1. ミントの基礎知識
まずはミントの基礎知識を紹介する。育て方の前に特徴や種類をチェックしておこう。
ミントとはどんな植物?
ミントはスッキリとしたさわやかな香りが魅力のハーブだ。耐寒性や耐暑性に優れた品種が多く、ハーブの中でも育てやすいとされている。リースやポプリ、サシェ作りにおすすめだ。食用ができるミントも多く、料理やお菓子、お茶に入れて楽しめる。
ミントの種類
・ペパーミント:刺激的な香りが特徴で、セイヨウハッカとも呼ばれる
・スペアミント:香りはさわやかで甘く、料理やお菓子作りなどに広く使用される
・アップルミント:料理に幅広く使用されるミントで、りんごに似た香りがする
・ウォーターミント:水辺を好む湿地植物で、香りが強い
・ジンジャーミント:生のまま料理やお茶に使用すると生姜に似た香りが楽しめる
・オーデコロンミント:柑橘系のコロンのような香りからその名前が付いた
・パイナップルミント:明るい班があり、パイナップルに似た甘い香りがする
・ペニーロイヤル:飲食用には適さないが、ドライフラワーにすると虫よけになる
ミントの品種は1,000種類以上あるとされており、見た目や適した用途もそれぞれ異なる。特徴を比較して、お気に入りのミントを育ててみてほしい。
・スペアミント:香りはさわやかで甘く、料理やお菓子作りなどに広く使用される
・アップルミント:料理に幅広く使用されるミントで、りんごに似た香りがする
・ウォーターミント:水辺を好む湿地植物で、香りが強い
・ジンジャーミント:生のまま料理やお茶に使用すると生姜に似た香りが楽しめる
・オーデコロンミント:柑橘系のコロンのような香りからその名前が付いた
・パイナップルミント:明るい班があり、パイナップルに似た甘い香りがする
・ペニーロイヤル:飲食用には適さないが、ドライフラワーにすると虫よけになる
ミントの品種は1,000種類以上あるとされており、見た目や適した用途もそれぞれ異なる。特徴を比較して、お気に入りのミントを育ててみてほしい。
2. ミントの年間栽培カレンダー
育て方の基礎知識として年間のスケジュールを確認しておこう。ミントの植え付けや収穫に適した時期をまとめた。
ミントの植え付けや収穫時期が分かる年間栽培カレンダー
・種まき:3~6月
・植え付け:4~5月、9~10月
・植え替え:5~10月
・増やし方(株分けや葉挿し):5~10月
・選定:5~11月
・開花:7~9月
・収穫:4~11月
・植え付け:4~5月、9~10月
・植え替え:5~10月
・増やし方(株分けや葉挿し):5~10月
・選定:5~11月
・開花:7~9月
・収穫:4~11月
3. ミントの栽培に適した環境とは?
ミントを育てるときは、まず適した環境づくりから始める。日当たりと置き場、用土について解説しよう。
日当たりと置き場
直射日光が当たると葉焼けするので、風通しがよい半日陰が適している。ミントの香りや葉の色が悪くなるため、日陰は避けたほうがよい。移動しやすい鉢植えやプランターがおすすめだ。
用土
ミントの植え付けに使う土は、ハーブ専用培養土または野菜栽培用の土だ。いずれも園芸店やホームセンターで手に入れることができる。強健なのであまりこだわる必要はないが、保湿性があって乾燥に強い土だと育てやすい。
4. ミントの上手な育て方のポイント
ミントは初心者でも育てやすい植物だが、育て方のポイントはチェックしておきたい。水やりのコツや病気の対策を確認しておくと安心だ。
苗の選び方
芽がたくさん出ているかどうかでよい苗かどうかを見分けられる。苗の段階で背丈が高く伸びているものより、株元から芽がたくさん出ている方がよい。また、葉の裏表をよく見て、葉が変色していたり、小さな虫が付いていたりするものは避けよう。
植木鉢の選び方
ミントは繁殖力が強く根を張って増えるので、庭などの土に直接植えることはおすすめしない。大きめの鉢を選んで植えるようにしよう。
プラスチックの植木鉢は、ベランダの床から反射熱を受けやすく、根が焼けてしまう恐れがあるので、風通しのよい台に置くなどの工夫をしよう。冬の間にもミントの葉を収穫したい場合は、室内に入れる必要があるので、見栄えのよい陶器製の鉢カバーを買っておくとよいだろう。
プラスチックの植木鉢は、ベランダの床から反射熱を受けやすく、根が焼けてしまう恐れがあるので、風通しのよい台に置くなどの工夫をしよう。冬の間にもミントの葉を収穫したい場合は、室内に入れる必要があるので、見栄えのよい陶器製の鉢カバーを買っておくとよいだろう。
水やりのコツ
植え付け時に水をたっぷりあげたら、その後も水を切らさないように気をつける。ミントは温暖な気候を好むが乾燥には弱い。植木鉢の底から水が流れ出すくらいまでたっぷりとやるのが、育て方のポイントだ。
夏場は朝と夕方の2回ほどを目安にして、冬場は土の表面が乾いたら水やりする。水やりをしても土が乾燥するときは、根元を敷きわらで覆ってマルチングしよう。
夏場は朝と夕方の2回ほどを目安にして、冬場は土の表面が乾いたら水やりする。水やりをしても土が乾燥するときは、根元を敷きわらで覆ってマルチングしよう。
肥料・追肥について
ミントは基本的に肥料や追肥をあげる必要がない。ハーブ専用培養土または野菜栽培用の土に植えるだけでOKだ。ただ、葉の色が黄色っぽくなって元気がなさそうに見えたときは、液体肥料を水やりのときにやるか、固形肥料を少し置いてやるとよいだろう。食用にするなら、植物や魚の粉などを原料にした有機質肥料がおすすめだ。
伸びたランナーの対処方法
ランナーとは匍匐茎(ほふくけい)とも呼ばれ、地表や地下に伸びるツル状の茎だ。鉢の中から飛び出して根付いたり、他の植物の成長を邪魔したりする。ランナーは鉢の中に誘導して収めるか、邪魔なようならカットするのが育て方のポイントだ。また、株分けしてから植え替えて整理するといった方法もある。
夏越し・冬越しにおける留意点
夏は葉が蒸れないように注意しよう。風通しがよい場所に置き、伸びすぎた茎はカットして「切り戻し」をする。また、冬は土が乾いたときに水やりをするだけで十分だ。枯れたように見えても土の下では茎が生きているので、暖かくなればまた生えてくる。ただし、気温が低い寒冷地や霜がおりるときは、敷きわらや不織布で保温すると安心だ。
注意すべき病気と害虫
ミントは病気の心配が少ない植物だが、さび病が発生することがある。葉の裏に黄白色の斑点ができたら注意しよう。9~18度で発生するため、春や秋には注意が必要だ。発病した葉は摘み取るといった処置をしてほしい。
ヨトウムシ類やシャクガ類の幼虫、ハッカハムシ、アブラムシといった害虫が発生することがある。ミントには害虫は付きにくいが、水のやりすぎに注意して、風通しをよくするといった対策が必要だ。肥料のやりすぎや葉の乾燥にも注意しよう。
ヨトウムシ類やシャクガ類の幼虫、ハッカハムシ、アブラムシといった害虫が発生することがある。ミントには害虫は付きにくいが、水のやりすぎに注意して、風通しをよくするといった対策が必要だ。肥料のやりすぎや葉の乾燥にも注意しよう。
繁殖力が強いため「鉢植え」か「地植え」かは慎重に判断を
ミントは「植物を根絶やしにする」といわれるほど繁殖力が強いので、植木鉢にはほかの植物と混ぜて植えるのは禁物だ。ペパーミントとスペアミントであっても、混ぜない方がよい。ミント1種1品目で植え付けよう。
また、庭の土に植える際は、ほかの草木とは離れた場所に植え、土ごと柵で区切るなどの対策をしてほしい。庭中がミントだらけになるケースもあるため注意が必要だ。繁殖すると抜くのが大変なので、鉢植えか地植えかを慎重に判断する必要がある。
また、庭の土に植える際は、ほかの草木とは離れた場所に植え、土ごと柵で区切るなどの対策をしてほしい。庭中がミントだらけになるケースもあるため注意が必要だ。繁殖すると抜くのが大変なので、鉢植えか地植えかを慎重に判断する必要がある。
5. ミントの育て方1|植え付け・種まき
ミントを育てるときは、まず植え付け、もしくは種まきから始める。育て方の基本として詳しく解説していこう。
植え付けのポイント
初心者なら苗からの栽培がおすすめだ。植木鉢の底に空いている穴に石を置き、土を入れてポットから取り出した苗を植え付ける。直接土に植える場合は、苗のポットより1回り大きい穴を掘り、堆肥と油かすを少し入れて、土と混ぜ合わせてから苗を植え付けよう。真夏を避けて春や秋に植え付けをしてほしい。
種まきのポイント
3~4月に種まきをすると発芽しやすくなる。秋まきも可能だが、苗が小さいまま冬越しすることになるので、春のほうがよいだろう。ミントの種は小さいため、取り扱いには注意が必要だ。そのままパラパラとまき、園芸用のポットなら手で軽く押さえる。6~7号の鉢なら中央、60~65cmのプランターの場合は20cmほど間隔を開けて3箇所にまこう。
6. ミントの育て方2|切り戻し・剪定
切り戻しはミントの育て方の中でも重要な作業だ。詳しい方法や適切なタイミングを説明する。
ミントの切り戻し方
下の葉が枯れてきたときは、3分の1から半分くらいの高さまでカットしよう。その方が新しい葉が多く付くため、ミントがたくさん収穫できる。梅雨入りや梅雨の最中に切り戻すのがおすすめだ。株が蒸れにくくなって夏を越しやすくなる。ただし、切り戻しをすると咲かなくなるので、花を楽しみたいなら茎をすくように剪定してほしい。
7. ミントの育て方3|増やし方
ミントは簡単な方法で増やすことができる。株分けと水挿し、2つの増やし方をチェックしておこう。
株分けして増やす方法
春もしくは秋に、鉢をひっくり返してミントを取り出したら手で分割する。手で分割するのが難しいときは、ノコギリなどをつかってもよいだろう。根は数cmほど残っていればよく、あとは新しい土を入れた鉢にそれぞれを植え直せばOKだ。ランナーの新芽から発根している場合は、そこからカットして植え直す方法もある。
水挿しで増やす方法
春から秋の間にミントの茎を10~15cmくらいの長さにカットしてから、下半分の葉を取る。そのままコップの水に挿しておけば、1週間くらいで発根するだろう。10cmくらいの根が複数伸びたら水やりをした用土に植える。植えた直後は半日陰の室内で管理するのが、育て方のポイントだ。
8. ミントの育て方4|収穫
自分で育てたミントを収穫して香りを楽しもう。収穫のやり方とおすすめの使い方を解説する。
収穫のタイミングとやり方
葉が勢いよく育ってきたら葉を摘み取って収穫する。春から秋の間はいつでも収穫できるので、伸びた葉は順次カットしていこう。ミントは花がなると香りが弱くなるので、蕾が付いた茎も一緒に取り除く。
根元から切って収穫する場合は、花が咲き始めた頃がおすすめだ。種を収穫するなら花を残したまま実を付けさせて、茶色くなるまで待つ。実から種を収穫したら通気性のよい袋で保管してほしい。
根元から切って収穫する場合は、花が咲き始めた頃がおすすめだ。種を収穫するなら花を残したまま実を付けさせて、茶色くなるまで待つ。実から種を収穫したら通気性のよい袋で保管してほしい。
収穫したミントの使い方
花が咲き始めたら切り取ってキッチンや食卓に飾っておくと、可憐な花とさわやかな香りが楽しめる。食用が可能なミントなら、お湯をかけてハーブティーにするのもおすすめだ。もちろんそのまま料理に使ってもよい。虫除けとしても使えるので、気になるところに置いておくとよいだろう。
また、乾燥させれば保存が可能だ。食用できる品種のドライミントは、ハーブティーや料理の香り付けに使えるので、花が咲ききって枯れてしまう前に根元から切って収穫しよう。風通しのよい日陰に逆さにして吊るし、完全に乾いたら葉を揉み取って、乾燥剤を入れたビンなどの密封できる容器に入れて保存する。
また、乾燥させれば保存が可能だ。食用できる品種のドライミントは、ハーブティーや料理の香り付けに使えるので、花が咲ききって枯れてしまう前に根元から切って収穫しよう。風通しのよい日陰に逆さにして吊るし、完全に乾いたら葉を揉み取って、乾燥剤を入れたビンなどの密封できる容器に入れて保存する。
9. 初心者にはミントの水耕栽培もおすすめ
ミントは水耕栽培で育てることが可能だ。基本的な育て方を解説するのでぜひ実践してほしい。
水耕栽培とは
水耕栽培とは水を使った簡単な育て方だ。土いじりが苦手な人でも手軽に始めることができ、初心者でも育てやすいといった特徴がある。季節に関係なく室内で育てられるのが魅力だ。
ミントの水耕栽培に必要なもの
・容器
・液体肥料
・水
・ミントの苗(10~15cm)
・ハイドロボール
容器は水耕栽培用のものか、なければカットしたペットボトルなどでOKだ。苗から育てる方法以外には、ミントの茎を水挿しで発根させてから容器に移す方法もある。
・液体肥料
・水
・ミントの苗(10~15cm)
・ハイドロボール
容器は水耕栽培用のものか、なければカットしたペットボトルなどでOKだ。苗から育てる方法以外には、ミントの茎を水挿しで発根させてから容器に移す方法もある。
ミントを水耕栽培する方法
1.容器に液体肥料と水を入れる
2.ハイドロボールを3分の2くらいまで入れる
3.苗を入れたらハイドロボールを継ぎ足す
4.あふれないくらいの水を入れる
5.水を定期的に入れ替えて清潔に保つ
種から育てる場合は、湿らせたスポンジにまいて発芽させる。苗まで育ったら容器に移してほしい。発根させた茎を使うときは、液体肥料と水を入れた容器に挿すだけで十分だ。
2.ハイドロボールを3分の2くらいまで入れる
3.苗を入れたらハイドロボールを継ぎ足す
4.あふれないくらいの水を入れる
5.水を定期的に入れ替えて清潔に保つ
種から育てる場合は、湿らせたスポンジにまいて発芽させる。苗まで育ったら容器に移してほしい。発根させた茎を使うときは、液体肥料と水を入れた容器に挿すだけで十分だ。
ミントの水耕栽培キットも市販されている
初心者の方なら、市販の水耕栽培キットを使ってもよいだろう。必要な道具がセットになっているため、購入したその日から育て始められるのが魅力だ。容器のデザインにこだわった水耕栽培キットも多く、オシャレなインテリアにもなる。
10. ミントは種類が豊富!育て方を覚えて活用しよう
ミントの育て方は簡単なので、初心者でも手軽に始められる。自分で育てたミントを収穫して、香りや風味を楽しもう。ミントは種類が豊富なので特徴に注目して選んでほしい。
ペパーミントやスペアミントのほかにも、アップルミントやジンジャーミントといった品種がある。香りや見た目はそれぞれ異なるので、十分に比較してお気に入りを見つけよう。
ペパーミントやスペアミントのほかにも、アップルミントやジンジャーミントといった品種がある。香りや見た目はそれぞれ異なるので、十分に比較してお気に入りを見つけよう。
結論
ミントは強健なので、基本的な育て方を知っていれば失敗する心配は少ない。半日陰で育てる、水やりを小まめにするなど、育て方のポイントをチェックしておこう。ただし、繁殖力が非常に強いため、鉢植えにするか地植えにするかを慎重に判断してほしい。初心者なら管理しやすい鉢植えがおすすめだ。室内で育てたい場合は、水耕栽培を検討してもよいだろう。