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和食とサラリーマン

ごちそうさまの由来!感謝の気持ちを表す日本独自の文化

投稿者:ライター 井澤佐知子(いざわさちこ)

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2023年5月11日

意外なことだが、食前と食後の挨拶をする文化は世界でも珍しいとされている。食後の「ごちそうさま」は親が子どもに与えるしつけのひとつとなっているが、いったいどのような経緯でこの挨拶は生まれたのだろうか。本記事は食後の挨拶であるごちそうさまについて、語源や由来とともに詳しく解説する。

  

1. ごちそうさまの語源

賑やかな食卓の手元イメージ
まずはごちそうさまの語源について見ていこう。「ごちそう」という言葉から意味は察することができるが、ここではさらにその語源から解説していく。

御馳走の語源

ごちそうさまは「御馳走様」と書く。「馳走」とは本来、馬を駆って走り回ったり、あちこち奔走することを指すのである。つまり、客に美味しい食事をふるまうことを目的に、食材を走り回って探すという意味になる。その言葉がやがて豪華な食事を指す「御馳走」へと転じたといわれている。

2. ごちそうさまの由来

トーストとジャムの朝食 食べ終わり
それでは、現在の我々が日常的に使うごちそうさまは、いつ頃に定着したのだろうか。ごちそうさまという挨拶の由来を見てみよう。

食後の挨拶

日本独自の食前食後の挨拶の由来は、実は諸説あってはっきりしていないという。地域や年代によって、ごちそうさまという言葉や手を合わせるスタイルも定着した時期が異なるという説もある。ごちそうさまという言葉は、「いただきました」という挨拶に代わって登場した地域もあるようである。広辞苑にごちそうさまという言葉が登場したのは1955年のことで、長い日本の歴史の中では比較的新しい言葉とされている。別の説では、すでに江戸時代にはごちそうさまという言葉があり、1日3食が定着した時代と重なるともいわれているのだ。ごちそうさまという言葉の由来には定説はないものの、食事を提供するために食材を集め料理してくれた人々への感謝の言葉であることでは共通しているのである。

3. ごちそうさまは日本独自の文化

日本の朝食
日本の食文化が世界に誇ることができるものであることは、和食がユネスコの世界遺産になったことからも明白である。いただきますやごちそうさまといった日本独自の挨拶も、日本の道徳性の高さを示しているといえるだろう。世界では食前食後にどんな言葉を交わしているのか、いくつかの例を紹介する。

世界の挨拶

結論からいえば、海外にはごちそうさまに該当する言葉を持つ国はほぼない。いただきますに関しては、フランスやイタリアで「美味しく召し上がれ」という意味の挨拶が存在するが、これはどちらかというと食卓に同席する他者への挨拶であり、日本のように感謝の意は込められていない。ごちそうさまとなると該当する言葉はなく、たいていは「お腹いっぱいになりました」「美味しかったです」「作ってくれてありがとう」などのフレーズを使用することが多い。つまり日本のように定型の挨拶があることは非常に珍しいといえるだろう。食材を生み出した大地への感謝、作ってくれた人への謝意を伝えることができるにとどまらず、ここで食事は終わりというけじめのためにも、ごちそうさまという言葉はとても有用であるといえるかもしれない。

結論

日本人であればごく普通に口にするごちそうさまは、実はその由来がわかっていない。食事をふるまうために奔走するという意味の馳走が語源となっているこの言葉は、江戸時代から存在したという説もあるものの、近代になって定着した習慣とする説が有力である。食事を作ってくれた人の労力を尊重するこの美しい習慣は、日本人として今後もぜひ守っていきたいものである。

監修管理栄養士:児玉智絢

経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士免許を取得。食品メーカーの商品開発などを経験後、フリーランスとして栄養・健康分野の記事監修を中心に活動中。
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  • 更新日:

    2023年5月11日

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