目次
1. 腐ったヨーグルトの見分け方

ヨーグルトが腐っているかどうかの基準として、賞味期限切れが挙げられる。賞味期限は安全性ではなく「食品を美味しく食べられる期限」を示したもののため、期限が切れたからといってすぐに腐るわけではない。
ただし、賞味期限が切れてからかなり時間が経っている場合は、腐っている可能性が高いため注意が必要だ。また、開封すると賞味期限は無効となるため、速やかに食べきる必要がある。では、腐ったヨーグルトにはどのような異変が見られるのだろうか。
カビが生える
腐ったヨーグルトにはカビが生えていることが多い。見た目では白や黒の粒々が出ている場合や、繁殖が進み茶色やピンク色に変色している場合がある。ヨーグルトは元々白っぽい色のため、白カビは見分けにくい。臭いのようにほかの異変も併せてチェックしよう。
カビは見てわかる範囲だけでなく、見えない部分にまで繁殖していることが多い。カビが少しでも見られるヨーグルトは、食べずに処分しよう。
味や臭いの変化
発酵食品であるヨーグルトには、元々酸味がある。しかし、腐ったヨーグルトからは鼻をつくような強い発酵臭やチーズのような臭い、強い酸味が感じられる。口にする前に異変を見分けられるよう、まずは臭いをチェックしよう。
水分量が増える
ヨーグルトを保存していると、ホエー(乳清)と呼ばれる上澄み液が浮かび上がってくる。ホエーは通常のヨーグルトにも見られるが、保存期間が長引くと蓄積され、ヨーグルト全体の水分量が増していく。明らかに水分量が多すぎる場合は、ヨーグルトが古くなり腐り始めている可能性もあるため、注意が必要だ。
2. 腐ったヨーグルトにしないために

ヨーグルトを腐らせないためには、どのようなことに気をつければよいのだろうか。最後まで美味しく安全に食べきるために、正しい扱い方をおさえておこう。
常温で放置しない
ヨーグルトは、冷蔵庫で保管するのが基本である。常温で放置すると、カビや雑菌が繁殖しやすくなり、腐るリスクを高めてしまう。購入後は速やかに冷蔵保存しよう。夏場は持ち帰りに保冷バッグを活用するのもおすすめだ。
綺麗なスプーンを使う
開封したヨーグルトをその場で食べきるなら問題ないが、大容量パックから取り出して残りを保存する場合は注意が必要だ。必ず清潔なスプーンを使うことはもちろん、直接容器からスプーンですくいながら食べるのもNGだ。口のなかの菌がヨーグルトに混入してしまい、腐る原因となる。
別皿に食べる量だけ取り分けて、残りのヨーグルトは速やかに冷蔵保存しできるだけ早めに食べきろう。一人分の少量パックのヨーグルトも、食べきれない場合はあらかじめ取り分けておくとよい。
3. ヨーグルトの上手な保存方法

ヨーグルトは常温保存NGの食品のため必ず冷蔵保存し、できるだけ賞味期限内に食べきろう。また、長期保存したい場合は冷凍することもできる。適切な冷蔵保存と冷凍保存の方法を紹介する。
冷蔵と冷凍
どちらの方法でも、腐りにくくするには保存の仕方にコツがいる。いずれも、空気に触れると傷みやすいため、密閉した状態で保存することが大切だ。それぞれのポイントを見ていこう。
冷蔵保存のポイント
ヨーグルトは振動により分離しやすくなるため、あまり動かすことのない場所に入れるとよい。開閉により振動が加わるドアポケットは、温度も高くなりやすく不向きなため避けよう。また、市販品のパッケージのままで保存する場合もふたは必ず密閉しよう。
冷凍保存のポイント
適切な方法で冷凍すれば、3~4週間程度保存できる。冷蔵保存とは異なり、市販品のパッケージから出して、冷凍用保存容器や保存袋に移す必要がある。また、一度解凍すると再冷凍はできないため、一食ずつ小分けにして冷凍しよう。
無糖のヨーグルトは、冷凍すると水分が分離しやすい。砂糖やはちみつなどを加えて混ぜ合わせてから冷凍すれば、分離を防ぐことができる。
結論
腐ったヨーグルトの見分け方は、カビや変色など見た目のチェック、強すぎる酸味や異臭のチェック、多すぎる水分量のチェックが基本だ。適切な方法で冷蔵保存していれば賞味期限が切れてもすぐに腐ることは少ないが、腐っている可能性も踏まえて確認してから食べよう。賞味期限内に食べきれない場合は、小分けにして冷凍保存するのもおすすめだ。
監修管理栄養士:小林里穂
経歴:管理栄養士養成施設を卒業後、栄養士資格・管理栄養士資格・栄養教諭資格を取得。学校給食センターでの勤務時に小・中学生に食育を実施した経験を活かし、栄養分野の記事執筆・監修を中心に活動中。