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青いドライアイスの写真

ドライアイスの正しい捨て方・上手な保存方法|お湯をかけるのは危険!

投稿者:ライター 渡辺恵司(わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2023年8月 8日

食材の宅配サービスなどで発泡スチロールの箱に入っていたドライアイスをどう処分するべきか、迷ってしまうことはないだろうか?できるだけ早く、かつ安全に処理するにはどのような方法があるのだろうか?本稿ではドライアイスの性質を解説するとともに、正しい捨て方・安全な処理方法および、誤った取り扱い方・危険な処理方法などを詳しくお伝えしていく。

  

1. ドライアイスを安全に処分するなら「自然気化」

ドライアイスが自然気化しているところの写真
ドライアイスを適切に処分するには性質を理解しておくことが大切だ。

ドライアイスとは二酸化炭素を固形にしたもの

「アイス」と名のつくことからどこか「氷」のようなイメージがあるかもしれないが、ドライアイスは二酸化炭素を固形にしたものである。もとが気体なので溶けても液体にはならず、気体になる(昇華という)。

昇華温度が低いため放置すれば自然気化する

ドライアイスの昇華温度は約-79℃と非常に低温だ。我々が生活している環境下では、何もしなくても自然に昇華する。これが、ドライアイスを安全に処理するもっとも簡単かつ確実な方法である。

ドライアイスから立ち上る白い煙は二酸化炭素ではない?

ドライアイスから立ち上る白い煙は、昇華した二酸化炭素ではなく「冷やされた水が小さな粒になって空気中を漂っている」だけのもの。なおドライアイスが昇華する際、二酸化炭素のガスが発生するがそれ自体は人体に有毒ではない。

2. ドライアイスの正しい捨て方

発泡スチロールの写真
具体的に、どのような方法でドライアイスを捨てれば(処分すれば)よいかをお伝えする。

捨て方1.発泡スチロールや保冷ボックスに入れて置いておく

ドライアイスを発泡スチロールの箱の中に入れておけば、数時間で昇華し完全になくなる。食品宅配サービスで冷凍食品を注文したとき、ふた付きの発泡スチロールボックスにドライアイスとともに食品が入っているのは理にかなった手段ということだ。

捨て方2.ベランダや庭、玄関など換気のよいところに置いておく

子どもやペットなどがうっかり触れてしまうリスクがなければ、ベランダや庭、玄関といった風通しのよい場所に置いておくのもおすすめだ。換気がよいほうが早く昇華させられる。

捨て方3.水をかける、または水を張ったバケツに入れてお風呂場に置いておく

【水をかけるとどうなる?】

水をかけると早く溶ける。時間がないとき、あるいは子どもやペットがいるご家庭などは、うっかり触れてしまう危険を避けるため、水を張ったバケツにドライアイスを入れてお風呂場などに置いておこう。扉を閉めておけば危険も少ないはずだ。ただし密室にすると二酸化炭素が充満するため、窓を開けるか換気扇を回すなどの対策は講じておきたい。

<ワンポイント>早く処理するなら砕くのがおすすめ

ドライアイスは大きいものほど昇華に時間がかかる。少しでも早く処理したいのであれば、細かく砕いた状態にするのがよいだろう。素手ではなく必ず乾いた厚手の手袋(皮など)を着用しよう。

3. やってはいけないドライアイスの捨て方・危険な処理方法

ドライアイスにお湯をかけているところのイメージ写真
ドライアイスの誤った取り扱い方、やらないほうがよい処理の仕方などについて知っておくことも大切だ。

素手では絶対に触らない

ドライアイスは約−79℃という「超」低温である。うっかり素手で触れると手から離れなくなり、凍傷を招くおそれがある。水ぶくれができることもあるため、ドライアイスを取り扱う際は必ず厚手の手袋を着用するとともに、手以外の皮膚にも触れないよう注意が必要だ。

密閉しない

例えばビニール袋にドライアイスを入れて口を結んでしまうと、気化した二酸化炭素の逃げ道がなくなる。ビニール袋がパンパンにふくらみ破裂するおそれがある。過去にペットボトルなどにドライアイスを入れて破裂した事故も発生しているため、注意が必要だ。

換気の悪いところに置いておかない

換気が悪い空間で二酸化炭素の量が増えると、酸欠や二酸化炭素中毒を招くおそれがある。とくに大きなドライアイスを溶かすときは通気性を十分に確保することが大切だ。二酸化炭素は下に溜まるため、子どもやペットがいるご家庭もとくに注意してほしい。

シンクに流すのはNG

少量であればシンクに放置していても問題ない。だが急激な温度変化によってシンクまたは排水管などが破損するリスクがともなうことは覚えておきたいポイントだ。塩ビ管はとくに急激な温度変化に弱いため、少量であってもほかの方法を選ぶことをおすすめする。

お湯をかけるもNG

ドライアイスは気化する際に体積が約750倍に増えるため、お湯で急激に昇華させると多量の二酸化炭素が発生することになる。お湯が噴き出したりドライアイスの破片が飛び散ったり、容器が壊れたりするおそれがあるため、お湯をかけるのも控えよう。

燃えるゴミなどで出すのもNG

当然、燃えるゴミなどで出すのもNGだ。上述のようにゴミ袋に入れて密閉すると、気化した二酸化炭素でふくらみ破裂するおそれがある。

4. ドライアイスの保存方法は?

ドライアイスをすくっているところの写真
せっかくなので、ドライアイスを上手に保存する方法も紹介しておこう。時間の経過とともに自然気化するためやがては消失するが、少しでも長持ちさせる方法はある。

ドライアイスの上手な保存方法

常温だと1kgあたり2〜3時間が目安だが、長持ちさせたければ新聞紙で包み、保冷ボックスなどに入れておくとよい。「セルフ保冷」により気化するまでの時間が稼げる。

正しい取り扱い方を覚えておこう

我々が日常生活でドライアイスを使うシーンといえば主に「保冷」だろう。食品の加工や舞台演出などでも重宝されるが、いずれにせよ正しい取り扱い方、処理の仕方を知っていれば便利である。
うっかり素手で触れると凍傷を招くなど危険性があるドライアイスだが、正しい知識を身につけてぜひ安全に使用または処分していただきたい。

結論

超低温のドライアイスはあっという間に気化するので、基本的には放置しておけば自然になくなる。水をかければより早く処理できるが、その分多量の二酸化炭素が発生するので、酸欠にならないように換気をよくした環境でおこなってほしい。
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  • 公開日:

    2019年9月 6日

  • 更新日:

    2023年8月 8日

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