目次
- ビタミンC
- ビタミンA
- カリウム
- βカロテン
- 千葉県 旬は1~2月、5月、10月
- 茨城県 通常のトマトの旬は3~6月、8月下旬~11月中旬
- 福島県 旬は初夏から晩秋
- 青森県 旬は7~11月
- 愛知県 旬は5~6月
1. トマトの旬の時期

スーパーの野菜コーナーにトマトがあるのは、もはや当たり前の光景になっている。トマトの本来の旬は夏である。JAのサイトでは、実際に現在もトマトの出荷量が多いのは5月~8月と報告されている。(※1)しかしトマトは栽培される品種が非常に増え、促成栽培や抑制栽培によって1年中市場に出るようになった。トマトが本格的に日本に普及したのは、第二次世界大戦後のことである。現在はミニトマトやカラフルなフルーツトマトなどの人気がうなぎのぼりで、トマトが持つ栄養面のメリットのみならず外観の美しさがトマトの需要が高い理由のひとつとされている。
2. トマトを旬の時期に食べるメリット

通年で市場に出るため手に取りやすい野菜であるトマトだが、旬の夏に食べるとどんなメリットがあるのだろうか。さまざまな観点から、夏のトマトを食べる長所を紹介する。
美味しい
みずみずしいトマトは、真夏の渇きをいやしてくれる存在である。実際、生のトマト100g中に含まれる水分は94gにもなる。(※2)美味しいと感じるのは当然かもしれない。また四季がはっきりとしている日本で栽培される野菜は、旬の季節の美味が際立っている。(※3)トマトも旬の初期のものが最もおいしく、旬も終わりに近づくと味が落ちるといわれている。
栄養が豊富
一般的なトマトには、次のような栄養が含まれている。(※2)
特にβカロテン量は、生のトマト100g中540μgと豊富である。(※2)ビタミンCの量も、大玉のトマト1個で1日の理想摂取量の25%はカバーできるとされている。(※4)旬の時期のトマトのこうした栄養価は最高値となり、旬が終わるとともに栄養価も下がる。たとえば11月のトマトのカロテン量は241μg、旬の時期の数値の半分以下となってしまうのである。(※3)
値段が安い
旬の時期の野菜の量が増えるのは、「出盛り期」という言葉で表現される。供給が増える旬の時期、トマトは値段も安くなる。美味しく栄養価が豊富で、さらに値段が安いという三拍子そろった条件を満たす旬のトマト、見逃す手はないだろう。
3. トマトの旬と産地

トマトの品種にはさまざまなものがあげられる。農林水産省によれば、トマトは品種ではなく旬の産地で選ぶほうが美味しいのだという。(※5)南米に起源をもつトマトではあるが、現在は日本各地で栽培が普及している。その主な産地と旬を見てみよう。
主要産地と出荷時期
トマトは南は九州から北は北海道まで、さまざまな地域で栽培されている。冬でも出荷量が多い地域もある。トマトの出荷量が多い産地と旬は、こちらを参考にしてほしい。
ミニトマトの旬は6月下旬~7月、8月下旬~10月
以上は主な産地とその旬であるが、トマトの品種は増加傾向にあり、旬の時期もばらつきがある。トマトを購入する際には、全体の張りやつや、へたの部分がみずみずしいもの、重みがあるものを選ぶようにしよう。直営の市場であれば、その土地や品種の旬の時期を聞いておくのもよいかもしれない。
結論
栄養価が高い野菜として人気のトマトは、近年は品種も増えてきた。トマトの本来の旬は夏であり、実際に日本全国の出荷量を見れば現在も夏が多い。しかし全国のトマト産地を見ると、ほぼ1年を通じてどこかで出荷されていることがわかる。旬のトマトは栄養価も高い。品種や産地、あるいはトマトの鮮度をよく吟味し、旬の美味しいトマトを食べてほしい。
(参考文献)
※1.一般社団法人全国農業協同組合中央会「トマト」
※2.文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)野菜類/(トマト類)/赤色トマト/果実/生」
※3.厚生労働省「旬を取り入れた食生活(春・夏)」
※4.独立行政法人農畜産業振興機構「これからますますおいしい 冬春トマト 今が旬!」
※5.農林水産省「トマトまるごと」