目次
- 大きめのボウルを用意し、乾燥ひじき10gに対して1Lの常温の水、またはぬるま湯を注ぐ
- ひじきの種類に合わせて一定時間放置する
- 砂やゴミを落とすため、ザルとボウルを使い、水を入れ替えながら2~3回洗う
- しっかり水気を切る
- 大きめの鍋を用意し、常温の水に乾燥ひじきを入れる
- 強火で沸騰させる
- ザルとボウルを使って水洗いする
- しっかり水気を切る
- 基本の方法で乾燥ひじきを戻す
- 戻した水を流し、ひじきをお湯に入れて沸騰させる
- 沸騰後5分間茹でる
- ザルとボウルを使って水洗いする
- しっかり水気を切る
1. 乾燥ひじきの正しい戻し方:基本の方法

日本の食卓に上る乾燥ひじきは、「芽ひじき」と「長ひじき」の2種類だ。やわらかく味がしみ込みやすい芽ひじき(葉)は煮物や炊き込みごはんに、歯ごたえのある長ひじき(茎)は炒め物やサラダなどの料理に適している。カルシウムが多いことでも知られる食材であるため、普段の食事にぜひ取り入れてほしい。乾燥ひじきの戻し方は難しいイメージもあるが、基本の方法を知れば、意外と簡単なことに気づくだろう。まずは、乾燥ひじきの正しい戻し方「基本編」から紹介する。
ポイント1:たっぷりの水と大きなボウルで戻す
乾燥ひじきは、水で戻すと約10倍に増量する。単純計算すると、10gの乾燥ひじきは100gに戻るということだ。そのため、乾燥ひじきを戻す際は大きめのボウルとたっぷりの水を用意しよう。水の量は、乾燥ひじき10gに対して1Lが目安である。
ポイント2:常温の水かぬるま湯で戻す
乾燥ひじきは、常温の水かぬるま湯で戻すのが基本だ。水の温度が低すぎると戻りにくい性質があるため、20℃前後の常温の水、または35℃前後のぬるま湯で戻そう。茹でて戻す方法もあるが、戻り具合を見極めるのが難しく、加熱しすぎると食感が悪くなる。まずは正しい水での戻し方を覚えておこう。
乾燥ひじきの戻し方の手順
乾燥ひじきの戻し時間の目安は?
乾燥ひじきの戻し時間は、ひじきの種類によって異なる。ひじきの葉の部分である芽ひじきなら10分ほど、茎の部分である長ひじきなら20~30分放置するのが目安だ。ただし、ひじきの産地・種類によってはこのとおりではない。パッケージに記載された戻し時間を参考にし、とくに表記がない場合は上記の目安時間で戻してみよう。
2. 乾燥ひじきの正しい戻し方:早く戻す方法

次に紹介するのは、乾燥ひじきの正しい戻し方「時短編」だ。ここで、乾燥ひじきを早く戻す方法をお伝えする前に、早く戻るひじきを考えてみよう。ひじきの葉である芽ひじきなら、茎である長ひじきの半分の時間で戻る。ただ、食感が異なるため、調理法に合わせて2種類を使い分けたい方もいるだろう。
いまから紹介する早く戻す方法に必要なものは、「お湯と砂糖」である。これがあれば、芽ひじきも長ひじきも戻し時間を短縮することが可能だ。手順は、基本の戻し方とさほど変わらない。常温の水またはぬるま湯を40~90℃のお湯に変更し、砂糖を少量(小さじ1/2ほど)加える。砂糖を加えることで浸透圧が上がり、水だけで戻すより水分を含みやすくなるのだ。そのため、時短が叶うだけでなく、太く・やわらかく戻るというメリットもある。基本の戻し時間の半分を目安にひじきの状態を確認し、戻っていたらザルに上げて洗い、しっかり水気を切っておこう。急ぎの場合におすすめの方法だ。
3. 乾燥ひじきの正しい戻し方:ヒ素を低減する方法

ひじきには「無機ヒ素」が含まれており、短期間に大量に摂取すると発熱・下痢・嘔吐などが発現するとされている。日本では水や食品に微量のヒ素が含まれているため、食事を通じてヒ素を摂取しているが、その量はごくわずかであり、人体に悪影響を及ぼすほどのものではない。また、無機ヒ素は水溶性であるため、「茹で戻し」「茹でこぼし」といった下処理でその含有量を低減させることができる。乾燥ひじきを茹で戻しや茹でこぼししすると、無機ヒ素は80%ほど低減し、茹でこぼしした場合は90%ほど低減する(※1)というデータもあるため、ヒ素の摂取が心配な方には有効な方法として紹介したい。
茹で戻しする方法
茹で戻しでは、乾燥ひじきを戻す必要はない。乾燥したまま強火で茹でる方法だ。以下で手順を確認しよう。
茹でこぼしする方法
茹でこぼしの場合、乾燥ひじきを戻してからお湯で茹でていく。こちらの手順も確認しておこう。
茹で戻しや茹でこぼしでは、人体に有害とされる無機ヒ素の含有量を80~90%低減できる(※1)。一方、乾燥ひじきに含まれるカルシウム・食物繊維・鉄分といった栄養素は70%以上も残るのだ(※1)。日本では、水や食品を通じて摂取したヒ素による健康被害は認められていないため、安心してバランスのよい食生活を心がけてほしい。
結論
乾燥ひじきの正しい戻し方を紹介した。基本の戻し方がわかれば、早く戻す方法も難しく感じることはないだろう。戻し方をマスターすれば、あとはさまざまなレシピを検索するのも楽しいかもしれない。今夜は乾燥ひじきで一品プラスしてみてはいかがだろうか?
(参考文献)
※1
運営元:農林水産省
該当ページ名:ヒジキに含まれるヒ素の低減に向けた取組:農林水産省
監修管理栄養士:児玉智絢
経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士免許を取得。食品メーカーの商品開発などを経験後、フリーランスとして栄養・健康分野の記事監修を中心に活動中。