水を飲むと胃の運動が起こるが、飲む水の量と胃の運動には関係がないとされている。体温程度の水分を、さまざまな量で飲んで胃の運動を比較してもほとんど違いがなかった。しかし、体温以上の温かい水分を摂った場合には、胃の運動の一過性の増大が見られたとの報告もある。これらの研究はサンプル数が少なく今後もさらなる検討の余地があるものの、温かい飲み物は胃の運動を増大させると考えられる。(※1)
3. 食事中の水と役割

次に、食事中の水の役割について見ていこう。
食欲がないときの刺激
食前に温かい水分を摂取すると胃の運動が活発となり、食欲増進になるといわれている。とくに朝など食欲がなくて食事を摂れないと感じるときは、温かい飲み物をコップ一杯摂取してみるのがおすすめだ。(※1)
摂取不足の影響
食事中に水分を摂らずに体内の水分が不足した場合、熱中症・脳梗塞・心筋梗塞などのリスクが上がってしまう。このようなリスクを負わないためにも適度な水分摂取を心がけるようにしよう。(※2)また、水分が不足すると便が硬くなって便秘になる場合もある。便の量も減ってしまい、出にくくなる可能性があるので注意しよう。
4. 食事中の水と飲むタイミング

食事中の水について分かったところで、次は飲むタイミングについて見ていこう。
効率のよい飲み方
水分は1日に1.2リットル程度摂取するのが望ましいとされているが、一気に飲めばよいわけではない。1回につきコップ一杯(150ml)程度を目安にし、1日8回程度に分けて飲むのがよいだろう。水分の摂り忘れがないよう、起床時・10時休憩・昼食時・おやつ時・夕方・夕食時・お風呂あがり・寝る前などに分けて飲むとよい。ただし、ジュースなどカロリーの高いものばかり飲まないようにしよう。水やお茶などをメインにし、水分補給を心がけるのがおすすめだ。
結論
食事中に得られる水分は水として飲む以外に、食事の中からも摂れることが分かった。水分は1日に1.2リットル程度飲むのが望ましいので、数回に分けてタイミングを見ながら飲むようにしよう。水分不足はさまざまなリスクを伴うため、ぜひ本記事を参考に適度な水分摂取を心がけてほしい。
(参考文献)
監修管理栄養士:児玉智絢
経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士免許を取得。食品メーカーの商品開発などを経験後、フリーランスとして栄養・健康分野の記事監修を中心に活動中。
監修医師:寺西宏王 医師
TCB東京中央美容外科 エリア総括院長 兼 梅田大阪駅前院院長、二重整形指導最高責任者(関西)
約10年間心臓血管外科医として勤務した経歴を持ち、 美容外科にまつわることはもちろんのこと、心臓外科医としての経験から幅広い分野に関して専門的な知識を有している。 また、約100名が在籍している梅田大阪駅前院において、新任院長へのマネジメントの講師や医師たちが手技を磨く「日本美容医療学会」の代表理事も務めるなど、 医療に関することだけでなく、さまざまな分野に精通しているTCBの看板ドクター。