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信楽焼(しがらきやき)の特徴は?複雑な色や模様の違いを楽しもう

信楽焼(しがらきやき)の特徴は?複雑な色や模様の違いを楽しもう

投稿者:ライター 岸本美樹(きしもと みき)

2020年1月 3日

2019年9月30日開始の朝の連ドラ「スカーレット」の舞台にもなっている信楽の特産品として知られる陶器、信楽焼。今回は信楽焼の特徴やその地域の魅力を解説する。信楽焼の有名な品や、毎年開かれるイベントについてもご紹介するので、参考にしてほしい。

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1. 日本六古窯の一つ、信楽焼の特徴とは

信楽焼の陶器としての特徴は、粗めの土質の陶土を用いており、耐火性が高いこと。また焼き締める際の温度や焚き方によって、一つ一つ微妙に色と模様が変化することだ。ここでは信楽焼ならではの、焼成の特徴をいくつか挙げてみよう。

火色(緋色)

陶土に鉄分が少なく、焼成の際には降灰などのさまざまな条件も重なるため、土肌がほんのり赤っぽく発色すること。

ビードロ釉

陶器に灰が降りかかってできる自然降灰釉。焼成温度が1200℃から1300℃前後の時、焼成中の陶器に降りかかった灰が素地中の長石とともに溶けて、ガラス質の釉となり流れ出したもの。

蜻蛉の目

自然釉が筋状に流れた先で、丸い半球型になった釉溜まりのこと。蜻蛉の目は非常に美しいため、茶人たちの目を楽しませてきた。

次回店舗で実際に商品を手にする時には、じっくり眺めて信楽焼ならではの特徴を見つけてみよう。

2. 地域ブランドにも認定!信楽の魅力を解説

信楽焼は2006年4月に地域の活性化などを目的に地域ブランドとして認定された。地域ブランドとは、地域の特徴を活かした商品やサービスの銘柄のことで、滋賀県では雄琴温泉、近江牛、琵琶湖産鮎に続いて県内4番目である。

信楽と紫香楽

古くから陶器作りの盛んな焼き物の町として知られてきた滋賀県甲賀市信楽町。滋賀県南西部に位置しており、周辺は自然豊かな田園都市である。信楽周辺地域を訪れると、駅名や店名に「紫香楽」という漢字がついているのを目にすることがあるかもしれない。実はこれも信楽と同じく「しがらき」と読む。

時代を遡ること約1200年前、奈良時代に日本の首都がこの信楽の土地にあったといわれている。天平14年(742年)、国家安寧を願って大仏建立をおこなうため、聖武天皇が紫香楽宮(しがらきのみや)の造営を始めたのだが、山火事や地震のため計画が順調に進まず、結局4年余りで平城宮へと再び遷都された。紫香楽はその都の名前のなごりである。

陶器の生産だけではない!信楽の魅力

甲賀市は信楽焼のほか、「甲賀忍者」など古くから忍者発祥の地として知られている。忍者体験ができる「甲賀忍者村」もあるので、気になる方は足を運んでみたい。

信楽は、お茶の産地としても有名だ。日本最古のお茶「朝宮茶」が栽培されたのも、信楽の朝宮地区といわれている。このお茶は全国五大銘茶の一つで、緑茶の最高峰。この朝宮茶は歴代天皇にも献上された。

3. 信楽焼の有名な品・狸(たぬき)、その人気の秘密とは

信楽焼のシンボルともいえる狸だが、これが始まったきっかけについてご紹介しよう。

陶器でできた狸は、信楽焼だけに限らず常滑、備前などでも、江戸時代後期から現在まで多く作られてきた。陶器の狸づくりが一層盛んになったのは昭和初期からだろう。この頃、信楽焼狸の顔や姿に人気が集まり非常に売れたことから、信楽焼のシンボルが狸になったと考えられる。

また昭和26年、昭和天皇が信楽を訪問された際には、地域の人々が日の丸の旗を持った陶器の狸を沿道に並べて歓迎した。この光景を目にされた天皇はたいそう喜ばれ、歌を詠まれたという。このエピソードはマスコミにも取り上げられたため、信楽焼の狸が有名になったとも考えられている。

気になる狸の需要は?

現在では、信楽焼の全生産高に占める陶器製の狸のシェアはそれほど高くないようだ。しかし、時代の変化に合わせて狸の表情もより親しみやすいものに変わり、置物だけでなくそのほかの用途で活用できる狸も販売されるなど、信楽焼の狸は今なお根強い人気を誇る。面白いものでは、陶器の狸そのものが玄関先の郵便ポストになったり、狸の丸いお腹が透明な金魚鉢になっていたりするものがあるので、ぜひ探してみてほしい。

なぜこれほど狸の人気は高いのだろうか?昔話やアニメなどを見ていると、狸はやはりどこか間抜けで憎めない存在として描かれていることが多いようだ。これは日本人独特の狸に対する親しみから生まれてくるものであり、その思いを陶器の狸に重ねる人も多いのかもしれない。

陶器の狸の「八相縁起」についても知っておくと、縁起を担ぎたい時や誰かにプレゼントをしたい時に役立つだろう。たとえば、狸がかぶっている笠には「思いがけない災難を避けるため普段から準備しておくように」という意味が、また徳利には「人徳を身につけよう」という意味が込められている。信楽を訪れた際には、狸の八相縁起についてもぜひ知識を深めてみよう。

4. お手頃価格で手に入れるチャンス!年2回のイベントに参加しよう

信楽焼を直接見て触れたい!と思われた方は、信楽焼の作家市(毎年5月)と陶器まつり(10月)に参加してみよう。秋の陶器まつりは「信楽セラミック・アート・マーケット」とも呼ばれている。作家市、陶器市ともに信楽駅の駅前広場で開催されており、陶器作品の販売のほか、飲食コーナーの設置や地域の特産品の販売などもおこなわれている。どちらのイベントでもお手頃価格で陶器を購入できるチャンスがあるのでおすすめだ。

秋の信楽セラミック・アート・マーケットには滋賀県内で作品を作っている作家さんのみが出展するのに対し、春の信楽作家市には滋賀県内だけでなく全国から応募した作家さんたちが集う。そのため、春の信楽作家市は、秋のイベント以上にさまざまな作品を見られる機会になる。ぜひ各ブースを見て回り、作家さんから直接作品についてお話しを伺ったり、オーダーメイドの交渉をしたりしてみよう。作家さんに話しかける場合は、作家さんやほかのお客さんへの配慮を忘れないことも大切だ。

結論

今回は、信楽焼が作られる地域の特徴、陶器の狸の始まりやその人気の高さの理由について解説した。素朴で温かみのある陶器・信楽焼を暮らしの中にぜひ取り入れてみよう。食器以外にも、掛け時計やルームライトなど、一度目にしたらつい自分の家に置きたくなる名作に出会えることうけあいだ。春、秋と過ごしやすい季節にはぜひ信楽へ出かけてみよう!

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