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意外と知らない人の【味覚】の種類。基本味と旨味・辛味について解説

意外と知らない人の【味覚】の種類。基本味と旨味・辛味について解説

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2021年3月15日

味覚とは、触覚や視覚・聴覚・嗅覚と並ぶ動物の五感の一つだ。主に舌に受容体があり、生理学上、現時点では、甘味・酸味・塩味・苦味・旨味の5つが基本味とされている。今回は基本的な味覚の種類と、日本人が発見したといわれる旨味、基本味には含まれない辛味について紹介する。

  

1. 味覚を構成する基本味とは?

味覚とは動物が物質を受容する感覚の一つ。食料や飲料が飲食できるかどうかを判断するのに役立つだけでなく、とくに人間にとっては楽しみともなっている。

人間は味覚を舌で感じることが多く、舌の表面にある味蕾(みらい)と呼ばれる感覚器官で感じ取る。味覚の種類はいくつもあるように思うが、人間が舌で感じることができる味覚は甘味・塩味・酸味・苦味に旨味を加えた5種類程度しかないといわれ、5基本味ないしは基本5味と呼ばれている。味覚は呈味物質(水や唾液などに溶けて味を感じさせる物質のこと)によってもたらされることが多い。それぞれのおもな呈味物質は以下の通り。

甘味:ショ糖やブドウ糖、果糖
塩味:食塩
酸味:酢酸やリンゴ酸、クエン酸、乳酸
苦味:リモネイド、カフェイン
旨味:グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸

味覚は単独で感じられることもあるが、異なる味覚が同時に感じられることも少なくない。複数の味覚が合わさると、味覚が高まることがあり、これを味の相乗効果という。こんぶとかつお節を合わせる「合わせ出汁」がよい例だ。

逆に、ある味覚が別の味覚を打ち消すこともあり、これを味の抑制効果と呼んでいる。たとえば、砂糖を入れるとコーヒーの苦味が感じられにくくなることが挙げられる。

2. 日本人が発見!旨味の正体

5基本味のうち、旨味が日本人によって発見されたものであることをご存知だろうか。1908年、科学者であった池田菊苗が、昆布出汁から物質グルタミン酸を発見。これが従来から知られていた甘味・塩味・酸味・苦味の4味のどれにも属さないことから、これを「旨味」と名付けたのが始まりだとされている。さらに新たな旨味成分として、1913年には鰹節に含まれるイノシン酸が、1957年には干し椎茸などに含まれるグアニル酸が、やはり日本人によって発見されている。

これ以後も、西洋では旨味を除いた甘味・塩味・酸味・苦味が基本味としてみなされてきた。ところが2002年、旨味を感じることができる受容体が味蕾にあることが実証されたことで、5基本味とする考え方が定着している。

昆布や鰹節、干し椎茸などを使った出汁は和食に不可欠な存在だ。そのため、私たち日本人にとって旨味はとても身近に思えるが、旨味を誤って理解している方も少なくない。そもそも日頃感じている味覚のなかで、どれが旨味に該当するのか説明できないという方も多いに違いない。

旨味は、出汁を飲んだときに感じられる甘味や塩味・酸味・苦味が消えてなくなったあとに残るもののことを指す。つまり、単独で感じられるものというよりは、美味しいと感じる要素の一つとして捉えるのが適切なようだ。なお、旨味には唾液を多く分泌し、長く余韻が続くという特徴があるとされる。

3. 味ではなく痛み?辛味の不思議

5基本味のなかに辛味がないことを不思議に思う方も多いことだろう。甘味や塩味・酸味・苦味・旨味が舌の味蕾で感じられるのに対し、辛味は食料や飲料が口のなかや舌に触れたときに痛みや温度変化として感じられる。つまり、辛味は味覚ではなく、痛覚や温覚の一つというわけだ。

英語で辛いものを「Hot」というが、実に的を射た表現だといえるだろう。

結論

味覚には甘味・塩味・酸味・苦味に旨味を加えた5種類があり、これを5基本味と呼んでいる。辛味が味覚でないこと、また旨味が日本人によって発見されたことは知らなかったという方も多いはずだ。ぜひ覚えておくとよいだろう。
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  • 公開日:

    2019年9月 8日

  • 更新日:

    2021年3月15日

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