ささみの部位と特徴！胸肉との違いと牛肉のフランクについても解説

1. ささみは鶏肉のどこの部位？

よく口にするささみだが、鶏のささみはどこの部位のことなのだろうか？詳しく見ていこう。

ささみは胸肉に隣接した部位で、胸骨に沿って左右1本ずつある小胸筋の肉を指す。深胸筋や第二胸筋とも呼ばれ、ほかの部位より少し白っぽい色をしている。牛肉でいう「ヒレ」にあたるといわれており、1羽から2本しか取れない希少な部位だ。そのため、鶏胸肉よりも少し高めの値段設定で販売されている。

ささみは、胸肉とともに脂肪分が少ない部位である。では、2つの部位にはどのような違いがあるのだろうか？ささみは胸肉に極めて近い部位だが、明確な違いが2つある。

1つ目は、肉の付いている場所だ。大胸筋と呼ばれる胸肉は、胸肉全体の外側を覆っている。その内側にある部位がささみで、胸骨の竜骨突起に張り付いているのだ。

2つ目の違いは、肉の大きさと重さである。通常の胸肉は1羽あたり250～300gほどだが、ささみは1羽に2本で100～110g程度しかない。

ささみという名称は、肉の形状が細長い笹の葉に似ていることから名付けられた。漢字では「笹身」と表記する。

ここでは、ささみの特徴について解説する。ささみの味や適した調理方法をしっかりと知っておくと、より美味しく食べられるので押さえておくといいだろう。

ささみは、鶏肉のなかでも最も脂肪が少ない部位。ダイエットをしている方やヘルシー志向の方に好まれる部位でもある。味は、淡泊であっさりとしているのが特徴だ。肉質が柔らかいため、小さい子どもや高齢者まで食べやすく好まれる。

ただ、ささみには白い筋があるので調理する際は注意が必要だ。白い筋が付いたまま調理すると、肉が縮んでしまう。ささみは事前に下処理して使うようにしよう。

ささみの下処理方法は、まず、筋の両側に5mm程度の切り込みを入れる。次に、ささみを裏返して筋の端を手で持ちながら、包丁を筋に垂直に当て、筋を引っ張りながら上下に動かす。途中で筋が切れてしまわないように、筋を水平に引っ張るようにするのがポイントだ。

実は、牛にもささみという部位がある。フランクとも呼ばれており、焼肉屋で見かけたことがある方もいるのではないだろうか。通販でも購入可能だが、牛の種類によって食感が異なる部位でもある。また、鶏のささみとも別物のため、特徴を押さえておこう。

フランクは、お腹周りのバラ肉のうち、外バラの一部を指す。牛1頭からほんのわずかしか取れないので、希少な部位なのだ。そのため、市販で出回ることが少ない。

笹の葉のようにサシが入っていることから、フランクは「ささみ」や「笹肉」「笹の葉」と呼ばれることもある。

フランクは、味のバランスがよいのが特徴だ。口に入れると、バラ肉特有の甘みとコクが広がるが、くどさのない味わいとなっている。濃厚でありながらあっさりとしており、しつこくない。脂っこいのが苦手な方も食べやすい部位となっている。

ほかのバラ肉と比較しあっさりしているものの、脂質は多めである。鶏のささみは低カロリー高たんぱくだが、牛のささみはカロリーが高めとなっている。名前は同じだが、鶏のささみとは別物だということをしっかり認識しておこう。

焼き鳥のような居酒屋料理から家庭料理まで、幅広く活躍する鶏のささみ。しかし、この記事を読むまで鶏ささみがどこの部位なのかを知らない方も多かったのではないだろうか。鶏胸肉や牛肉のフランクとの違いが分かることで、よりお肉を楽しく味わえるはずだ。ささみの部位の特徴を知って、より美味しく調理してほしい。

経歴：大学で栄養学を学び、大学院卒業後、医学関連出版社に就職。管理栄養士としての知識と医学雑誌の編集経験をもとに、オリひと食料理記事の監修に至る。