目次
- ※出典1:農林水産省「牛の部位図鑑」 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2009/pdf/aff2009_02_poster02.pdf
- ※出典2:農林水産省「豚の部位図鑑」 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2009/pdf/aff2009_02_poster04.pdf
1. もつの部位はどこ?ホルモンとの違いとは

もつとは、そもそもどの部位を指すのだろうか。結論を話すと、もつとは牛や豚、鶏の内臓全般を指す。たとえばハツやハチノス、小腸、レバー、コブクロ、センマイなど。
では、もつとホルモンの違いは何なのだろうか。ホルモンは内臓系のなかで牛や豚の腸に限定した呼び名だ。とくに決められた定義はなく、関東でもつ、関西でホルモンという呼び方が浸透している。また、肝臓や心臓を赤もつと呼び、胃や腸を白もつと呼ぶ地域もあり、場所や店舗によって呼称が異なるようだ。
2. 牛のもつの部位

牛の内臓は人間と同じで、さまざまな臓器から成り立っている。代表的な牛もつの名前と簡単な特徴を紹介しよう。
ハツ
ハツは心臓の部分でコリコリと歯切れがよく、ビタミンB1とB2が含まれている(※1)。
ミノ
ミノは第一の胃袋でコリコリと歯応えがあり、淡白な味わいでクセが少ない。
センマイ
センマイは第三の胃袋で脂肪が少なく、あっさりとした味わいが特徴だ。
3. 鶏のもつの部位

焼き鳥で食べる機会のある鶏肉だが、もつと呼ぶ部位はどこなのだろうか。
砂肝
砂肝は胃の一部だといわれており、弾力がありながらも、さっくりとした噛み応えが特徴だ。
ヤゲン
ヤゲンは胸骨の先端にある軟骨でコリコリとした食感が特徴だ。
ボンジリ
ボンジリは尾骨のまわりにある部分で噛むほど口内に旨みが広がるのが特徴だ。
4. 豚のもつの部位

代表的な豚もつの名前と簡単な特徴を紹介しよう。
レバー
レバーは肝臓の部分でビタミンAと鉄分が含まれており、高タンパクで低カロリーな食材だ(※2)。
ハツ
ハツは心臓の部分で脂肪が少なく、独特な歯応えと淡白な味わいが特徴だ(※2)。
コブクロ
コブクロは子宮の部分で脂肪が少なく、網焼きや和え物に向いている(※2)。
5. もつ鍋のもつの部位とは

鍋に下処理したもつとニラ、キャベツ、にんにくを入れ、スープを加えて作るもつ鍋だが、もつの部位は、どれがおすすめなのだろうか。飲食店で提供されているもつ鍋に使用されているのは、ほとんどが牛もつだ。具体的な部位は大腸のシマチョウや小腸、レバー、ハラミなど。それぞれの部位の特徴を解説する。
シマチョウ
シマチョウはホルモンを代表する存在でコシのある歯応えが特徴のひとつだ。
小腸
小腸は噛み応えのある筋肉とプルプルな脂身を同時に味わえるのが特徴で、別名をコプチャンやコテッチャンと呼ぶ。
レバー
レバーは肝臓の部分で火を通し過ぎるとパサパサになりやすい。
ハラミ
ハラミは横隔膜の一部でジューシーな肉質と濃厚なコクが特徴のひとつだ。
もつ鍋に使用するのは牛もつが多いが、豚もつを入れて作るのもありだ。また1種類のみで作る人もいれば、数種類のもつを合わせて調理することもある。
結論
もつと呼ぶ牛や豚、鶏の部位を紹介した。先述したようにもつの部位は牛や豚、鶏の内臓全般を指すのが一般的だ。これまで、もつという名前が部位だと思っていた人もいただろう。もつとはレバーやハツ、コブクロ、ミノのような内臓全般を指すと覚えておいてもらいたい。
(参考文献)
監修管理栄養士:渡邉里英
経歴:大学で栄養学を学び、大学院卒業後、医学関連出版社に就職。管理栄養士としての知識と医学雑誌の編集経験をもとに、オリひと食料理記事の監修に至る。