目次
1. つくねとつみれの特徴

鍋や汁物の具材として登場することが多いつくねとつみれ。その言葉の由来は、作り方に起源があるとされている。つくねとつみれの特徴を詳しく見てみよう。
つくねとは
つくねは肉を使うことが多いが、実際には魚肉を使うものもある。すり身にした魚肉や肉に片栗粉や卵を加え、丸めて調理する。煮物、揚げ物、焼き物など、調理法は多い。魚肉を使う場合には臭み対策としてショウガのみじん切りを加えることが多い。にんじんやゴボウ、しいたけなどを細かく切って具材にするつくねも美味しい。形状は団子の形だけではなく、棒や平たい丸にすることもある。
つみれとは
つみれは魚肉をすり身にして団子状にし、煮物や椀ダネにする料理である。アジやイワシ、サバ、タイ、エビなどの身を使い、つなぎには片栗粉や卵を使用する。つみれには魚肉を使用することが多いが、鶏肉を使ったものや、郷土料理では小麦粉や米を原料にするものもある。魚を使う場合には、骨や皮などは取り除き、身の部分を包丁でよく叩いた後にすり鉢でするのが特徴である。
2. つくねとつみれの違い

つくねとつみれの特徴を見ると、非常によく似た料理であることがわかる。それでは、つくねとつみれの違いはどこにあるのだろうか。
まず、その違いは調理法にある。つくねは「つくねる」という言葉から派生していることからも明確なように、手でこねて団子状に成形する料理である。いっぽうつみれは、「つみ入れる」という言葉から生まれている。百科事典においてもつみれは「つみ入れ」と記載されていることもある。つみれは、叩いたりすりつぶしたりしたタネを摘むようにして熱湯や汁に入れ料理するものである。つまり、材料は似ていても、調理の工程を異にしているのである。つくねもつみれも、江戸時代から日本人に愛されてきた料理であることは共通している。
3. つくねとつみれのおすすめ料理

つくねもつみれも、作れば家族が喜ぶ美味しい料理である。食べやすい食感を持つつくねとつみれ、それぞれの代表的な料理を紹介する。
つくね料理
つくねは、焼き鳥のひとつとして甘辛いタレをかけたものやシンプルに塩味で楽しむものもある。串には刺さず、甘辛く煮たり照り焼きにしたりしても美味しい。つくねは揚げることも多く、一般的につくね揚げとして知られている。煮物にしたものはつくね煮である。煮ても焼いても揚げても美味しいのがつくねなのである。
つみれ料理
つみれは椀物のタネや鍋の具にすることが多い。つみれ鍋やつみれ汁と呼ばれ、寒さが厳しい地域では冬の料理として愛されている。島根県にはつみれ煮という郷土料理があり、地域で獲れる魚を使って1年中食べる習慣があるという。成形する際に出汁で硬さを調整することが多いつみれは、和の味わいとよく合うといえるだろう。
結論
つくねとつみれは似て非なる料理である。材料は似通っているが、調理法が異なることは名の由来を知れば明確である。いずれも日本では古くから愛されてきた食材であり、郷土料理として登場することもある。肉や魚、野菜を使って作るつくねやつみれは、料理法も多岐にわたる。つくねとつみれを上手に使い分けて、さまざまなレシピで美味しく食べてほしい。
監修管理栄養士:児玉智絢
経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士免許を取得。食品メーカーの商品開発などを経験後、フリーランスとして栄養・健康分野の記事監修を中心に活動中。