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信楽焼の狸の置物の写真

信楽焼(しがらきやき)の特徴とは?狸で有名な陶磁器の魅力を紹介!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2022年8月 1日

2019年9月30日開始の朝の連ドラ「スカーレット」の舞台にもなっている信楽の特産品として知られる陶器、信楽焼。今回は信楽焼の特徴やその地域の魅力を解説する。信楽焼の有名な品や、毎年開かれるイベントについてもご紹介するので、参考にしてほしい。

1. 日本六古窯のひとつ「信楽焼」とは?

信楽焼の長い器の写真
まずは信楽焼とはどのような焼き物なのか、簡単におさらいしておこう。

滋賀県甲賀市信楽町周辺で作られる陶磁器

信楽焼は「日本六古窯(にほんろっこよう)」のひとつに数えられる陶磁器で、滋賀県甲賀市信楽町(しがらきちょう)周辺で作られている。特徴や魅力は後述するが、国の伝統工芸品にも指定されている逸品である。

信楽焼の歴史

【信楽焼の誕生】

聖武天皇の天平年間(729〜749年)を中心とした「天平時代(てんぴょうじだい)」に誕生したといわれており、上述のように日本六古窯(縄文から続く技術を継承した、日本を代表するやきもの産地)のひとつに数えられている。

【鎌倉時代〜江戸時代】

鎌倉時代に入ると水瓶などが作られるようになった。また安土桃山時代には茶道具が、江戸時代の頃には徳利や土鍋といった日常生活で用いられる器などが作られるようになった。

【大正時代〜現代】

大正時代から明治時代を経て主に戦前の頃まで、家庭用の火鉢が作られ信楽焼が親しまれていた。釉薬の研究も進み、現代においても食器や置物、花器など身の回りのさまざまなもので信楽焼を楽しむことができる。

2. 信楽焼の特徴や魅力を紹介!

鮮やかな色の信楽焼の器の写真
時代を越えて愛され続ける信楽焼の特徴や魅力について紹介していこう。

信楽焼の特徴と魅力

信楽焼の陶器としての特徴は、粗めの土質の陶土を用いている点や耐火性に優れている点だろう。加えて、焼き締める際の温度や焚き方により一つひとつ色や模様が微妙に変化する点も特徴である。続いて焼成の特徴をいくつか挙げてみよう。

信楽焼の焼成の3大特徴!「火色(緋色)」「ビードロ釉」「蜻蛉の目」

【火色(緋色)】

陶土に鉄分が少なく、焼成の際には降灰などのさまざまな条件も重なるため、土肌がほんのり赤っぽく発色する。

【ビードロ釉】

陶器に灰が降りかかってできる自然降灰釉だ。焼成温度1200〜1300℃前後のとき、陶器に降りかかった灰が素地中の長石とともに溶けて、ガラス質の釉となって流れ出したものである。

【蜻蛉の目】

自然釉が筋状に流れた先で、丸い半球型になった釉溜まりのことをいう。蜻蛉の目は非常に美しく、茶人たちの目を楽しませてきたといわれている。

3. 信楽焼は地域ブランドにも認定!信楽の魅力を紹介

信楽の朝宮茶のイメージ写真
信楽焼は2006年4月、地域の活性化などを目的に地域ブランドとして認定された。地域ブランドとは、地域の特徴をいかした商品やサービスの銘柄のことで、滋賀県では雄琴温泉、近江牛、琵琶湖産鮎に続いて県内4番目である。

信楽と紫香楽

古くから陶器作りの盛んな焼き物の町として知られてきた滋賀県甲賀市信楽町。滋賀県南西部に位置しており、周辺は自然豊かな田園都市である。信楽周辺地域を訪れると、駅名や店名に「紫香楽」という漢字がついているのを目にすることがあるかもしれない。実はこれも信楽と同じく「しがらき」と読む。
時代を遡ること約1200年前、奈良時代に日本の首都がこの信楽の土地にあったといわれている。天平14年(742年)、国家安寧を願って大仏建立をおこなうため、聖武天皇が紫香楽宮(しがらきのみや)の造営を始めた。
だが山火事や地震のため計画が順調に進まず、結局4年余りで平城宮へと再び遷都された。紫香楽はその都の名前のなごりである。

信楽は「朝宮茶」でも有名

甲賀市は信楽焼のほか「甲賀忍者」など、古くから忍者発祥の地として知られている。忍者体験ができる「甲賀忍者村」もあるので、気になる方は足を運んでみてはいかがだろうか?
また信楽はお茶の産地としても有名だ。歴代天皇にも献上されてきた日本最古のお茶「朝宮茶」が栽培されたのも信楽の朝宮地区といわれている。全国五大銘茶のひとつで緑茶の最高峰だ。

4. 信楽焼で有名な品といえば「狸(タヌキ)」!その特徴や人気の秘密は?

信楽焼狸の写真
信楽焼のシンボルともいえる狸だが、これが始まったきっかけについて紹介しよう。

昭和初期頃にもっとも盛んに作られていた

陶器でできた狸は信楽焼だけに限らず、常滑や備前などでも江戸時代後期から現在まで多く作られてきた。陶器の狸づくりが一層盛んになったのは昭和初期からだろう。この頃、信楽焼狸の顔や姿に人気が集まり非常に売れたことから、信楽焼のシンボルが狸になったと考えられる。

信楽焼狸が全国に広まったのは昭和天皇の影響?

昭和26年に昭和天皇が信楽を訪問された際、地域の人々が日の丸の旗を持った陶器の狸を沿道に並べて歓迎した。その光景を目にされた天皇はたいそう喜ばれ、歌を詠まれたという。このエピソードはマスコミにも取り上げられたため、信楽焼の狸が有名になったとも考えられている。

気になる狸の現在の需要は?

現在では、信楽焼の全生産高に占める狸のシェアはそれほど高くないようだ。だが時代の変化に合わせて狸の表情も親しみやすいものに変わり、置物以外の狸も販売されるなど信楽焼の狸は今なお根強い人気を誇る。
面白いものでは、陶器の狸そのものが玄関先の郵便ポストになったり、狸の丸いお腹が透明な金魚鉢になっていたりするものがあるので、ぜひ探してみてほしい。

八相縁起

陶器の狸の「八相縁起」についても知っておくと、縁起を担ぎたいときやプレゼントしたいときに役立つだろう。たとえば狸がかぶっている笠には「思いがけない災難を避けるため、普段から準備しておくように」という意味が込められている。
同じように徳利には「人徳を身につけよう」という意味が込められている。信楽を訪れた際、狸の八相縁起についてもぜひ知識を深めてみよう。

5. 信楽焼をお手頃価格で手に入れるチャンス!年2回のイベントに参加しよう

ネズミが描かれた信楽焼のお皿の写真
信楽焼を直接見て触れたい!と思われた方は、信楽焼の作家市(毎年5月)と陶器まつり(10月)に参加してみよう。秋の陶器まつりは「信楽セラミック・アート・マーケット」とも呼ばれている。

信楽セラミック・アート・マーケットとは?

作家市、陶器市ともに信楽駅の駅前広場で開催されており、陶器作品の販売のほか、飲食コーナーの設置や地域の特産品の販売などもおこなわれている。どちらのイベントでもお手頃価格で陶器を購入できるチャンスがあるなどおすすめだ。

全国のさまざまな作品を楽しむなら春がおすすめ

秋の信楽セラミック・アート・マーケットには、滋賀県内で作品を作っている作家のみが出展する。一方で春の信楽作家市には全国から応募した作家たちが集う。そのため春の信楽作家市は、秋のイベント以上にさまざまな作品を見られる機会になる。
各ブースを見て回り、作家から直接作品について話を伺ったりオーダーメイドの交渉をしたりするのもよいだろう。

結論

信楽焼の特徴や魅力を紹介するとともに、地域の特徴、陶器の狸の始まりやその人気の高さなどをお伝えしてきた。素朴で温かみのある陶器・信楽焼を暮らしにぜひ取り入れてみよう。食器以外にも掛け時計やルームライトなど、家に置きたくなる名作が多数ある。春、秋と過ごしやすい季節はぜひ信楽へ出かけてみてはいかがだろうか?
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  • 公開日:

    2020年1月 3日

  • 更新日:

    2022年8月 1日

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