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野草

食べられる雑草を季節ごとに解説!おすすめの本もチェック

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2023年4月 4日

雑草というと聞こえは悪いが、野草というと趣がある。栽培されたものとは異なる雑草や野草は、食用や薬用として利用されてきた歴史がある。飽食の時代とはいえ、こうした自然の恩恵を摘み、食べるのも興味深い。本記事では、食べられる雑草やそれに関する書籍について説明する。

  

1. 季節ごとの食べられる雑草

野草
自然が豊かな日本では、季節ごとに食べられる野草が多い。古来愛されてきた野草にはどのようなものがあるのか。季節によって食べられるものは異なるが、そのうちのいくつかを紹介する。

春の食べられる雑草

春の野草はみずみずしさが好ましい。春の喜びを感じることができる雑草にはどんなものがあるのだろうか。
カラスノエンドウ
さやえんどうの豆によく似た実を付けるためこの名があるカラスノエンドウは、散歩の途中でも見つけることができる身近な雑草である。2~4月が摘める時期で、本州地方の土手などでよく目にする。若芽を10cmほど摘み、おひたしや天ぷらにして食べることができる。
スイバ
スイバは酸っぱい葉がなまった言葉であり、その名の通り酸味が特徴の野草である。赤い葉と緑の葉があり、1~4月にかけて摘むことができる。日本全国の田畑や土手などで目にするスイバは、ジャムにすると美味しい。ただしシュウ酸の量が多いため、多食は控えたほうがいいだろう。(※1)
ヨモギ
初春に若葉が出る野草、それがヨモギである。ヨモギは形や香りに特徴があるため、野草初心者でも見分けやすいというメリットがある。野原や土手で見つけることができるヨモギは、天ぷらとして食べるのが美味しい。またアク抜きをした後、草餅にすると春らしい風味を味わうことができる。

夏の食べられる雑草

暑い夏も野草の滋味で暑気払いできるかもしれない。あまり知られていない夏に食べられる雑草をいくつか紹介する。
スベリヒユ
7~9月にかけて畑や道端で摘むことができるスベリヒユは、日照りが強いという環境でも繁殖する野草である。ビタミンやミネラルが豊富で(※2)、トルコやギリシアではスベリヒユをサラダにして食べることもある。茹でて水に晒したあと、酢味噌で和え物にしたり炒めものにすると、夏の食欲を刺激してくれる。
オオバコ
オオバコはその名の由来となったように大きな葉が特徴である。別名はスモウトリグサといい、幼児期にこれで遊んだ記憶がある人もいるかもしれない。オオバコは人やペットに踏まれていないものを選び、地表に近い若葉を摘む。天ぷらにしたり茹でてから和え物にして食べることができる。
ツユクサ
6月ごろに若い芽の双葉を摘んで食べることができるのがツユクサである。朝に青い可憐な花をつけるツユクサは、見分けやすい野草である。夏の野草の多くは加熱すると変色してしまうが、ツユクサに関しては茹でても美しい緑色が維持できる。癖のない味わいで、炒めものやおひたしに向いている。

秋の食べられる雑草

秋から冬にかけては、食べられる野草の数は少なくなる。その中からいくつかを紹介する。
ヤマノイモ
ヤマノイモは9~11月にかけて、敷地や山林で収穫できる。ヤマノイモは、地下の部分を自然薯、地上で育まれるのがむかごなのである。ヤマノイモの葉は対生に生えているが、よく似たニガシュウという植物の葉は互生である。ニガシュウはむかごと違い苦いので注意が必要である。むかごは蒸して食べたり炊き込みご飯にすると美味しい。
クズ
クズは秋の七草のひとつであり、繁殖力が強い植物である。冬に採取した塊根はくず粉として菓子に使用される。秋に花を咲かせるクズは、葉の部分を8月ごろまで食べることができる。花は砂糖漬けにしたり天ぷらにして食べ、葉の部分は和え物にすると美味である。

冬の食べられる雑草

冬に食べられる野草にはどんなものがあるだろうか。季節柄、葉ではなく根を食べるものもある。
キクイモ
11~2月にかけて畑地や荒れ地で見ることができるのがキクイモである。秋にキクによく似た花を付けるキクイモは、冬に肥大した根の部分を食べる植物である。繁殖力が強く、栽培されたものだけではなく野生化したタイプも多い。じゃがいもと同じような感覚で使えるため、炒めたり味噌汁の具にしたり、用途は広い。
セイヨウカラシナ
冬期も葉の部分が食べられる野草が、アブラナ科のセイヨウカラシナである。菜の花とよく似た花を付けるセイヨウカラシナは、河川敷や荒れ地に生えている。花序や若葉の部分は特有の辛味があり、漬け物などにして食べられている。

2. 食べられる雑草を採るときの注意点

野草
食べるものは購入するのが当然の現代人にとって、野生の雑草を食べるのはスリリングであり新鮮である。庭や畑だけではなく、河川敷や山間部にも、食べられる野草はたくさん存在する。しかし、知らない雑草や野草をむやみに摘んで口にするのは非常に危険である。(※3)農林水産省では、山菜狩りで有毒な植物を摘んでしまう例だけではなく、家庭の庭の植物を口にして健康に害を受けた例なども紹介し、注意を促している。(※3)野生の植物は十分な知識を持って、食べる分だけを摘むというマナーをしっかり守るのが基本である。また希少種は摘んでしまわないよう、知識と常識を持った行動で野草を食べてほしい。

3. 食べられる雑草の判別におすすめの本

本
食べられる野草を知るには、写真でその形状も説明してくれる図鑑や本を入手することからはじめよう。そのうちの何冊かを紹介する。

『美味しく食べる山菜・野草』 高野昭人 (監修)世界文化社

世界文化社から刊行されている『美味しく食べる山菜・野草』は、植物の特徴や採取法だけではなく、その植物の特性を生かした美味しい食べ方まで紹介されているところが魅力的である。

『うまい雑草、ヤバイ野草 日本人が食べてきた薬草・山菜・猛毒草 魅惑的な植物の見分け方から調理法まで』森昭彦著 SBクリエイティブ刊

インパクトのあるタイトル通り、似て非なる植物同士には美味しいものと有毒なものがある。毒草とそうでないものの見分け方や旬についても説明している。

『食べる野草図鑑』 岡田恭子著 日東書院本社 刊

女性が著した本書は、図鑑としても読み物としても見ごたえがある。美しい写真と平易な文章は、すぐにでも野草を探して料理したくなるような好ましさがある。調理法が具体的であるのも嬉しい。

4. うさぎが食べられる雑草は?

うさぎ
雑草を食べる動物にうさぎがあげられる。飼育用のうさぎは、野菜や青草、乾草が餌となる。野生の雑草では、種類が多いイネ科ものが見つけやすい。オーチャードグラスやホソムギは、うさぎの飼料となるイネ科の植物である。また人間も食べることができるオオバコ、ヨモギ、クズは、うさぎも好んで食べる。いっぽうカタバミやヒガンバナなど、うさぎが食べられない植物もある。

結論

普段から食べ物を購入することが当たり前の現代人にとっては、自然の恩恵ともいうべき野草を採取し食べることは、精神的な喜びにもつながる。四季に応じて食べられる雑草や野草の数は多く、ぜひ知識をもってこれらを食してみたい。ただし野草の採取には、有毒植物などについて知ることも肝要である。食べられる分だけを節度を持って採取し、それぞれの野草にあった美味しい食べ方で楽しんでほしい。
(参考文献)
※1.日東書院本社「食べる野草図鑑(スイバ)」
※2.日東書院本社「食べる野草図鑑(スペリヒユ)」
※3.農林水産省「知らない野草、山菜は採らない、食べない!」

監修管理栄養士:黒沼祐美

経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士、健康運動指導士資格を取得。企業給食管理、食品メーカーでの商品開発、医療機関での栄養指導、健保組合での特定保健指導などを経験。その後、食文化や料理技術を学ぶためイタリアにて1年間料理留学を経験し、2012年より在住。これまでの経験を活かし、現在はオンラインでの特定保健指導や食・栄養関係の記事監修などを行う。
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  • 更新日:

    2023年4月 4日

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