目次
1. 焼き鳥の砂肝ってどこの部位のこと?

焼き鳥の砂肝はこりこりして美味しいのが魅力の部位。ただし砂肝がどこの部位かと聞かれるとピン来ない方もいるだろう。鶏肉における砂肝の部位は何なのか、特徴や味についても解説する。
砂肝の部位は鶏の砂嚢のこと
砂肝の正式名は「砂嚢(さのう)」といい、鶏の胃の一部だ。砂肝というが肝臓部分ではないことに注意しよう。鶏は歯がないため、砂嚢に含まれる砂礫(されき)という小石や貝殻を貯めておいた器官で、食べ物を細かくすりつぶして消化する。
実際に鶏をさばく際には、砂肝の中には砂や餌の残りなどが入っているが、食用の内臓はほとんどが内容物をキレイに取り除いた状態で市場に出回っている。砂礫も販売されるときには取り除かれるため、一緒に食べてしまうことはないので安心して楽しんでもらいたい。
砂肝の味や特徴
砂肝はほとんどが筋肉のため脂肪が少なくコリコリサクサクとした食感が楽しめるのが特徴だ。サクッと噛みきることができ、硬そうな見た目よりも食べやすい。
味はあっさりとしていて、ほかのよく食べられるハツやレバーなどの内臓に比べると臭みも少ない。内臓であれば調理のために面倒な下処理をして臭みを取るが、砂肝の場合は固い部分を取り除くだけと簡単。内臓っぽさがないので、ホルモン系が苦手な方でも楽しめる珍しい部位だ。
焼き鳥にして食べる場合は、タレにも塩にも合う。
2. 焼肉の砂肝と砂ずりは違う部位?

焼き鳥屋にいくと、砂ずりというメニューを見たことがある方もいるだろう。実は、砂ずりとは砂肝と同じ意味だ。
主に九州や東海地方など、西日本では砂ずりと呼ばれている。大阪では「ずり」と呼ぶことがあるそうだが、鶏に限らず魚の腹肉のこともずりと呼ぶので、ずりだから砂肝のことと思わないように、店で注文する際は注意しよう。
この違いを覚えておくと、砂肝と一緒に砂ずりのレシピも検索できるので、料理のレパートリーが広がるだろう。
結論
砂肝がどこの部位なのか、その味や特徴について解説した。地方によって表現の仕方が違う食材は砂肝のほかにもさまざまあり、その土地によって変わる名前を楽しめるのも食のおもしろさの一つだ。下処理もほかの内臓と違って簡単なため、手軽に調理にも挑戦できるのが魅力。店舗だけでなく、自宅でも美味しく調理して、砂肝を余すことなく堪能してはいかがだろうか。
監修管理栄養士:黒沼祐美
経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士、健康運動指導士資格を取得。企業給食管理、食品メーカーでの商品開発、医療機関での栄養指導、健保組合での特定保健指導などを経験。その後、食文化や料理技術を学ぶためイタリアにて1年間料理留学を経験し、2012年より在住。これまでの経験を活かし、現在はオンラインでの特定保健指導や食・栄養関係の記事監修などを行う。