目次
1. カエルの卵じゃない!タピオカの原料「キャッサバ」とは

タピオカの原料をカエルの卵と思っている人はほとんどいないと思うが、正確にその原料を答えられる人も少ないかもしれない。ここではまず、タピオカの原料であるキャッサバがどんな食材なのかについて解説をしていこう。タロイモと混同されることもあるのでその違いについても言及していく。
キャッサバは芋の一種
タピオカの原料はキャッサバと呼ばれる南米生まれの芋である。トウダイグサ科科イモノキ属の芋でこの根茎に含まれているデンプン質を加工したものがタピオカだ。日本では馴染みのないキャッサバだが、世界的にはじゃがいも、さつまいもに次いで知名度のある芋である。
キャッサバにはシアン化合物という毒素が含まれているとされている。また、生のまま日本に持ち込むこともできない。(※1)
ちなみに同じ南国生まれのタロイモと混同されることがあるようだが、タロイモは里芋と同じサトイモ科の食材でキャッサバとは別物。毒性はないが加熱して食べるのがポピュラーだ。
タピオカの作り方
キャッサバは毒性があるので、毒抜きの加工が必要になる。キャッサバからデンプンを取り出し、練り上げ、特殊な機械をもちいて、遠心力で球状にしたものがタピオカパールと呼ばれるものだ。これを茹でると我々がよく知るあのもちもちしたタピオカになる。
2. こんにゃくが原料のタピオカもある

昨今のタピオカ人気から、日本ではこんにゃくを使ったタピオカ風の商品が誕生した。タピオカと異なり、こんにゃくなのでふやける心配がないこと、ヘルシーであること、茹でる必要がないことなど、いいことづくし。コンビニなどで販売されているカップ入りのタピオカドリンクなどに活用されているという。
3. タピオカの原料の危険性|毒やアレルギーについて

前述の通り、タピオカの原料であるキャッサバには毒性がある。このことからタピオカには毒があると勘違いする人が多いようだ。ここではタピオカの原料であるキャッサバの毒性について詳しく解説をしていこう。
毒の危険性
キャッサバは大きく甘味種と苦味種にわけることができ、タピオカになるのは前者である。どちらにも毒であるシアン化合物が含まれるが、加工の過程で毒性は取り除かれるため、人体に影響はない。(※1)
アレルギーの危険性
茹でたキャッサバを食べて蕁麻疹が起こることや、ひどい場合はアナフィキラシーを引き起こした例があるようだが、タピオカについては詳しくわかっていない。
現在の日本ではタピオカの表記において、タピオカ100%でなくてはならないというものはない。このため、タピオカと書いてあっても別のものが含まれている可能性がある。そのひとつの例が、先ほどあげたこんにゃくタピオカだ。
ちなみにタピオカはそもそも白色をしている。これをよく見る黒に染めるため、イカ墨を使うこともあるそうで、そういった場合は甲殻類アレルギーの人にとっては危険を伴う可能性がある。
4. タピオカの原料の値段はどれくらい?

キャッサバは日本ではほとんど流通していないので、厳密なタピオカの原価を出すことはできない。一般的にタピオカパールは、500gあたり650~800円程度で販売されていることが多い。そのほか、冷凍タイプも販売されている。
結論
タピオカはキャッサバという芋のデンプンから作られた加工品だ。キャッサバ自体には毒性があるが、加工の過程で毒性はなくなるので安心して食べることができる。できあがりは白色なので、ブラックパールタピオカなどは着色されているものと考えていい。もちもちとしたタピオカはデンプン=炭水化物だ。カロリーバランスを考えて、食べるといいだろう。
(参考文献)
※1出典:JICA「キャッサバの基礎がわかるキャッサバABC」
監修管理栄養士:渡邉里英
経歴:大学で栄養学を学び、大学院卒業後、医学関連出版社に就職。管理栄養士としての知識と医学雑誌の編集経験をもとに、オリひと食料理記事の監修に至る。