目次
1. しいたけの虫をとるためには塩水を使う

しいたけを調理するときの下処理は、基本的には洗わないで湿らせたキッチンペーパーなどで汚れをふきとればOKだ。しいたけを水洗いすると、本来の旨みや風味、栄養分までもが流れ出てしまう。しいたけの茎や裏側のヒダをチェックして、虫がついていなければ洗わないようにしよう。
しかし、原木栽培や栽培キットで育てたしいたけには虫がつきやすい。しいたけにつく虫のほとんどは口に入れても問題ないが、やはり抵抗がある人が多いだろう。その場合は塩水で処理すると簡単だ。
塩水に浸ける
しいたけについた虫を処理する定番の方法では塩水を使う。簡単なだけでなく、一緒にヒダについているごみも落とせるので、ぜひ実践してほしい。
まずはボウルに水を用意する。そして水1Lに対して大さじ1~2杯の塩を入れよう。しいたけから虫が出やすいよう、ヒダが上になるように塩水に入れ、10~15分程度待つ。すると自然にしいたけから虫が這い出てくるので、塩水ごと捨てればOKだ。虫を完全に死滅させるために、しいたけ全体をしっかり水に浸けるようにしよう。
ただし、この方法ではしいたけが傷みやすくなるため、塩水から出したあとは早めに調理することが大事だ。
2. しいたけの虫をとる塩水以外の方法

しいたけについた虫をとり除くには、塩水を使う以外にも方法がある。
冷凍保存
しいたけを冷凍保存することで、虫を凍死させることができる。まずは保存袋にしいたけを入れ、冷凍庫に入れよう。このとき完全に凍らせてもいいが、虫が張りついてしまいとりにくくなることがあるため、半冷凍の状態でもOKだ。冷凍庫からとり出して虫が動いていなければ、ピンセットなどでとり除こう。
密封する
しいたけを密閉袋に入れて置いておくことで、虫を窒息死させることもできる。しいたけを密閉袋に入れたらしっかりと空気を抜いて封をしよう。そして1日程度待ってから、虫をとり除く。この方法は簡単だが時間がかかるため、すぐに使いたいときには向いていない。
3. しいたけにつく虫

しいたけの栽培方法は、大きく分けて菌床栽培と原木栽培の2種類がある。菌床栽培は主に屋内で人の手によって育てられているので、比較的虫がついていないことが多い。しかし、原木栽培の場合は自然の中で育てられるので、虫がつきやすくなってしまう。
主な害虫
しいたけにつく主な害虫をいくつか紹介していく。
まずはトビムシだ。トビムシはかなり小さく、細長くて黒い。ヒダの隙間にびっしりいることもあるため、調理の際は裏側をしっかり確認しよう。
ショウジョウバエは、幼虫は白く、ウジ虫と間違えることもある害虫である。
キノコバエは茎の養分を吸いとる害虫で、見た目は白や半透明だ。
これらの虫は湿気があり日陰の場所を好むため、しいたけの裏側やヒダは住みやすい条件がそろっている。先述の通り、もしこれらの虫を食べてしまっても基本的には問題ない。ただし、ナメクジに限っては別だ。ナメクジは寄生虫と共存している場合があり、口にすると髄膜脳炎などを起こすリスクもある。ナメクジが直接ついていなくても、這った跡がある場合は食べないようにしよう。
結論
菌床栽培よりも原木栽培のしいたけのほうが虫はつきやすいとお伝えしたが、原木栽培のしいたけは風味がよく、調理したときの香りもたまらない。しいたけについた虫は塩水などを使えば簡単に処理できるので、しいたけの旬である春や秋には、原木栽培のしいたけもぜひ味わっていただきたい。
監修管理栄養士:児玉智絢
経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士免許を取得。食品メーカーの商品開発などを経験後、フリーランスとして栄養・健康分野の記事監修を中心に活動中。