1. 農業に興味を持ったきっかけは親戚のおじさん

「元々農業に興味はなかった」という野口さん。たまたま親戚のおじさんが農業を営んでおり、トラクターを運転する姿が楽しそうに見えたことから、次第に農業に興味を持つようになったそうです。野口さんは、農業に携わる前はホテルの接客で生計を立てていましたが、いつの日かおじさんの姿に憧れ、仕事をとことん真似ることで農業の楽しさに目覚めます。最初は祖父母から反対されたものの、仕事を辞めて本格的に種まきを始めると、本気度が伝わったそう。祖父母が畑を貸してくれたことをきっかけに、野口さんは農家としての道を歩み始めたのです。
2. 農業を始めてから知った気持ち
農業を始めてから、野口さんは「初めて好きなものと出会えた」と実感したそうです。
農業従事者は、農家以外に「百姓」と呼ばれることがあります。その名の通り、農業の仕事は種まきから出荷まで作業は多種多様。ですが、山のように作業があるからこそ、野口さんは「必ずやりたいことや好きな作業が見つかる」といいます。好きなものを見つける大切さを感じたこと―これが、野口さんが農業に情熱を燃やす原点なのです。
3. 美味しい野菜作りにこだわるようになったきっかけ

2児の父親でもある野口さん。子どもが3歳と5歳になった頃、ご自身の畑の一角で家庭菜園をしていたとうもろこしを子どもたちが食べなかったというのです。
とうもろこしは大好きなはずなのに、なぜ食べないのかを子どもたちに問うと、「これ美味しくない」といわれたそう。そこで、子どもたちが美味しくないと感じた原因を探ってみると、野口さんはひとつの答えにたどり着きました。ズバリ違いは「品種」だったのです。
そのことに気づいた野口さんは、さっそくレタスで試してみることに。実は子どもたちは、レタスを「美味しい」と食べてくれたことが一度もありませんでした。
そこで、いろいろなメーカーから取り寄せた種で、数種類のレタスを栽培しました。すると1種類だけ、子どもたちがドレッシングをかけずに食べきった品種があったというのです。
これまで子どもたちが野菜を食べなかったのは、野菜嫌いだったわけではなく美味しいと思えなかったから。子どもたちが野菜を食べない原因を、身をもって体験した野口さん。この経験が、美味しい野菜づくりにこだわるきっかけとなったのです。
4. 美味しい野菜選びは農家選びから

野口さんは、「美味しい野菜を選ぶためには、美容室選びと同じように自分好みの品種を育てている"マイ農家さん"を見つけてほしい」と話します。美味しい野菜選びのためには、まず農家選びから始めることがおすすめだそうです。また、「今後、素材の大切さが広まる時代が来るのでは」とも語る野口さん。これからも子どもたちを笑顔にする野菜づくりへの情熱を感じました。
結論
いまやSNSのフォロワーは10万人を突破。メディアにも引っ張りだこの野口さんは、「野菜の美味しさで感動を届ける」ことを大切にしています。みなさんも野菜を買う時はぜひ、野口さんの話を参考にしてみてください。野口さんには、玉ねぎを甘くする裏ワザについてもうかがっています。ぜひそちらの記事も楽しみにしていてください!
今回ご協力いただいた農家さん
野口ファーム 野口俊さん

淡路島にて野口ファームを営む。ホテルマンから農家に転身したのち、野菜の生産に留まらず、北欧エストニアを拠点とするNEXT INNNOVATIONと共同で「新しいカタチの学び場」としてS☆KOOL FARMを運営。その他にもSNS・テレビを通したメディア露出や子どもたちへの体験教室など様々な分野でチャレンジを続ける。
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