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ナタデココ

ナタデココの体に悪い食べ方!影響と健康効果のある成分を解説

投稿者:ライター 佐々木このみ(ささきこのみ)

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2023年2月20日

ナタデココはコリコリとした食感が魅力の食品だが、食べ方によっては体に悪い影響を与えてしまうことがある。逆に、ナタデココの気を付けるべき点をおさえておけば、健康に役立てることもできる。体に悪い影響が出るのはどのようなケースか、また期待できる効果について解説する。

  

1. ナタデココが体に悪い影響を与える場合

ミックスフルーツ、ナタデココ
ナタデココは、ココナッツの果汁を発酵させて作られた食品だ。ほとんどが水分でできており、栄養素はシロップに含まれる糖分を除けば、食物繊維とわずかなミネラル類のみである(※1)。体に悪い影響が出る可能性があるのは、下記のようなケースだ。

食べ過ぎ

一般的な市販のナタデココには、砂糖や果糖ブドウ糖液糖などの糖分が添加されている。そのため、シロップごと食べ過ぎると糖質の摂り過ぎにより太る原因となる。また、ナタデココに含まれる食物繊維は、すべて不溶性のものだ。含有量は少なく過剰摂取のリスクは低いが、食べ過ぎると下痢になる場合もある。1日150g程度を目安に少しずつ食べよう。(※1~3)
ナタデココはしっかりとした歯ごたえがあるため、よく噛んでゆっくり食べることで食べ過ぎを防げる。また、糖分の過剰摂取を防ぐために、シロップを減らすなど食べ方を工夫すると良いだろう。

食物アレルギー

ナタデココの主原料であるココナッツにより、食物アレルギーが引き起こされる可能性がある。「即時型食物アレルギーによる健康被害に関する全国実態調査」(※4)において報告されている。木の実類ではクルミやカシューナッツが原因となる例が多くを占め、食物アレルギー全体でもココナッツアレルギーはわずかな件数だ。しかし、発症する場合もあることを踏まえ、アレルギー体質の人などはとくに注意しながら食べたほうが良いだろう。

2. ナタデココの食物繊維

テーブルの上の新鮮なココナッツ
ナタデココは、水やシロップの糖分を除くと食物繊維が主成分となる。(※1)この食物繊維は、ココナッツ果汁に酢酸菌を加えて発酵させて作られる特殊なセルロースだ。どのような特徴があるのだろうか。

微生物セルロース

ナタデココの食物繊維である微生物セルロースは、植物由来の一般的なセルロースよりも純度が高く網目構造が微細である。この特徴から、食用としてだけでなく、工業用素材としても用いられる。(※5、6)

3. ナタデココは適量食べれば体に良い

ナタデココ
ナタデココに含まれるセルロースは、水や油に溶けない不溶性食物繊維である。下記のような健康効果の期待できる栄養素だ。

生活習慣病予防

セルロースなどの不溶性食物繊維には、食塊を形成することから満腹感をもたらす作用、消化器官をゆっくりと移動することからグルコースや脂質の循環を抑制する作用がある。また、大腸内で微生物発酵を促す作用により、腸内環境を整える。これらの働きはダイエットに役立つだけでなく、生活習慣病の予防にもつながる。(※6)
【生活習慣病とは】
生活習慣病とは、食事、運動、飲酒、喫煙、ストレスなどの生活習慣が関与することにより引き起こされる疾患の総称だ。動脈硬化症や糖尿病、高血圧症、脂質異常症などや、これらが危険因子となり発症する脳血管疾患や心疾患、さらにがんも含まれる。(※7)
日本人は食物繊維の摂取量が不足しがちなため、積極的な摂取が推奨されている。(※8)ナタデココを継続的に適量食べることは、体に悪いどころか健康維持に役立つと考えられる。

結論

ナタデココは、水分と不溶性食物繊維で純度の高いセルロースでできている。体に悪い成分ではなく、逆に適量の摂取は満腹感を生み腸内環境を整えることから、ダイエットや生活習慣病の予防に役立つ。しかし、よく噛まずに食べ過ぎると消化不良を起こすことがある。シロップに含まれる糖分の過剰摂取も、肥満の原因となり体に悪い。ナタデココはシロップを控えめにして、1日150g程度を目安によく噛んで食べよう。
(参考文献)
  • ※1出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」果実類/ココナッツ/ナタデココ
    https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07170_7
  • ※2出典:国立研究開発法人国立循環器病研究センター 栄養に関する基礎知識
  • ※3出典:国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報 特定保健用食品 商品詳細 ナタデココファイバー
  • ※4出典:消費者庁 令和3年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書
    https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/assets/food_labeling_cms204_220601_01.pdf
  • ※5出典:農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門 農研機構報告食品部門 (Bull.NARO. Food. Res) No. 2, 21-25 (2018)ナタデココ生産における酢酸菌のコロニー形態と生産能の相関性
  • ※6出典:日本調理科学会誌(J. Cookery Sci. Jpn.)Vol. 53 No. 5(2020)セルロース系資源と食 p53-54
  • ※7、8出典:厚生労働省e-ヘルスネット
  •  ※7:生活習慣病
  •  ※8:食物繊維の必要性と健康
     https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html

監修管理栄養士:児玉智絢

経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士免許を取得。食品メーカーの商品開発などを経験後、フリーランスとして栄養・健康分野の記事監修を中心に活動中。

監修医師:中澤 佑介先生

経歴:患者さんに近い立場で専門的医療を提供したいという想いから、泌尿器科クリニック(泌尿器科/内科)を開院。2023年5月 金沢駅前にメンズヘルスクリニックを開院予定。 【資格】金沢医科大学 医学博士、日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医
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  • 更新日:

    2023年2月20日

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