目次
- 春雨(はるさめ):2月末から3月にかけて、しとしと降る雨
- 紅雨(こうう):花が咲いている頃に降る雨
- 発火雨(はっかう):24節気の「清明」前後に降る静かでやわらかい雨
- 五月雨(さみだれ):旧暦の5月に降る長雨
- 梅雨(つゆ・ばいう):夏至前後の雨期を指す。梅の実が熟す時期であることからそう呼ぶ
- 空梅雨(からつゆ):雨があまり降らない梅雨のことを指していう
- 緑雨(りょくう):新緑の季節に降る雨。日本の美しい原風景を思い起こさせる
- 麦雨(ばくう):麦が実る頃に降る雨
- 小糠雨(こぬかあめ):弱くて細かい雨。同じ弱く細かい雨でも、秋だと霧雨と呼ばれる
- 白雨(はくう):雨足が白く見える雨
- 洗車雨(せんしゃう):陰暦7月6日(七夕の前日)に降る雨のこと。織姫に会うのに彦星が使う牛車を洗う水に重ねあわせている
- 夕立(ゆうだち):夏の午後にごく短時間降る強い雨
- 神立(かんだち):夕立や雷雨のこと
- 酒涙雨(さいるいう):七夕に降る雨。出会うことができなかった織姫と彦星が流す涙といわれている
- 秋雨(あきさめ):秋に降る冷たく感じられる雨
- 冷雨(れいう):晩秋に降る冷たい雨
- 白驟雨(はくしゅうう):断続的に降る激しい雨
- 霧雨(きりさめ):霧のような細かい雨のこと
- 秋湿り(あきしめり):秋に降る長雨
- 秋霖(しゅうりん):秋に降る長雨
- 時雨(しぐれ):秋の終わりから冬に降る雨
- 朝時雨(あさしぐれ):冬の朝に降ったり止んだりする雨
- 北時雨(きたしぐれ):北のほうから降ってくる時雨
- 横時雨(よこしぐれ):横なぐりに降る時雨
- 氷雨(ひさめ):やがてみぞれや雪に変わるようなひどく冷たい雨のこと
- 凍雨(とうう):凍るように冷たい雨
- 寒の雨(かんのあめ):小寒、大寒の頃に降る雨
1. 季節別|雨の種類と呼び名一覧

雨が多い日本では、人々に恵みをもたらす雨も多いが、災害の原因となる雨も少なくない。古くから人々の生活は、雨とともにあったといってもよいだろう。そのため、雨には実にさまざまな呼び方があり、その種類は実に400以上にものぼるといわれている。そのうち比較的よく使われるものを季節ごとに紹介しよう。
春の雨の一覧
夏の雨の一覧
秋の雨の一覧
冬の雨の一覧
2. 降り方別|雨の種類と表現

雨の表現は季節だけでなく、降り方によっても異なる。
強い雨の種類と呼び名
細い竹や篠で突く様子になぞらえて篠突く雨(しのつくあめ)と呼ばれることがあるほか、風とまざったものを指して飛雨(ひう)という場合もある。
弱い雨の種類と呼び名
弱い雨についても、小雨(こさめ)だけでなく、涙雨(なみだあめ)、天泣(てんきゅう)、天気雨(てんきあめ)などの表現がある。狐の嫁入りも弱い雨を指している言葉の一つだ。
さまざまな降り方による雨の種類と呼び名
そのほか、突然降る雨のことを通り雨、にわか雨というが、鬼雨(きう)、村雨(むらさめ)という表現もある。また、長く降り続く雨を指す言葉としては、宿雨(しゅくう)、陰雨(いんう)、地雨(じあめ)などがある。
3. 英語における雨の種類は?表現方法も紹介

日本語ほどではないが、英語にもいろいろな雨の呼び名がある。英語の場合、どちらかというとシンプルな表現が主流で、日本語に訳しづらいことが少なくない。知っておくと便利な、雨に関する英語のいい方を紹介しよう。
sprinkle(スプリンクル)
ちらつく感じの雨を指す。「雨がぱらついてきた」は、"It starts sprinkling."とするのがよいだろう。
drizzle(ドリズル)
梅雨に多いしとしと降る雨のことを指す。日本語でいう霧雨や小糠雨などに該当する。
squall(スコール)
日本語でも「スコール」と呼ばれるように、短い時間に大きな音をたてて降る雨のことをいう。
pour(ポウァ)
激しく降る、大雨が降る様子をいう。"It's pouring."といえば、「土砂降りだ」となる。
結論
日本語には実にいろんな種類の雨の呼び名がある。そのため、ただ「雨が降っている」というのでは、あまりにも味気ないのではないだろうか。古くから使われてきた豊かな表現をできるだけ正しく使えるようにしたいものだ。ぜひ参考にしてみてほしい。