目次
1. トンカツは和食と洋食どっちなのか

ここでは、トンカツの歴史からルーツを紐解きながらトンカツが和食と洋食どちらなのか解説していこう。
トンカツの歴史
明治以降近代的な発展をした日本には、さまざまな国の食文化が伝わった。その中の一つにフランスから伝わったコートレットという料理があり、現在のトンカツのもとになっている。コートレットはパン粉をまぶしてバターで焼き上げるのだが、日本人の口に合わなかった。1895年洋食店の「煉瓦亭」が日本人好みに改良をし、当時安価で手に入る豚肉を使用して1899年にポークカツレツが商品化されたのだ。その後、1929年に上野の「ポンチ軒」が、厚い豚肉を揚げたとんかつを販売したとされている。なお、トンカツの語源は、豚肉=トン、コートレット(cutlet)がなまってトンカツになったといわれている。西洋料理を日本風にアレンジしたものを洋食と呼ぶため、トンカツは和食か洋食かといわれれば洋食である。
2. トンカツは和製洋食

トンカツの歴史について分かったところで、今度はトンカツがどのように日本人の口に合うように改良されてきたのか見ていこう。
日本人好みにアレンジ
トンカツのもとになっているコートレットはパン粉をまぶして油で焼くのだが、脂っこく日本人の口に合わなかったため、銀座にある洋食店「煉瓦亭」が天ぷらの技法を真似してサッパリと仕上げたのが現在のトンカツの始まりとなっている。衣にはドライパン粉を使用していたが、生のパン粉に変えたらとても美味しかったそうだ。その後も改良が加えられ、付け合わせもポテトやにんじんから千切りキャベツに変えたり、ソースをサッパリしたものに変えたりして日本人にマッチするトンカツができあがったのだ。
3. トンカツの進化

日本人の口に合うように改良されてきたトンカツだが、応用した料理も多く誕生した。ここでは、トンカツから派生した料理を紹介していこう。
改良と派生
トンカツを応用した料理は、サンドイッチの具材にトンカツを挟んだカツサンドやカレーにカツを乗せたカツカレーがある。また、トンカツを玉ねぎなどの具材と一緒に甘めの汁で煮て卵で閉じてご飯の上にのせる「カツ丼」など、さまざまな料理に派生しているのである。
また、ロースの脂身を少し落としヘルシーにするなど、時代のニーズに合わせてトンカツは少しずつ改良が加えられている。さまざまな料理へ応用したり時代のニーズに合わせて改良したりと、試行錯誤を重ね今も進化しているからこそ、100年たった今もトンカツは変わらず日本人に愛されているのだ。
結論
トンカツは明治時代にフランスから伝わった、コートレットという料理がもとになっている。コートレットは脂っこく日本人の好みに合うように改良されてきた。西洋料理を日本風にアレンジした料理を洋食と呼ぶため、トンカツは和食か洋食かといわれれば洋食である。また、カツサンドやカツカレーなどトンカツを応用した料理もさまざま誕生しており、トンカツは現在も広く国民に愛されているのだ。