目次
1. 天ぷらをサクサクにする衣作りのコツ

天ぷらをサクサクにするには、衣の作り方が重要である。とくに、衣に使う材料の温度と、混ぜ方にコツがいる。それぞれについて詳しく見ていこう。
温度が大切
天ぷらの衣には一般的に小麦粉(薄力粉)が使われるが、水と混ぜたときに温度が高いと粘り気が出やすくなり、サクサクにならない。そこで、氷水を使用して衣の温度が上がらないようにするとよい。卵を混ぜ込む場合も必ず冷えたものを使おう。また、作った衣をコンロの近くに置いておくと温度が上がってしまう。置き場所にも気を付けつつ、衣ができたら速やかに調理しよう。
ダマが残る程度に軽く混ぜる
小麦粉に水分を加えた状態で混ぜすぎるのも、粘り気が出る原因となる。そのため、サクサクの天ぷらにするには衣はざっくりと軽く混ぜる程度にしよう。ダマ(粉の固まり)が残る程度でよい。
2. 天ぷらをサクサクにする衣作りの裏ワザ

衣を低温で作ることと混ぜすぎないことを守るだけでも十分だが、簡単にサクサクの天ぷらにする裏ワザも知っておくと便利だ。代表的な2つの方法を紹介する。
マヨネーズを使う
卵の代わりにマヨネーズを衣に加える方法だ。マヨネーズに含まれる乳化された植物油が衣に分散することで、衣の水分が減りサクサクに仕上がる。天ぷら2人前の場合、小麦粉50g、水75mlに対し、マヨネーズ大さじ1が使用量の目安となる。
炭酸水を使う
水の代わりに炭酸水を加える方法だ。揚げる際に二酸化炭素が蒸発することにより、水分が逃げてサクサクになる。炭酸水は、微炭酸のものか少し気の抜けたものを使用するのがコツだ。炭酸の強いものは、油はねの原因となるため避けよう。
3. 天ぷらをサクサクに揚げるコツ

サクサクにするためのコツをおさえて衣を作ったら、いよいよ最終段階だ。天ぷらにする食材に衣をつけるとき、揚げるときのコツをおさえて、美味しく仕上げよう。
小麦粉をまぶしてから衣をつける
食材にそのまま衣をつけるのではなく、小麦粉をまぶす「打ち粉」を行うのがポイントだ。打ち粉をすることにより衣がつきやすくなり、かつ薄くキレイに仕上がる。衣は薄いほうがサクサクの天ぷらになるのだ。かき揚げの場合は、打ち粉によりまとまりやすくなる。
小麦粉をまぶす前には、食材の水気をきっておくことも大切だ。キッチンペーパーで表面の水気を軽くふき取っておくと粉がつきやすくなり、油はねも防げる。
温度と揚げ上がり
天ぷらを揚げる油の温度は、一般的に170℃が適している。材料を入れると油の温度が下がるため、最初はやや高めの170~180℃に設定し、こまめに火加減を調整することが望ましい。
揚げ時間は食材により異なるが、エビやナスで2~3分、大葉で30秒程度が目安だ。さつまいもなど火の通りにくい食材は、下茹でしてから使うと短時間で揚がる。
衣が淡いきつね色になったら揚げ上がりのサインだが、音と泡の変化も見るとよい。はじめは大きかった揚げ音と泡が、次第に高い音と小さな泡に変わっていく。確実に火が通っているか知りたい場合は、竹串を刺してチェックしよう。
油をきる
天ぷらが揚がったら、バットなどに取り出して余分な油を落とそう。天ぷらを重ねると油がしみてしまうため、重ならないように並べて置くのがコツだ。揚げたてのうちに、サクサクの天ぷらを楽しもう。
結論
天ぷらをサクサクにするには、衣の作り方、衣のつけ方、揚げ方のコツをおさえておくとよい。衣は粘り気が出ないよう、低温でさっくりと混ぜよう。また、炭酸水やマヨネーズを使う裏ワザも試してみてほしい。いずれも難しいコツではないため、一つひとつ実践しながら、サクサクの美味しい天ぷら作りに挑戦しよう。
監修管理栄養士:児玉智絢
経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士免許を取得。食品メーカーの商品開発などを経験後、フリーランスとして栄養・健康分野の記事監修を中心に活動中。