目次
1. ピーナッツバターからダイヤモンドが作れる噂

まずは「ピーナッツバターからダイヤモンドを作れる」そんな噂が巷に流れることになった経緯についてリサーチしていこう。
偶然見つけた?生成方法
ピーナッツバターからダイヤモンドを作ることができる、そんな話が話題に登るようになったのは、2014年に発表された論文が大きい。論文を発表した人物はドイツ人の物理学者であるダン・フロスト氏だ。彼は地中深くに沈んでいる下部マントルの研究を専門にしていた。下部マントルは非常に高い温度、そして圧力がかかる。そんな下部マントルの環境下を実験室に作り出し、そこにピーナツバターを置いたところ、ダイヤモンドが生成されたという内容だ。
この発見が偶然だったと言われることもあるが、おそらくそれは異なる情報だ。というのも人工ダイヤモンドの生成については、長らく研究がなされてきた。そのなかでもダイヤモンドと同じ組成を持つ炭素を高温、高圧下に置いてダイヤモンドの結晶へと成長させる方法は比較的早くに発見されており、今ではポピュラーな方法だ。主に工業用のダイヤモンドを作るために活用されてきた。
2. ピーナッツバターからダイヤモンドを作る問題点

ピーナッツバターからダイヤモンドを作ることができれば、より安価で簡単に手に入るようになるのでは?そう考える人もいるかも知れないが、実際にはそうはいかないらしい。ピーナッツバターからダイヤモンドが簡単に作ることができない理由を解説していこう。
生成には時間が必要
下部マントルとは地中深くにある。地上からなんと約2900km以上も深いところに存在しているのだ。そんな下部マントルは温度が約2200度、地上と比べると約130万倍の圧力がかかる環境である。まず、その環境を作り出すのがなかなか難しい。
それに加えて、最良の状況下であってもピーナッツバターからダイヤモンドを作るには何週間もかかるという。
3. ピーナッツバターダイヤモンドの将来性

ある一定の環境下であれば、ピーナッツバターからダイヤモンドを作れることは実証されている。このように作られたピーナッツバターダイヤモンドは、どんな使い方ができるのだろう?ここではその将来性について調べていこう。
産業用に期待
そもそも高温高圧で作られたダイヤモンドは天然ダイヤモンドと違い、結晶内部に不純物が含まれることが多く、宝飾品には向いていないとされている。しかし、ダイヤモンドは宝飾品以外にも唯一無二の硬度、光学特性、熱伝導性などから、半導体素子の接合やトンネルの採掘、超精密機械の製造など、産業に活用されている。ピーナッツバターダイヤモンドは、今後このような産業用として期待を集めることがあるかもしれない。
結論
ピーナッツバターからダイヤモンドを作ることができる...嘘のようだが、実際に可能な話だといわれている。正確に言えば、炭素を多く含む物質を高温高圧下という特殊環境におくとダイヤモンドが生成されるのだ。ダイヤモンドは宝石としてもよく知られる存在だが、一方で産業に欠かすことのできない類稀なる物質である。このピーナッツバターダイヤモンドが産業用に使われる日も遠くないかもしれない。
調理師名:新江友基
経歴:調理学校を卒業と同時に調理師免許を取得。その後、カフェ、レストラン、居酒屋などさまざまな飲食店で調理業務やメニュー開発に携わる。現在は、過去の経験から得た知識を活かし、食に関する記事の監修を担当している。