1. オリヅルランは季節を問わず楽しめるイチオシ観葉植物

オリヅルラン
オリヅルランは、キジカクシ目キジカクシ科オリヅルラン属(クロロフイツム属)の植物。細長い緑色の葉に白色やクリーム色の外斑や中斑が入っているのが特徴の生命力の強い常緑多年草だ。南アフリカなどの熱帯が原産で暑さに強く、寒さにはやや弱い特性を持つ。日本の園芸ショップで入手しやすいのは「ソトフオリヅルラン」や「ナカフヒロハオリヅルラン」など。草丈は15~35cmほどで、主に緑を鑑賞する植物として人気。
4~7月に咲く花は約1cmと小ぶりで、花が終わると「ランナー」とよばれる気根を伸ばした先に子株ができる。この子株が折り紙で織った折り鶴のように見えることから『オリヅルラン』と名付けられた。
4~7月に咲く花は約1cmと小ぶりで、花が終わると「ランナー」とよばれる気根を伸ばした先に子株ができる。この子株が折り紙で織った折り鶴のように見えることから『オリヅルラン』と名付けられた。
1年中美しい緑が楽しめる
オリヅルランは、簡単な手入れさえ行えば年間を通して美しい緑を保つことができる室内置きにぴったりの観葉植物。屋外で育てることもできるが、室内であれば鉢植えとして楽しむほか、水栽培にも適している。長い葉が弓のように美しいカーブを描くとともに、親株から伸びたランナーの先の子株が揺れるスタイリッシュなグリーンのため、窓際などにハンギング(鉢を吊り下げる飾り方)して楽しむのもおすすめだ。
手入れが簡単でどこにでも置ける
オリヅルランは園芸ビギナーにぴったりの観葉植物。日光のある場所ならばより元気に育つが、玄関やトイレの窓際など多少日当たりの悪い場所でも問題ない。熱帯原産だけあって暑さに強く、寒さにはやや弱いものの冬場も5度程度(霜が降りない程度)あれば、屋外でも越冬できる。水分を多く蓄えることができる多肉質の根を持っていることから乾燥にも強く、かえって冬場は水やりを控えたほうがよい。うっかり水やりを忘れても、こまめに肥料を与えなくても、瑞々しい緑の葉を通年で楽しめるので、初心者やズボラ派でも美しく保つことができる。
2. 「土の表面がかわいたら水やり」だけでOK!オリヅルランの育て方

オリヅルランの育て方(日当たり)
基本的には日当たり・風通しの良い場所に置くのがベストだが、耐陰性もあるので日差しが入る部屋の中なら場所を選ばず置くことができる。ただし、暑さには耐性があるオリヅルランだが、夏の強い直射日光に当たると「葉焼け」を起こしてしまう。葉焼けした葉は組織が死んで白色や茶色になり、手入れしても元には戻らない。葉焼けによって株全体が傷み、枯れる原因にもなるので、夏場は直射日光や西日の当たる窓際に置くのは避けよう。
オリヅルランの育て方(水やり)
比較的乾燥には強いのがオリヅルランの特徴だ。庭など屋外の地面に植えるのなら、ほぼ水やりは不要。屋内の場合は、春、秋は土の表面を触ってみて乾いていたら適宜水やりを行う。夏場も土の表面がかわいたときが水やりのタイミングだが、朝か夕方の涼しい時間帯に水やりをするのがポイント。冬場は土の表面が乾いてから3~4日間あけて乾燥気味に育てたほうが、根腐れしにくくなる。水やりをするときは、鉢底の穴から水が出てくるまでたっぷりと与え、受け皿にたまった水は根腐れ防止のために必ず捨てることを心がけよう。
オリヅルランの育て方(肥料・用土)
頻繁な手入れが必要ないのがオリヅルランのよいところ。肥料も初夏に緩効性肥料を1回、少なめに与える程度で葉の色つやがよくなる。鉢植えなどの土に植えるときは、市販されている観葉植物用の培養土をチョイスしよう。
3. オリヅルランの寄せ植え、水栽培、増やす方法

寄せ植えのアクセントに最適
グリーンと白のストライプの葉は、他の植物と寄せ植えにするとよいアクセントになる。寄せ植えするときのポイントは、水やりのタイミングや好む環境が同じ観葉植物同士を組み合わせること。おすすめは、オリヅルランと同じように葉に白いラインが入っているサンスペリアだ。まっすぐに高く伸びる「ローレンティ」種ならその周囲をカーブが美しいオリヅルランで囲うように配置。草丈が短く、葉が重なって積みあがるタイプの「ローレンティ・コンパクタ」や、「ゴールデンハニー」ならランダムに植え付けることで、スタイリッシュなグリーンオブジェ風の仕上がりに。
また、オリヅルランの周囲に季節の小花の苗をあしらって寄せ植えし、花の季節が終わったらオリヅルランだけを残して花を入れ替えるのもおすすめだ。秋から春までに花をつける小花ならサイネリアやマーガレット、春から夏にかけて咲いてオリヅルランと相性のいいのはさわやかなブルーのムスカリやプリムラ・マイコデス(サクラソウ)などがよいだろう。
また、オリヅルランの周囲に季節の小花の苗をあしらって寄せ植えし、花の季節が終わったらオリヅルランだけを残して花を入れ替えるのもおすすめだ。秋から春までに花をつける小花ならサイネリアやマーガレット、春から夏にかけて咲いてオリヅルランと相性のいいのはさわやかなブルーのムスカリやプリムラ・マイコデス(サクラソウ)などがよいだろう。
増やすなら株分けより子株を分けると簡単
オリヅルランは成長すると、ランナーが伸びてその先に折り鶴のような子株がつき、それを鑑賞するのが楽しいものだが、子株が増えすぎてしまうと見苦しくなる。ちょうどいいバランスを保つため、定期的に増えすぎた子株(8枚以上葉のついているもの)を、ランナーを3~4cm残して切り落とすとよい。この子株はそのまま土にさしておけば、大きく成長するので増殖は簡単。
子株のできない(ランナーを出さない)「シャムオリヅルラン」などの場合は、株分けをして増やす。鉢からオリヅルランを抜いて、土をよく落とし、一株に3芽以上つく大きさでナイフで切り分けて、それぞれ小さい鉢に植え替えを行う。ランナーが出るタイプのオリヅルランも、大きくなりすぎて鉢いっぱいになってしまったら、この方式で株分けをするとよいだろう。
子株のできない(ランナーを出さない)「シャムオリヅルラン」などの場合は、株分けをして増やす。鉢からオリヅルランを抜いて、土をよく落とし、一株に3芽以上つく大きさでナイフで切り分けて、それぞれ小さい鉢に植え替えを行う。ランナーが出るタイプのオリヅルランも、大きくなりすぎて鉢いっぱいになってしまったら、この方式で株分けをするとよいだろう。
オリヅルランは水栽培も楽しい
剪定した子株は、水栽培で楽しむのもおすすめだ。土に植えてある程度根が出たら、根についた土を優しく洗い落として、浅めのガラスなどの容器に入れて育てる。水栽培にすると毎日、水を取り替える必要がある。少し手間はかかるものの、グリーン×ホワイトと透明な水の組み合わせによる爽やかな美しさが、夏場のグリーンインテリアにぴったりだ。
結論
室内に植物をあしらうことで、フレッシュな空気感や植物の持つ生命力が漂い、居心地の良い空間を作ることができる。とくに今回注目したオリヅルランは、すっとしたいでたちや、風が通るたびにモビールのように揺れるランナーの先の子株が、生きたアートのよう。手入れも簡単なので「観葉植物でも......」と思ったときは、まずはオリヅルランから始めてみるとよいだろう。