あえて曲げたネギ！？農家さんに聞いた「新里ネギ」がすごい

松本さんの実家は個人農園を営んでいたそうですが、小さい頃はあまり跡を継ぐという意識はなかったそうです。ただ、農業自体には興味を持っていたため、中学卒業後は農業高校、そして農業大学に進学されました。そして、大規模な農業法人で経験を積んだのち、2022年から実家である松本農園を受け継ぎ、野菜の栽培をされています。

大規模な農業法人で数年間修業をしてから、個人農園を営んでいる松本さん。そのため、農業法人と個人農園の違いを感じることがいくつかあるそうです。規模の大きな法人の場合は組織のルールがあり、何かをやりたいと思ってもルールに則っていなければなりません。一方、個人農園は融通が利きやすいため、その点にメリットを感じるのだとか。ただしデメリットもあり、規模の小さい個人農園では投資をすることが難しいそう。今後は補助金などを活用して、ブランドネギである「新里ネギ」を広めていくことが目標だと語ってくださいました。

新里ネギとは、松本農園がある栃木県宇都宮市新里町で古くから栽培されており、栃木県内で初めてGIマークを取得した野菜だそうです。GIマークとは、その農産物の確立した特性や、地域との結びつきを証明するもの。
新里ネギは、白い部分が弓状に曲がっているのが印象的な、新里町の在来種。曲げることでストレスを与え、それが甘みに繋がっているのだそうです。一般的なネギと比べて柔らかく、強い甘みと青葉の美味しさ、そして生で食べても辛みが少ないのが特徴です。定植後に一度掘り起こし、再度寝かせてから植えることで、曲がった形に育つのだとか。浅い場所でも育てられるため、これまで土が固くて深くまで掘れなかった場所でも栽培できるというメリットがあるそうです。
このようなブランド野菜があるにもかかわらず、農家の高齢化に伴い生産量は減っていました。松本さんはこの現状をもったいないと感じ、新里ネギの栽培に力を入れているそうです。新里ネギの栽培には手間がかかるため、今後はブランディングを強化して、労力に見合った価格設定ができるようにすることが課題だと話されていました。

松本さんから、就農された経緯や栽培を強化している新里ネギについてうかがいました。今後は、松本さんから伝授していただいた、おすすめの野菜の食べ方についても紹介していきますので楽しみにしていてください！

松本農園　松本さん

大規模農業法人に4年以上勤めて経験を積んだのち、江戸時代から100年以上続く伝統農園である実家の農園を継ぐために独立。現在は、新里町のブランドネギをはじめとした、さまざまな野菜の栽培に尽力されている。

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