1. こんにゃくの原料は何?

煮物やステーキ、刺身など、いろいろな料理で楽しめるこんにゃくだが、皆さんはこんにゃくの原料を知っているだろうか。こんにゃくはこんにゃく芋もしくはこんにゃく玉と呼ぶ、サトイモ科の植物の球茎が原料だ。
こんにゃく作りに必要なもの
材料はこんにゃく芋、炭酸ソーダ水、ぬるま湯、熱湯だ。こんにゃく作りに必要な用具は、包丁やゴム手袋、ミキサー、ザル、どんぶり、フードパックでOK。こんにゃく芋は刺激が強く、素手でさわるとかぶれる可能性がある。作るときはゴム手袋をはめること。
- 水を沸かしてぬるま湯を用意する。
- こんにゃく芋をよく洗って芽は取り除き、約2cmの輪切りにする。
- 鍋に切ったこんにゃく芋を入れ、かぶる程度の水を入れる。
- 鍋底にこんにゃく芋がくっつかないよう、ときどきかき混ぜながら箸が通るまで茹でる。
- 箸が通ったらザルにあげて手で皮をむく。
- こんにゃく芋とぬるま湯を一緒に、数回に分けてミキサーにかける。
- ミキサーの中身を鍋に移し、全体をよく混ぜて約40分置く。
- 炭酸ソーダをどんぶりに入れ、熱湯を加えて溶かす。
- 7に炭酸ソーダを加えてしっかりとかき混ぜ、フードパックに詰めて2時間ほど置く。
- フードパックから出した9を熱湯の中に入れ、しっかりと茹でてアクを抜いたら完成だ。
こんにゃく芋には強烈なえぐみがあり、加熱するだけでは食べられない。このえぐみを取るために炭酸ソーダのようなアルカリ性のアクを加えると、中和して取り除かれる。また、こんにゃくが固まる原理は、こんにゃく芋に含まれているグルコマンナン(コンニャクマンナン)の影響だ。グルコマンナンがアクによって固まり、こんにゃくになる(※1)。ちなみに500gのこんにゃく芋で250gの板こんにゃくを8~9枚作れる。
2. こんにゃくの原料のこんにゃく芋とは

こんにゃく芋はじゃがいものように種芋から増やすが、成長するのに約2~3年もの月日がかかるのが特徴だ。
こんにゃく芋はサトイモ科の植物
先述したようにこんにゃく芋はサトイモ科の植物で、こんにゃくに使用するのは球茎だ。こんにゃく芋の原産地はインドシナ半島といわれており、現地では見た目の形状から象の足という別名がある。食用として栽培されているのは日本と中国の一部だ。しかも定着したのは日本のみという。
こんにゃく芋の栽培方法
春に種芋を植えると新芋ができて側芽が伸び、秋にこんにゃく芋の赤ちゃんができる。これを収穫して次の春に再び植えるが、このこんにゃく芋は1年生と呼ばれる。1年生を秋に収穫したのが2年生で、次の春に植えて秋に収穫したものを3年生という。こんにゃく作りにピッタリなのが3年生だが、収穫までに2~3年かかるといわれている。ちなみにこんにゃく芋は低温に弱く、腐りやすいので収穫して次に植えるまでの保存がむずかしい作物だ。
3. こんにゃくの原料のこんにゃく芋には毒がある?

こんにゃく芋の特徴のひとつが、シュウ酸カルシウムを蓄積するところだ。シュウ酸カルシウムは劇薬に指定されており、強い毒性のある物質である(※2)。シュウ酸カルシウムを取り除くためには、アク抜きすることが大切だ(※3)。固まったこんにゃくを30分~1時間くらい煮て、十分に水にさらす方法がある。
4. タピオカの原料はこんにゃくって本当?

弾力のあるところがこんにゃくと少し似ているタピオカだが、何を原料に作られているのだろうか。タピオカはキャッサバという芋の根茎が原料だ。根茎からでんぷんを採取して水で溶き、加熱して粒状にしたものを乾燥させて作られる。ドリンクの中に入っているのを見たことがあるという人もいるだろう。黒い色のタピオカはカラメルで色付けされている。ちなみに、こんにゃくで作られているタピオカこんにゃくもある。
結論
こんにゃくの原料が、こんにゃく芋であることを紹介した。こんにゃくは低カロリーで食物繊維が豊富だ。食べると便秘解消や整腸作用が期待できるうえ、生活習慣病や肥満の予防・改善に効果を発揮するという。
(参考文献)
※1出典:東北農政局「手作りこんにゃく~その2」
※2出典: 一般社団法人 日本植物生理学会「こんにゃく芋を生で食べられないえぐみの正体は何でしょうか。」
※3出典: 一般財団法人 日本こんにゃく協会「こんにゃくの作り方」
監修管理栄養士:児玉智絢
経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士免許を取得。食品メーカーの商品開発などを経験後、フリーランスとして栄養・健康分野の記事監修を中心に活動中。