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越前焼の特徴は?素朴な魅力や地域の陶芸施設、イベントを紹介

越前焼の特徴は?素朴な魅力や地域の陶芸施設、イベントを紹介

投稿者:ライター 岸本美樹(きしもと みき)

鉛筆アイコン 2020年1月 1日

日本六古窯の一つで、素朴な味わいの越前焼は、福井県中北部の越前町を中心に生産される陶器である。今回は越前焼の特徴や魅力を知るとともに、地域で生まれたオリジナルブランドや越前陶芸村などの施設、毎年開かれる越前陶芸まつりについてご紹介しよう。

1. 日本六古窯の一つ、越前焼の特徴と魅力とは

日本六古窯の一つに数えられる陶器、越前焼。壺や甕、すり鉢の3器種を中心とした日用品としての陶器や、経筒(経典を収納するために用いる筒形の容器)、骨壺などの宗教的用途で用いられる陶器類が作られている。

越前焼は、使われている土に鉄分が多く含まれており、耐火性も強いため、陶器の表面が赤黒、赤褐色の焼き上がりとなる。この渋く温かみのある土味が越前焼の魅力の一つだ。また、水漏れがしにくいという特徴もある。そのため水や酒、藍染めなどの染色液の保管、穀物の保存や貯蔵用の容器としても使用されてきた。

2. 越前焼の製造地域と作陶の移り変わり

越前焼の歴史をさかのぼってみると、現在の越前町織田、宮崎地区を中心に平安末期頃から陶器の生産がおこなわれていたことがうかがえる。この地域の方々からすると、越前焼という名称よりも、むしろ「織田焼」「熊谷焼」といった地域集落の名にちなんだ名称の方がなじみ深いといえるだろう。

江戸時代から近代にかけて食器作りに移行

江戸時代後期になると、甕や壺だけでなく徳利や片口など食器類も作られるようになり、明治時代には、現在日本六古窯にも数えられている焼き物の先進地から陶工たちを招いて花瓶作りも始められた。ただ、磁器や色絵陶器などは定着しなかったようだ。その後、明治時代末期から大正時代にかけては窯元の廃業が相次いでいる。

これらの地域で生産される陶器が越前焼と呼ばれ再び注目されるようになったのは、1940年代に入ってからだ。日本六古窯として数えられるようになった後、越前陶芸村の建設によって新たに多くの陶芸家たちがこの地域に集まった。現在、越前焼の主要製造地域は福井市、武生市、あわら市、丹生郡越前町、三方上中郡若狭町と拡大し、焼き締め陶の伝統を活かしつつ、新たな作陶の試みもなされている。

3. 有名な品からオリジナルブランドまで。越前焼に親しもう

越前焼にも、茶器や皿、コーヒーカップなど現代の食卓で活用できる品がたくさんある。「土ごころ」や「ひらめ」といったオリジナルの陶器ブランドもあり、これらのブランド商品は通販サイトでも購入できる。

越前焼の名品を含め芸術鑑賞をするなら、越前陶芸村を訪れるのもおすすめだ。都市公園100選に選ばれているこの陶芸村の陶彫広場では、岡本太郎の「月の顔」、イサム・ノグチの「レインマウンテン」など有名な芸術家たちの作品を見ることができる。

そのほか、越前焼の窯元によって制作されたモニュメントなど、約15点の作品が広場に点在しており、近くで見て触れて楽しめる。越前陶芸まつりの会場にもなっており、緑ゆたかな環境の中で陶器市が開かれる。

4. 越前陶芸まつりに参加してみよう!

越前陶芸まつりは、毎年5月下旬に開かれる。毎年約10万人もの人出が見込まれる県内屈指のイベントだ。メインは県内窯元が集結する陶器市。新作の陶器作品を始め、数々の陶器類がお手頃価格で販売されている。陶器市のほか、ステージショーや日曜日限定の茶会などさまざまなイベントを楽しめるのでおすすめだ。

結論

日用品や食器として親しまれてきた越前焼。今回紹介した越前陶芸村や越前陶芸まつりのほかにも越前焼を体験できるお店や施設はたくさんある。越前焼の周辺地域には歴史や文化など北陸地方の魅力も詰まっているので、福井県や北陸地方を訪れる機会があればぜひ合わせて楽しもう。
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  • 更新日:

    2020年1月 1日

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