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納豆

納豆のプリン体含有量!食事制限の誤解と食材ごとの注意点

投稿者:ライター 佐々木このみ(ささきこのみ)

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2023年2月16日

納豆は健康維持に役立つ食品として知られる。その一方で、プリン体が含まれることから、痛風を引き起こすリスクが懸念される。納豆には、どのくらいのプリン体が含まれているのだろうか。納豆を安心して食べるために、納豆とプリン体の関係や適切な食べ方を解説していく。

  

1. 納豆のプリン体

納豆
納豆には、痛風を引き起こす要因となるプリン体が含まれている。プリン体を食事から摂取すると、体内で尿酸に代謝される。尿酸は尿や便で排泄されるが、血中の尿酸値が高くなりすぎると、高尿酸血症となる。その状態を放置すると、激しい関節炎(痛風)の症状が出る。
痛風を治療せず放置すると、結節ができる、腎臓の機能が悪化するなど重症化することもあるため注意が必要だ。
プリン体を多く含む食品を過剰摂取すると、尿酸値を上げる原因となってしまう。では、納豆のプリン体含有量はどのくらいなのだろうか。

含まれている量

納豆100gあたりには、プリン体113.9mgが含まれている。ほかの大豆製品のプリン体含有量(可食部100gあたり)と比較すると、乾燥大豆が172.5mgと多いが、木綿豆腐(31.1mg)、豆乳(22.0mg)などは少ない。
肉や魚は、種類や部位で含有量にかなり差がある。同じ重量でも、とくにレバー(鶏:312.2mg)や干物(アジ:245.8mg)は納豆の2~3倍ほどの量のプリン体を含む。
鶏卵や牛乳など含有量が0mgとされる食品もあるが、プリン体は納豆に限らず野菜やきのこ、白米など多くの食品に含まれている。(※1、2)

2. 納豆のプリン体と誤解

納豆ご飯
納豆のプリン体含有量は、大豆製品のなかでは比較的多い。しかし、レバーや干物などと比べると特別に多いとはいえない量である。(※1、2)では、高尿酸血症と痛風を予防する観点から、プリン体の摂取目安量を見ていこう。

1日の摂取目安

プリン体の1日あたりの摂取量は、400mgまでを目安にするとよい。これは、「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」で示された数値である。納豆1パック(40~50g)のプリン体含有量は約45.6~57mgだ。継続して食べる場合は、さまざまな食品にプリン体が含まれることを考慮して1日1パック程度が納豆の適量といえるだろう。(※1、2)

食事制限について

高尿酸血症や痛風の患者は、とくにプリン体摂取量に注意が必要だが、なかには誤った食事制限により栄養バランスを崩してしまうケースもある。プリン体の多い食品を食べないようにするなど、極端な食事制限は栄養失調につながってしまうのだ。尿酸値の上昇にはアルコールも関与するため、痛風の原因はプリン体摂取だけではない。食べすぎやお酒の飲みすぎを避けつつ、栄養バランスのよい食事を心がけよう。(※3)

3. 納豆は食事療法にも勧められる食材

健康食品 納豆
プリン体含有量の多い食品が、必ずしも高尿酸血症や痛風を引き起こすとは限らない。食品に含まれるほかの成分や栄養素を摂取するメリットのほうが大きかったり、尿酸値を下げる働きをしたりする場合もあるのだ。

食材とプリン体

納豆を含む豆・大豆製品や野菜、きのこ、海藻類には、食物繊維が含まれている。食物繊維には血清尿酸値を下げる作用があるため、肉や魚などと比較すると尿酸値が上がりにくいと考えられる。プリン体含有量も比較的少なく、穀類、イモ類、果物類も含め、痛風・高尿酸血症の食事療法に推奨される食品である。ほかの食品については、下記のような摂取を心がけることが推奨される。(※2)
  • 乳製品、卵:脂肪比率に気を付けながら適量を摂取する
  • 肉、魚:1食あたり80g程度を目安に摂取する
  • 魚卵:脂肪比率が高いため少量にする
  • 白子:プリン体が非常に多いため少量にする
  • 貝、エビ、タコなどの魚介類:プリン体が多いものは少量にする
  • 加工品、スナック菓子:塩分が多いため控える
  • 調味料、サプリメント:プリン体の多いものもあるため、必要量のみ使用する

結論

納豆のプリン体含有量は、豆腐などほかの大豆製品と比較すると多いが、肉や魚などと比較すると特別に多いわけではない。尿酸値を上げるリスクが高いのは、納豆よりもレバーや干物、白子などである。また、納豆にはプリン体だけでなく尿酸値を下げる作用のある食物繊維も含まれ、食事療法に推奨される食品とされる。1日1パック程度を目安に摂取し、栄養バランスのよい食事を心がけよう。
(参考文献)
  •  ※1:食品中のプリン体含有量 一覧表
     https://www.tufu.or.jp/pdf/purine_food.pdf
  • ※2、3出典:一般社団法人 日本痛風・尿酸核酸学会
     https://www.jstage.jst.go.jp/
  • 監修管理栄養士:児玉智絢

    経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士免許を取得。食品メーカーの商品開発などを経験後、フリーランスとして栄養・健康分野の記事監修を中心に活動中。

    監修医師:中澤 佑介先生

    経歴:患者さんに近い立場で専門的医療を提供したいという想いから、泌尿器科クリニック(泌尿器科/内科)を開院。2023年5月 金沢駅前にメンズヘルスクリニックを開院予定。 【資格】金沢医科大学 医学博士、日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医
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  • 更新日:

    2023年2月16日

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