美味しいかぼちゃの見分け方｜ホクホク甘い完熟の特徴

1. ホクホク甘い！美味しいかぼちゃの見分け方

厚い皮に覆われているために保存性が高いかぼちゃであるが、鮮度や品質の良し悪しがわかりにくいのも事実である。美味しいかぼちゃを見分けるためのポイントを見てみよう。

かぼちゃの食べ頃を知るためには、ヘタの部分に注目である。かぼちゃのヘタが枯れて渇いている状態であるのが、食べ頃のサインとなる。ヘタがコルクのような様相を呈していたら美味しく食べられると考えてよいだろう。

かぼちゃを覆う厚い皮は、固くてツヤがあるものを選ぼう。触れたときにヘタの周りや皮が柔らかいものは避けたほうがよい。

かぼちゃを選ぶ際には手に取ってずっしりと重量を感じるものがベターであることを覚えておこう。全体的に肉厚感を感じるかぼちゃを選ぶのもポイントのひとつである。

緑色の皮の部分にオレンジ色のムラが見られることがある。これは果肉の色と同じであるため、オレンジ色が濃いほうが食べ頃に近いとされている。色ムラ部分のオレンジは濃いものを選ぶと、濃厚な味わいを楽しめるだろう。

かぼちゃはカットされて売られていることも多い。切り売りされているかぼちゃの中から美味しいものを選ぶには、どんな見分け方があるのか。詳細を説明する。

かぼちゃは完熟状態で収穫されたもののほうが断然美味しい。それを知ることができるのが、果肉の色である。カットされているかぼちゃを選ぶ場合には、より濃いオレンジ色のものを選ぶとハズレが少ない。

カットされたかぼちゃを買う場合には、種をよく観察してみよう。種は厚みがあり、詰まっている状態のものがより成熟している証拠となる。肉厚で詰まった種を持つかぼちゃを選べば、美味しいかぼちゃに当たる確率が高い。

かぼちゃの皮と果肉の部分はくっきりと境界線があるものが好ましい。この境界線があやふやなものは水分が多すぎる可能性が高いのである。また、皮のギリギリまでオレンジ色の果肉が詰まっているものが、完熟度が高い証拠である。皮の部分はなるべく薄いものを選ぶと美味しいかぼちゃに当たるだろう。

かぼちゃをカットしたとき白っぽい粉状の物質を見つけることがあるかもしれない。カビのようにも見えるこの白いものは、栽培過程で生まれる結晶である。かぼちゃに含まれるデンプンが結晶化し、白くなるのである。これは食べても健康に害を及ぼす可能性は低い。（※1）

一方、ふわふわとした糸状の白いものが果肉上や種の周辺に見えたら、カビである可能性が高い。この場合は食べないほうが無難である。また、かぼちゃを食べたときに苦みを感じた場合も、破棄するほうが適切である。（※2）ウリ科に含まれる苦み成分は中毒を引き起こす可能性もあるため、注意が必要である。（※2）

かぼちゃは保存性が高い食材である。皮に覆われているという形状もあり、鮮度や質を見極める術を知らない人も多い。しかしヘタや皮の状態、ツヤや重さなどから、美味しいかぼちゃを見分けることは可能である。カットしたかぼちゃの場合には、種や果肉の色にも注目し、美味しいかぼちゃを選んでほしい。

（参考文献）

※1．東京都福祉保健局「相談事例1 （かぼちゃに白い結晶状物質）」

※2．岡山県「激しい苦みのあるウリ科植物にご注意ください」

経歴：管理栄養士養成施設を卒業後、栄養士資格・管理栄養士資格・栄養教諭資格を取得。学校給食センターでの勤務時に小・中学生に食育を実施した経験を活かし、栄養分野の記事執筆・監修を中心に活動中。