目次
1. マスタードとからしの原材料の違い

マスタードは「洋からし」、からしは「和からし」と呼ばれており、色味やピリッと辛いところは似ているが、じつは原材料が違う。マスタードとからしは一体何からできているのか、原材料の違いについて詳しくみていこう。
種子の違い
マスタードとからしの違いは種子にある。どちらも「アブラナ科からし菜」の種子を原材料としているが、使う種子の種類によってマスタードとからしのどちらになるかが決まってくるのだ。
マスタードはおもにイエローマスタードの粒から作られており、マスタードの種類によっても原材料は異なる。イエローマスタードの特徴は、辛みが穏やかで洋食との相性がバツグンであることだ。
一方からしは、オリエンタルマスタードという種子を使って作られる。オリエンタルマスタードは、鼻につーんと抜ける強い刺激が特徴的だ。おでんや和え物などの和食との相性がよい。
2. マスタードとからしの製造方法の違い

マスタードとからしの作り方にはどのような違いがあるのだろうか。それぞれの作り方について紹介しよう。
それぞれの作り方
マスタードは、からし菜の種子に酢や砂糖、ワインなどを加えて作る。すり潰さず粒状のまま作られるものや種をすり潰して練って作るものなど、マスタードの種類はさまざまだ。
一方、からし菜の種子をすり潰してできた粉からしを水で溶いて練ると、練りからしになる。これがいわゆる「からし」である。ちなみに、40℃くらいのぬるま湯で溶くと辛み成分がよく出るそうだ。
3. マスタードとからしの使い方の違い

最後に、マスタードとからしの使い方の違いについてみていこう。味の特徴や使い方について詳しく紹介する。
マスタードの使い方
マスタードは酢や砂糖などの調味料を混ぜて作ることもあり、マイルドな風味が特徴だ。ハンバーガーやホットドッグなどの洋食に使用されることが多い。イギリスマスタードやアメリカマスタード、粒マスタードなどの種類があり、ローストビーフやソーセージなどの肉料理やサラダやドレッシング、魚料理など、料理に合わせて使い分けるとよいだろう。
辛みがマイルドなマスタードは、欧米ではたくさんの量を使用することが多い。そのため、マスタードはチューブではなくボトルや瓶などの容器で販売されているのだ。酢や砂糖などを加えて作られるため、瓶の中で熟成され辛み以外の風味がアップする効果もある。
また、ヨーロッパなどから輸入されるマスタードは、長期輸送されたり赤道近くを通過したりするため、保存性の高い瓶が適しているのだろう。
からしの使い方
からしは、ツンとした辛みが特徴で昔から日本で食べられている。からしは、おでんや納豆、豚まんや焼売などのメニューに添えられていることが多いだろう。
マスタードが手元にない場合は、からしとマヨネーズを3:1になるように混ぜると代用できる。このからしマヨネーズは、ポテトサラダの味付けなどにも使えるので覚えておこう。
少量ずつ薬味として使われるからしは、辛みが飛散しないようにチューブで売られていることが多い。からしは少量ずつ複数回使用するため、適量を絞り出せるチューブが適しているのだ。
結論
マスタードとからしの違いは、原材料や製造方法などがある。マスタードは辛みが少しマイルドで、ハンバーガーやホットドッグなど洋食に用いられることが多い。からしは、おでんや和え物などの和食と一緒に食べることが多く、ピリッとした辛みが楽しめる。市販のからしにはブレンドされているものもあるので、本来のからしの味を楽しみたい場合は、「オリエンタルマスタード」のみを使っている商品を選ぼう。
監修管理栄養士:渡邉里英
経歴:大学で栄養学を学び、大学院卒業後、医学関連出版社に就職。管理栄養士としての知識と医学雑誌の編集経験をもとに、オリひと食料理記事の監修に至る。