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知っているようでよく知らない、照明単位の種類と電球の表示の見方

知っているようでよく知らない、照明単位の種類と電球の表示の見方

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2021年3月11日

電球の明るさ表示を見ると単なるワット数だけでは判断できないことに気づくが、電球の表示の見方を、実際には正確に理解できているだろうか。電球の種類の多様化により、LED電球の性能表示のガイドラインが制定されるなど、近年、電球の性能表示を統一させるための動きが進んでいる。知っているようで実は知らない照明単位の種類と電球の表示の見方について解説する。

  

1. 電球の明るさを表す照明用語と単位

従来の白熱電球や蛍光灯の明るさ表示として「ワット」が使用されていることはよく知られている。しかし、ワットとは正確には消費される電気エネルギーの事を指す。消費電力を表すワット数はそのまま明るさと比例しているため、白熱電球が主流で他の照明機器が存在しなかった時代は、消費電力を明るさの目安として認識することに特に不都合は生じなかった。

しかし、その後蛍光灯やLED電球が開発されることにより、消費電力に対する明るさが照明機器ごとに違うため、消費電力のワットを明るさの目安とすることに不都合が生じることとなった。具体的には、80ルーメンの明るさを得るために、白熱電球は60ワットの電力を消費するが、LDE電球の場合は約10ワットしか消費しないからだ。

照明機器の違い以外にも、消費電力で明るさの比較ができない要因として、明るさを損なわず消費電力だけを少なくする省エネ機器の存在もある。

そこで、近年市場が拡大しているLED電球の明るさに関しては「ルーメン」が用いられることが多い。ルーメンとは照明の単位である。その他の単位としては「カンデラ」「ルクス」なども目にしたことがあるだろう。それらの単位を用いることで正確に明るさを知ることができる。

下記では照明用語と単位について解説する。

「ルーメン」とは

ルーメンとは「光束」の単位であり、光束とは全ての方向に照射される光の量と定義されている。つまり、光源を中心としてその周囲を照らす明るさの単位ということだ。

「カンデラ」とは

カンデラとは「光度」の単位であり、光度とはある方向への光の強さである。

「ルクス」とは

ルクスとは「照度」の単位であり、照度とは単位面積あたりに入射する光束のことである。ルーメンが光源自身の明るさであるのに対し、ルクスとは光源が対象へ入射した際の明るさのことだ。

2. 電球の表示「形」とは

照明機器が多様化した現在、明るさを正確に知るためには消費電力ではなく、照明の単位を用いればよいわけだが、実際は、照明の単位であるルーメンを用いてもどれくらいの明るさなのか見当がつきにくい。

そこで、明るさの目安とするため、従来の白熱電球の消費電力の表示を用いて例えば、「40ワット相当」「40W形」「40形」などと表記する方法が用いられている。つまり「形」とは、従来の白熱電球の40ワット相当の明るさがあるという意味を表している。

しかし、販売業者によって明るさの認識に違いがあることで、同じ「40形」でも実際に目にする明るさが違うという苦情が上がるようになった。そこで、製造メーカー相互の明るさのズレをなくすため、LED照明に関しては、平成22年に一般社団法人日本照明工業会において「電球型LEDランプ性能表示等のガイドライン」が作成され、その後も、より細かく正確な表記がなされるための改定が行われている。

ガイドラインにおいて、LED電球の明るさを表現するための代替表示は、一例として挙げると「電球20形相当・定格初光束170(lm)」となっている。これは170(lm)以上の光束があれば「電球20形相当」の表示が可能ということである。実際の製品には表現が短縮され「20W形」「20形」「20型」などと表示されている場合もある。

数社の照明を比較する場合、代替表示である「形」を明るさの目安とし、「形」が同じ製品でもさらにルーメンの数字を比較することで、より正確に明るさの違いを知ることもできるだろう。

3. LED電球表示の見方

電球の性能表示は近年より細かく表示される傾向にある。例えば、一般社団法人日本照明工業会による「電球型LEDランプ性能表示等のガイドライン」で示されている「電球」とは、JIS C 7501で定められている規格の一般照明用電球を指すわけだが、電球には他の規格も存在する。

そこで、ガイドラインでは、LED電球の種類・特性等の区分ごとに、より具体的な表示方法を定めている。下記にガイドラインで定められている表示方法を記載するので、表示の見方の参考にして欲しい。

代替表示方法の見方

・一般照明用電球代替表示区分(JIS C 7501)「電球○○形相当」
・小形一般照明用電球代替表示区分(JEL 118)「小型電球○○形相当」
・ボール電球代替表示区分(JIS C 7530)「ボール電球○○形相当」
・反射形ランプ代替表示「ビーム電球○○形相当」

光源色区分の見方

光源色に関してもJIS Z 9112を準用し下記の区分の表示をすることとしている。
・電球色
・温白色
・白色
・昼白色
・昼光色

調光器対応

電気の明るさを調整できる調光器は、本来、白熱電球を調光するために設計されている。そのためLED照明を使用することで故障や誤作動などの問題が生じやすい。そこで、LED照明に関しては、調光機能を用いたとしても特定の条件内であれば「事実上支障が生じないもの」に関しては、「調光器対応機能付き」「調光器対応」「調光対応」などと表示することができる。

結論

照明単位の種類と、電球の表示の見方について解説したがいかがだっただろうか。近年、照明機器の多様化により、その表示方法は詳細を極めている。今回紹介した内容に関しても、さらに今後改定が加えられることも予想される。照明機器は間違った使い方をすると事故の原因にもなりかねないため注意が必要だ。照明を購入する際、表示が分かりにくい場合には、お店の方に十分確認した上で購入する必要があるといえるだろう。
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  • 公開日:

    2019年9月25日

  • 更新日:

    2021年3月11日

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