目次
1. エビの背わたを取る理由

エビの下処理として背わたを取るが、わざわざ取らなくてもいいのではないかと思う方もいるだろう。しかし、エビの背わたはきちんと取る理由があるのだ。ここでは、背わたを取る理由を解説していこう。
風味が悪くなる
エビの背わたは腸管だ。人間でいうと腸の役割をしており、エビが食べたエサや消化されたものなどが混ざっている。背わたが黒く見えるのは、食べたものを消化しているからなのだ。
また、エビは砂に潜る習性があり、砂を吸い込んでいることがある。そのため背わたを取らないで食べると、エサと一緒に砂が混ざっていることがあり食感が悪くなる。さらに、背わたは臭みの原因となるため、取らないと風味も落ちてしまう。加えて、黒い背わたが残っていると見た目もよくないため、食感や臭み、見栄えが気になる場合は取ったほうがよいだろう。食感や臭みが気にならなければそのまま食べても問題はない。
また、エビのはらわたは取ったほうがよいのか、気になる方もいるだろう。エビのはらわたは神経で、料理の味へ影響を与えることはないため基本的に取り除く必要はない。
また、エビはなるべく殻付きのまま茹でることをおすすめしたい。殻をむいてから茹でると、茹でた後に身が縮んだり旨みが流れたりするためだ。殻付きのまま背わたを取る方法も、のちほど紹介していく。
2. エビの背わたを取る方法

エビの背わたを取るにはいくつか方法がある。今回は、爪楊枝や竹串を使った背わたの取り方を紹介していく。
取り方とポイント
爪楊枝や竹串を使った、エビの背わたを取る方法から見ていこう。
殻付きエビの場合
エビを手で持ち、少し曲げて真ん中あたりの殻の間に爪楊枝もしくは竹串を刺す。ゆっくりと爪楊枝(竹串)で背わたをすくって引き出し、背わたが出てきたらゆっくりと引き抜こう。途中で切れてしまった場合は、また爪楊枝(竹串)を刺して引っ張れば問題ない。
むきエビの場合
エビの背の真ん中あたりに爪楊枝もしくは竹串を刺し、爪楊枝(竹串)を上に抜いて身を破り背わたを出す。背わたを引き抜くように爪楊枝(竹串)をくるくると回して巻き取る。
ポイントは、殻付きエビもむきエビも焦らずゆっくり作業することだ。ほかにも注意したいのが、魚介類には食中毒の原因となる腸炎ビブリオが付着している場合がある。調理をする際はエビを流水でよく洗い、まな板や包丁は使ったらそのまま使い回さず、洗って消毒しよう。
3. エビの背わたが取りにくい場合

爪楊枝でエビの背わたを取る方法を紹介したが、取りにくい場合には包丁を使って取る方法もある。
包丁で切れ目を入れる
殻をむいて調理する場合は、包丁を使って背中に切り込みを入れても背わたを取り出せる。まずエビの殻をむき、背中に沿って包丁で浅めに切り込みを入れる。そのまま包丁で背わたをかき出そう。
殻付きのまま調理する場合はこの方法は難しいので、調理方法に合わせて使い分けてほしい。
結論
エビの背わたを取る理由や取り方を紹介してきた。食感や風味、見栄えにこだわる場合は、背わたは取ったほうがよい。背わたの取り方にはいくつか方法があるが、包丁を使い慣れていれば包丁で取るほうが簡単だろう。殻付きの場合は爪楊枝を使った取り方をおすすめする。魚介類に付着している腸炎ビブリオによる食中毒に注意しつつ、安全に美味しく味わってもらいたい。
監修管理栄養士:渡邉里英
経歴:大学で栄養学を学び、大学院卒業後、医学関連出版社に就職。管理栄養士としての知識と医学雑誌の編集経験をもとに、オリひと食料理記事の監修に至る。