目次
- ※1医療法人 恵泉会 堺平成病院
- 5大栄養素とは?【栄養サポートチーム】 | 医療法人 恵泉会 堺平成病院
- ※2独立行政法人 農畜産業振興機構
- ※3厚生労働省
- 野菜、食べていますか? | e-ヘルスネット(厚生労働省) https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-015.html
- ※4立行政法人 農畜産業振興機構
- ※5文部科学省
- 野菜類/(もやし類)/りょくとうもやし/生 - 01.一般成分表-無機質-ビタミン類 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06291_7
- ※6文部科学省
- 野菜類/(レタス類)/レタス/土耕栽培/結球葉/生 - 01.一般成分表-無機質-ビタミン類 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06312_7
- ※7国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
1. 栄養が少ない野菜とは

野菜といえばどのような種類も栄養豊富に感じるが、なかには栄養が少ない野菜もあるようだ。では、栄養が少ないとされている野菜は、どのような基準でそのように決められているのだろうか。
5大栄養素
栄養が少ないとされている野菜は「5大栄養素」の含まれ方によって判断されている。5大栄養素とは、炭水化物・脂質・たんぱく質・ミネラル・ビタミンのことだ。
炭水化物や脂質は身体のエネルギー源となる栄養素で、たんぱく質は身体を構成する主成分となる。ビタミンは身体の機能を維持し調節する役割を担い、ミネラルは身体の調子を整えるために働くのだ。(※1)
これらの栄養素はそれぞれ重要な役割を担っており、相互に関連しあいながら私たちの体内で働き健康を維持してくれている。
このように、5大栄養素は私たちの健康を維持するために必要不可欠であるが、すべての野菜に5大栄養素が完璧に含まれているわけではない。そのため、5大栄養素が十分に含まれていない野菜を「栄養が少ない野菜」とみなす場合もある。しかし、栄養が少ない野菜だからといって価値がないわけではなく、どんな野菜もビタミン・ミネラル・食物繊維の供給源として重要視されているのだ。平成14年度の国民栄養調査によると「ビタミンAとKの1日における摂取量の半分以上」「ビタミンCと葉酸の1日における摂取量の1/3」を野菜から摂取している。(※2)
2. 栄養が少ない野菜も大切な理由

前述したように、栄養が少ない野菜だからといって食べる必要がないわけではない。以下では、野菜を食べるメリットを紹介していこう。
野菜のメリット
野菜にはビタミンやミネラルが豊富に含まれている。ビタミンのなかには、炭水化物がエネルギーに変換されるのを助けるものもあり、これらは摂取した栄養素が体内で使われるために必要だ。ミネラルは身体機能の維持や調節になくてはならない栄養素である。
さらに野菜は低カロリー・低脂質である場合が多く、積極的に摂取することで高カロリー・高脂質の食品の摂取を抑えられる。多くの生活習慣病が高カロリー・高脂質の食品を摂取することによって引き起こされるため、野菜の摂取がいかに重要であるかがわかるだろう。(※2)
このように野菜には、身体の調子を整えたり病気を予防したりすることができるというメリットがあるのだ。(※3)
3. 栄養が少ない野菜

では、栄養が少ない野菜とは具体的にどのような野菜なのだろうか。以下で栄養の特徴を解説しながら紹介していこう。
きゅうり
きゅうりは水分を多く含んでいるため、栄養が少ない野菜として判断されることが多い。しかし、カリウムやビタミンAを豊富に含み、ビタミンCとK・亜鉛・マグネシウムなどを少量ながらもバランスよく含んでいるのだ。(※4)
もやし
きゅうり同様もやしも多くの水分を含んでいるため、栄養が少ない野菜とされることがよくある。(※5)しかし、食物繊維やビタミンC・B1・B2などを豊富に含み、これらの栄養素からは便秘の改善や疲労回復などさまざまなうれしい効果が得られるのだ。
レタス
きゅうり・もやしに引き続き、レタスもその水分量の多さから栄養が少ない野菜と誤解している方も多いだろう。(※6)しかし、カリウムやカルシウム、ビタミンEやCといった栄養素を適度に含んでいる。
4. 栄養が少ない野菜と効果的な食べ方

では、栄養が少ない野菜をどうしたら効率的に食べられるのだろうか。以下では、栄養が少ないきゅうり・もやし・レタスに含まれているビタミンを例に挙げて、おすすめの調理法と食べ方を見ていこう。
調理法と食べ方
たとえば茹でる調理をした場合、ビタミンのなかでも水に溶ける性質のビタミンB1・B2・B6とナイアシンは、20~30%ほど減ってしまう。さらに加熱調理をするとビタミンCは50%ほど減少するともされているのだ。そのため、煮るなどの調理をする場合は煮汁も一緒にいただいたり、加熱調理をする場合は蒸し調理や電子レンジ加熱をしたりすると、栄養素の流出を最小限に抑えられるだろう。(※7)
また、旬の時期の野菜を食べることもおすすめだ。旬の時期の野菜は、それ以外の時期よりも栄養素を豊富に含んでいることがある。そのため、1年中出回っている野菜でも旬を考えて食べたり調理したりしよう。
結論
野菜のなかには栄養が少ないものもあるが、含まれている栄養素は私たちの身体にとって重要な場合が多い。栄養が少ない野菜をいただく際は、その栄養素が流れ出ないように、調理法や食べ方などを工夫するのがおすすめだ。また、できるだけ旬の野菜を選んで食べることで、多くの栄養素を摂取できる。この記事を参考にして、栄養が少ないとされている野菜でも積極的に食べてほしい。
(参考文献)
監修管理栄養士:渡邉里英
経歴:大学で栄養学を学び、大学院卒業後、医学関連出版社に就職。管理栄養士としての知識と医学雑誌の編集経験をもとに、オリひと食料理記事の監修に至る。