目次
1. サイダーとラムネの違い

ラムネといえば夏祭りの屋台で販売されており、なんとなく夏に飲むドリンクというイメージを持っている人もいるようだ。ラムネに対してサイダーは1年を通して手軽に購入できる飲み物という印象を持っている人もいるだろう。では、サイダーとラムネの違いとは?
栓をするものの違い
サイダーとラムネの違いは、「何で栓をしているか?」にある。ビー玉で栓をしており、瓶に入っているのがラムネだ。どちらも炭酸飲料という共通点があるが、ビー玉の栓が付いた容器に入っていないものがサイダーだ。サイダーは王冠やスクリューキャップを使った容器に入っているが、ラムネと中味が違うわけではない。
2. サイダーとラムネの語源の違い

続いて、サイダーとラムネの語源の違いを解説する。
シードルとレモネード
サイダーの語源
サイダーはリンゴ酒であるCidre(シードル)が語源と考えられており、明治時代はリンゴ風味の飲料で、容器は王冠栓の瓶であった。シードルは古いフランス語で、英語ではCider(サイダー)という。シードルはりんごを発酵させた微発泡のアルコールで、たとえるならシャンパンのりんご版のようなものだ。とくにヨーロッパでは、ワインと同じように飲まれている。
ラムネの語源
ラムネの語源はLemonade(レモネード)のなまりで、味はレモン風味だ。容器はビー玉栓のガラス瓶だった。年月の経過とともにサイダーとラムネの境目があいまいになったという。現在は先述したように容器により区別されている。
ちなみにレモネードは国や地域で、いろいろな種類がある。たとえば炭酸入りをはじめ、砂糖なしの酸っぱいタイプや、着色料やベリーで色付けしたピンクレモネードなど。日本では1980年代から、はちみつレモンのような名前で販売されているものが、知られている。また、レモン入りでなくても、炭酸飲料であればレモネードと呼ぶ国もあるそうだ。
3. サイダーとラムネの歴史

最後にサイダーとラムネの歴史の違いを紹介しよう。
サイダーの歴史
国内初のサイダーは1868年にイギリス人のノースレーが、横浜の外国人居留地で作ったシャンペンサイダーである。シャンペンといってもお酒ではなく、炭酸水にりんごやパイナップルの複合香料で香りを付けたものをさす。もともとはシードルやシャンパンの代替品だったが、当時は高嶺の花というくらい高額だった。おもに居留地で販売され、日本人はほんの一部の人しか飲めなかったという。
ラムネの歴史
日本に初めて炭酸飲料が伝わったのは、1853年にアメリカからマシュー・ペリー提督が浦賀に来航したときだといわれている。飲料水の一部として黒船に炭酸レモネードが積まれており、幕府の役人に飲ませたのが、炭酸飲料1号だ。当時はコルクで栓がされたキュウリ瓶に入っていて、栓をあけたときにポンと大きな音がしてシューと泡が出た。役人は驚いて新式銃か?ととっさに腰の刀に手をかけたという。そのせいか当時はポン水や鉄砲水と呼ばれていた。
結論
サイダーとラムネの違いを紹介した。先述した通り、ビー玉で栓をした瓶の形をしているのがラムネで、ビー玉栓のない容器に入っているものがサイダーだ。サイダーは王冠やスクリューキャップを使った容器に入っており、ラムネと同じ炭酸飲料で中味の違いはない。
監修管理栄養士:渡邉里英
経歴:大学で栄養学を学び、大学院卒業後、医学関連出版社に就職。管理栄養士としての知識と医学雑誌の編集経験をもとに、オリひと食料理記事の監修に至る。