1. 40歳のときに思い切って小豆島に移住!
元々は、教育関連の事業を展開する大手企業に勤めていたという山田さん。ところが、40歳に差し掛かったタイミングで、今後の人生について改めて考えてみることにしたそうです。小豆島は、山田さんの奥様の出身地。山田さんご自身もお気に入りの場所であったことから思い切って移住し、オリーブ園を開始することになりました。
これまで釣りや山登りが趣味だったという山田さんですが、小豆島で生活する中ではそういったアウトドアが日常茶飯事。その結果「趣味とは言えなくなってしまった」と、山田さんは少し笑いを交えて話してくれました。
2. 日本でオリーブの有機栽培が困難な理由

山田さんはオリーブを有機栽培することに挑戦。しかし、それは困難の始まりでした。日本には、オリーブにとっての天敵「オリーブアナアキゾウムシ」が生息しているからです。その名の通り、オリーブアナアキゾウムシはオリーブを食害する虫です。オリーブの幹の水分や養分を枝に送り届ける柔らかい部分を食い荒らし、気づいたときには幹がボロボロということも。
オリーブアナアキゾウムシには殺虫剤が有効ですが、無農薬でオリーブを育てたい山田さん。殺虫剤を使わずに害虫対策をするにはどうしたらいいかと、頭を悩ませたそうです。
3. オリーブを天敵から守るために...

山田さんはオリーブアナアキゾウムシの被害を防ぐため、オリーブの樹を1日1回自ら確認できる本数に絞りました。そうすることで樹が被害に遭う前に、オリーブアナアキゾウムシを発見、捕獲できます。そうして捕まえたゾウムシを自宅で飼い、徹底的に研究することにしたのです。
そんな努力が実り、山田オリーブ園はオリーブ栽培として国内初の有機JASに認定。現在では、すべての自家農園で有機栽培を行っています。さらに驚くべきことは、山田さんは捕獲したオリーブアナアキゾウムシを1匹も処理せずに飼い続けているということ。農業を行ううえで「虫や動物、人間が一緒に生きていける環境を守る」という信念も、大切にされているそうです。
結論
日本での有機オリーブ栽培を実現するため、困難に立ち向かった山田さん。そのエピソードからは、生き物や自然に対する愛を感じられます。これからもきっと、新鮮で安全な食べ物の生産を続けてくれることでしょう。山田さんからはそのほかにも、オリーブオイルの美味しい食べ方についてうかがっています。ぜひお楽しみに!
今回ご協力いただいた農家さん
山田オリーブ園 山田典章さん

都内大手企業に勤めた後、小豆島にてオリーブオイルの有機栽培に着手。自家農園の有機農産物を使用した加工品の開発・販売なども手掛ける。
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