目次
- シイタケ:カサが大きく、香りが強く出汁としても使用される
- ブナシメジ:クセがなくさまざまな料理に使われる
- エノキタケ:全体が白く細長い姿が特徴で、食感がシャキシャキとしている
- マイタケ:軸からカサまで広がるように育つのが特徴
- ヒラタケ:カサの部分が大きく平たい。香りがよく歯ごたえがある
- エリンギ:軸が太い。味や香りにはクセがなく、コリコリとした食感が特徴
- ナメコ:ぬめりがあるのが特徴で、小粒なものが多い
- マッシュルーム:ヨーロッパ原産のキノコで、旨みが強い
- キクラゲ:プリプリとした食感が特徴。国内での生産量が少しずつ増えてきた
- マツタケ:芳醇な香りが特徴で、高級キノコとされる。人工栽培方法が未確立
- ハタケシメジ:シャキシャキとした食感が特徴
- アラゲキクラゲ:キクラゲよりも硬く、風味が強い
- ムキタケ:半円形で黄土色をしている。口当たりがやわらかく、香りがよい
- ウスヒラタケ:ヒラタケとよく似た小型のキノコで、クセがない
- クリタケ:レンガ色のカサをもつ小型のキノコで、風味がよい
1. 食べられるキノコは約100種類

食べられるキノコは、何種類くらいあるのだろうか。食品安全委員会の資料(※1)によると、現在わかっている食用キノコと毒キノコの割合は下記の通りである。
食用と毒キノコの割合
日本に存在するキノコでは、食用とされるキノコが100種類、毒キノコが200種類認識されている。食べられるキノコと比べて、毒キノコは2倍の数なのだ。しかし、キノコ全体でみると4000~5000種類も存在し、そのほとんどが食べられるかどうかすらわかっていないことになる。(※1)
また、食用キノコだけで100種類あるというが、スーパーなどで見られるキノコはせいぜい10種類程度ではないだろうか。一般的に食べられているものは、食用キノコのごく一部なのである。
2. 食べられるキノコと人工栽培

キノコには、人工栽培で育つものと野生のものがある。食べられるキノコは国内では100種類程度が認識されているが(※1)、人工栽培され一般的に消費されているキノコは何種類くらいあるのだろうか。
栽培されている種類の一部
現在スーパーなどで入手できるキノコは、ほとんどが人工栽培によるものである。しかし、キノコは種類によって育ち方が異なり、人工栽培技術の開発が進んでいないものがほとんどだ。(※2)
人工栽培される食用キノコは、倒木や落ち葉を栄養源とする腐生性のものがほとんどで、約20種類ほど存在する(※3)。下記のキノコが代表的である。
代表的な食べられるキノコ
似ている毒キノコもある
スーパーなどで購入できるキノコは安心して食べられるが、毒キノコの中には食用キノコと見た目が似ているものもある。ヒラタケやシイタケは、毒キノコのツキヨタケと間違えられやすい。また、最近人工栽培技術が開発された菌根性のホンシメジは、毒キノコのクサウラベニタケに似ている。食べられると思って野生のキノコを安易に採取するのは危険な行為だ。(※4)
3. 食べられるキノコと野生種

野生種の食べられるキノコで店舗で購入できるものは、ごくわずかである。また、一般的に人工栽培されるキノコの野生種(ヒラタケ、マイタケ、エノキタケなど)は、見た目や味、食感の特徴が優れている場合も多く、希少価値が高い。一般的にはあまり流通しない野生種も含め、代表的なものを見ていこう。
野生種の一部
野生種はとくに毒キノコと間違えるリスクが高いため、慎重に扱う必要がある。ヒラタケやムキタケと似ているツキヨタケや、ハタケシメジと似ているクサウラベニタケ、クリタケと似ているニガクリタケなどは、見分けるのが難しい。(※2、4)
4. 食べられるキノコと注意点

毒キノコを誤って食べないよう野生種を慎重に扱うのはもちろんだが、食べられるキノコの場合でも油断は禁物である。食べ方を誤ると、食べられるキノコでも食中毒を起こしてしまうことがあるからだ。(※2)
食べ方の注意点
キノコを安全に美味しく食べるためにも、下記のポイント(※2)をおさえておこう。
十分に加熱する
キノコの生食は食中毒を起こす原因となる。野生キノコに限らず、人工栽培のものでもしっかりと火を通してから食べよう。
一度に食べすぎない
キノコを過剰摂取すると、食物繊維の摂りすぎにより消化系中毒を起こすことがある。また、野生キノコには微量の毒性分が含まれるものもあり、大量に食べると食中毒を起こしてしまう。生育場所の微量金属なども蓄積され、とくに野生キノコは集積されやすいため、食べすぎると微量金属の摂取量も増えてしまう。
結論
食べられるキノコの種類は、大きく分けて人工栽培されたものと野生種に2分類される。野生種のほうがカサが厚かったり風味がよかったりと、食味の面で優れている場合が多い。しかし、食べられるかどうか判断するのが難しく、毒キノコと間違えて食中毒を起こすケースもあるため、安易な採取は控えたい。いずれの場合も、しっかりと火を通し、食べすぎないようにすることも食中毒予防につながる。
(参考文献)
※1出典:食品安全委員会 食中毒予防のポイント「毒キノコによる食中毒にご注意ください」
※2出典:独立行政法人農畜産業振興機構「野菜情報(2021.2)」p4 奥深いキノコ類の世界~食用性野生キノコの紹介と国内キノコ類栽培の現状と展望~(鳥取大学農学部附属菌類きのこ遺伝資源研究センター 准教授 早乙女梢 教授 霜村典宏)
※3出典:林野庁 きのこのはなし
※4出典:厚生労働省 毒キノコに要注意!
監修管理栄養士:黒沼祐美
経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士、健康運動指導士資格を取得。企業給食管理、食品メーカーでの商品開発、医療機関での栄養指導、健保組合での特定保健指導などを経験。その後、食文化や料理技術を学ぶためイタリアにて1年間料理留学を経験し、2012年より在住。これまでの経験を活かし、現在はオンラインでの特定保健指導や食・栄養関係の記事監修などを行う。