目次
1. さわらの基本情報

まずは、さわらの見た目や味の特徴について解説しよう。
見た目と特徴
さわらは体長が1mを超える場合もある、サバ科の大きな魚だ。大きさの割にヒレは小さく、細長い形をしている。光の当たり方で色が変わって見えるが、青に近い灰色や、黒っぽく見えることもあるという。また、身体には丸い斑点が並んでおり、腹側は銀白色である。
そして、さわらの最大の特徴ともいえるのが、鋭い歯だ。仔魚時代からあるその鋭い歯で、仔魚は同じくらいの体格の魚をも食べてしまうという。
もし、まるごと1匹さわらが手に入った場合、大きいのでどのように捌けばいいのか迷ってしまうかもしれない。さわらの捌き方は通常の3枚おろしと同じなので、ほかの魚を捌けるのであれば問題ないだろう。
名前の特徴
さわらの漁獲量は春に多くなることから、その名前がついたといわれる。春を告げる魚で「鰆」だ。よって、俳句の世界でも季語として登場している。
この呼び名は、さわらという名前がつけられていなかった江戸時代に由来があるという。当時は「馬鮫魚」という中国語を借りて、サワラと読んでいた。また、お腹が狭いため、「狭腹」と書いてサハラと呼ばれるようになり、そこから少しずつ現代の名前に近づいたとされている。
味の特徴
淡白で甘みのあるさわらはクセがなく、どのような料理にも向いている。そのため、さわらレシピは数多く存在する。
2. さわらの旬は2回

春が旬だと語るような名前のさわら。しかし、旬は春だけではないのだ。
春と冬
さわらは回遊魚で、日本では幅広い地域で漁獲できるが、地域によって時期が大きく異なる。そのため、春と冬の2回、さわらの旬があるのだ。
関西では春が旬とされている。5~6月頃に産卵のため瀬戸内海に集まってくるからだ。また、関西では身だけでなく、白子や卵も一緒に食べる文化がある。一方、関東は12~2月が旬になっていて、産卵期前で脂がのっているのが特徴だ。
3. さわら料理

どのような料理とも相性がいいさわら。鮮度がいい場合は刺身としていただける。塩焼きや西京焼きも美味しい。そこで、おすすめのさわら料理を紹介しよう。
代表的な料理
さわら料理の代表に「さわらの西京焼き」がある。塩分が控えめな西京味噌は、さわらの本来の味や色味を損なわず、美味しく味付けできる。ほかの味噌にはない、西京味噌の甘みがさわらの淡白な味を引き立ててくれるのだ。
「さわらの塩焼き」はシンプルな味付けで、さわらのよさが際立つ。また、新鮮なさわらが手に入ったときには、「さわらの刺身」をぜひ楽しんでほしい。さわらの刺身は「刺身の王様」という別名をもつほど美味だといわれているからだ。
ほかにも「さわらの照り焼き」「さわらの煮つけ」なども美味しくいただけるので、試してみてもいいだろう。
白子や卵も美味
関西地方では、さわらの白子や卵も一緒に食べるそうだ。関西の旬の時期はさわらが産卵するタイミングであるため、卵巣の味がよくなっているという。
新鮮なさわらの白子を入手した場合は、シンプルにポン酢をかけて食べよう。血管などを取り除いてキレイにして、茹でた後に水で締めておく。その口当たりはクリーミーで後味がよい。
白子も卵も手に入る機会は多くないかもしれないが、もし手に入ったのならば、食べてみる価値はあるだろう。
結論
さわらはどのような料理にも変身できる、美味しい魚だ。地域によって旬に差はあるが、回遊魚であるため1年を通して日本の広い地域で漁獲されている。さわらは、いつ食べても美味しいこと間違いなしだ。今日の晩ごはんは、美味しいさわら料理にしてみてはいかがだろうか。
監修管理栄養士:児玉智絢
経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士免許を取得。食品メーカーの商品開発などを経験後、フリーランスとして栄養・健康分野の記事監修を中心に活動中。