1. 氷に塩をかけるとなぜ温度が下がるのか

氷は、溶けるときに周りの熱を奪う「吸熱反応」をおこす性質がある。コップの水に氷を入れると水が冷たくなるのは、氷が溶けるときに水の温度を奪っているからだ。通常氷は0℃くらいの温度をキープしながら徐々に溶けていくのだが、そこに塩をかけるとある変化が起きる。
塩は氷が溶けるスピードをはやくする
塩には氷が溶けるスピードを速める性質がある。氷が速く溶けるとまわりの熱を奪うスピードも速くなるので、どんどん水の温度が下がって0℃よりも低い温度にしてしまうのだ。
塩水は凝固点が低い
塩水は水に比べて凍りにくいことをご存知だろうか?水が氷になる温度を「凝固点」というが、水の凝固点は通常0℃。そこに塩を加えると分量にもよるが凝固点が-21℃くらいまで下がる。水の分子は温度が下がると動きを止めてお互いにくっつくのだが、分子がくっつくのを塩が邪魔するためにこのような現象がおこるのだ。
氷×塩のいろいろな活用法
塩には氷を溶かすスピードをはやくして温度を下げる性質と、水を凍りにくくする性質がある。これらはいろいろなところで活用されており、例えば雪国では雪を溶かすための融雪剤として塩をまくことなどもある。道路に積もった雪を溶かす効果と、降ってきた雪が凍るのを防ぐ効果があるからだ。そのほかに、遠洋漁業の魚を保存する際にもこの原理は使われている。
家庭では、ビールを短時間でキンキンに冷やしたいときなどにもこの原理は使える。キャンプやバーベキューなど屋外のイベントのときには、塩をかけた氷の中に飲み物を数分間入れておくと短時間で飲み物を冷やすことができるので覚えておこう。
家庭では、ビールを短時間でキンキンに冷やしたいときなどにもこの原理は使える。キャンプやバーベキューなど屋外のイベントのときには、塩をかけた氷の中に飲み物を数分間入れておくと短時間で飲み物を冷やすことができるので覚えておこう。
2. 氷を冷やすとアイスが作れる!

氷に塩をかけると0℃以下に冷やすことができる。この性質を利用すれば、アイスクリームメーカーや冷凍庫などを使わなくても簡単にアイスクリームを作ることができるのだ。短時間で美味しいアイスクリームが作れるので、ぜひ試してみてほしい。
アイスクリームの材料
生クリーム:200ml
グラニュー糖:30g
バニラエッセンス:少々
グラニュー糖:30g
バニラエッセンス:少々
アイスクリームを冷やすための道具
氷:適量
塩:適量(氷の1/3ほど)
大小2種類のボウル
泡だて器
塩:適量(氷の1/3ほど)
大小2種類のボウル
泡だて器
アイスクリームの作り方
- 大きめのボウルに氷と、氷の3分の1くらいの量の塩を入れる
- ひとまわり小さいボウルに生クリーム、グラニュー糖、バニラエッセンスを入れる
- 氷の入ったボウルにアイスの材料が入ったボウルを入れ、泡だて器で混ぜながら冷やす
冷やす前にアイスクリームの材料を泡だて器で混ぜておくと、ソフトクリームのような食感のふんわりとしたアイスを作ることもできる。ジャムなどを入れて味付けをするのもおすすめだ。ジュースやヨーグルトなどを冷やすとシャーベットを作ることもできる。
ボウルや泡だて器がなければポリ袋やジッパーバッグなどを使って作ることも可能だ。氷と塩は大きめのジッパーバッグに、アイスの材料はひとまわり小さいジッパーバッグに入れる。氷の入ったジッパーバッグに材料の入ったジッパーバッグを入れ、揉んだり振ったりすれば10分~20分ほどでアイスクリームが完成する。
ボウルや泡だて器がなければポリ袋やジッパーバッグなどを使って作ることも可能だ。氷と塩は大きめのジッパーバッグに、アイスの材料はひとまわり小さいジッパーバッグに入れる。氷の入ったジッパーバッグに材料の入ったジッパーバッグを入れ、揉んだり振ったりすれば10分~20分ほどでアイスクリームが完成する。
3. 実験!塩をかけると糸で氷が釣れる理由は?

氷と塩と糸があれば、糸で氷を釣る実験をすることができる。子供向けのテレビ番組でも取り上げられ、理由を調べて夏休みの自由研究にするのもおすすめだ。
糸で氷を釣る実験のやり方
- 水を張ったコップに氷をひとつ浮かべる
- 氷の上に糸をたらし引き上げられないことを確認する
- 氷の上にたらした糸の上から塩を少量かける
- 30秒数える
- 糸を引き上げると氷が釣れる
氷に塩をかけると糸を垂らした部分の氷が一旦溶け、そのあと温度が下がってまた表面が凍る。そのため糸と氷がくっついて持ち上げることができるようになるのだ。理由を知ることで「塩は氷が溶けるスピードをはやめ、0℃以下に温度を下げる」という性質を勉強することができる実験だ。
結論
氷に塩をかけると、氷の溶けるスピードを速めて0℃以下に温度を下げることができる。子どもと一緒にアイスをつくったり、糸で氷を釣る実験をしたりして楽しく勉強してみてはいかがだろうか。生活の中でも役立つシーンがあるかもしれないので、豆知識として覚えておこう。