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薄いピンクの模様が入ったおしゃれな和紙の写真

和紙の種類と特徴や用途を紹介!何万種類も生み出せるってホント?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2022年4月 1日

和紙にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や用途も異なる。近年インテリアに取り入れられることも増え、和紙の魅力が再注目されている。本稿では主な和紙の種類およびその用途や特徴などをわかりやすくまとめた。興味がある方はぜひご覧いただきたい。

  

1. 和紙は何万種類もあるってホント?

和紙の写真
和紙とひと口にいっても、その定義は幅広く捉え方もそれぞれある。

さまざまな技法を組み合わせれば何万種類も生み出せる

和紙は原料や製法、用途などによりさまざまな種類(違い)がある。異なる技法を組み合わせることにより何万種類もの和紙を生み出すことができるという。とはいえそのすべてを紹介することは難しいため、一般的によく使われる和紙の種類に厳選して紹介していこう。

よく使われる和紙の種類

  • 楮紙(こうぞし)
  • 揉紙(もみがみ)
  • 友禅紙(ゆうぜんし)
  • 板締紙(いたじめし)
  • 典具帖紙(てんぐじょうし)
  • 強制紙(きょうせいし)
  • 更紗紙(さらさし)
  • 雲竜紙(うんりゅうし)
  • 総柄友禅紙(そうがらゆうぜんし)
  • レース紙(れーすし)
  • カス紙(かすし) など
和紙の大半は楮(こうぞ)という植物の樹皮を原料に作られる。楮は繊維が長く絡みやすいため、揉んでもちょっとやそっとでは破れない強さが特徴だ。ほかに「雁皮(がんぴ)」「三椏(みつまた)」といった原料があり、それぞれ特徴や用途が異なる。さまざまな原料から作られる和紙は、強度が高く豊富な種類があることで知られている。

2. 和紙の種類別に主な用途を紹介

和紙が使われている障子の写真
和紙は種類によって用途が異なる。主なものを紹介しよう。

楮紙(こうぞし)

「楮(こうぞ)」という植物の樹皮繊維を原料にした和紙で、版画用紙や障子紙などに使われている。

揉紙(もみがみ)

もんで柔らかさをつけた和紙で、普通唐紙用として優れた製品でもある。

友禅紙(ゆうぜんし)

漉き掛けの技法を使った装飾紙で、人形の制作などに使われている。

板締紙(いたじめし)

染色された独特の美しさが特徴の和紙だ。人形制作や貼り絵、ちぎり絵などに使われている。

典具帖紙(てんぐじょうし)

流し漉き技術で作られたもっとも薄い楮紙だ。宝石などの包装や美術品の補修裏打ちなどに使われている。

強制紙(きょうせいし)

楮紙を強く加工した和紙で、硬く弾力があることからラッピングなどに使われている。

更紗紙(さらさし)

インド更紗やジャワ更紗などの文様を型紙捺染めした和紙だ。お洒落なデザインが多くインテリアとして部屋の襖などに使われている。

雲竜紙(うんりゅうし)

三椏や楮の地紙に、楮の長い繊維を散らせて表した雲形文様が特徴の和紙だ。貼り絵やちぎり絵などに使われている。

3. 産地の名前が含まれる和紙の種類と特徴

高級感ある和紙の写真
和紙の中には、産地の名前が含まれているものもある。主な種類と特徴などを紹介しよう。

美濃和紙(みのわし)岐阜県

薄くて丈夫な上、見た目にも美しいのが美濃和紙である。素材がよいのはもちろん、職人の紙漉き技術も高度であるという。江戸時代には幕府も使用していたという高級和紙だ。

内山紙(うちやまがみ)長野県

楮100%で作られるのが内山紙である。通気性と透光性に優れており、保温力も高いという。ややふっくらしているのが特徴で、戸籍台帳用紙などにも使われるほど信頼性がある。

越中和紙(えっちゅうわし)富山県

五箇山和紙(ごかやまわし)、蛭谷和紙(びるだんわし)、八尾和紙(やつおわし)の生産地で作られている和紙の総称だ。産地により特徴は異なるが、いずれも丈夫なのが魅力である。

越前和紙(えちぜんわし)福井県

生成り(きなり=手を加えていない状態)の美しさや高級さで人気なのが越前和紙だ。さまざまな製品が生産されており、横山大観といった画家にも愛されてきたという。

因州和紙(いんしゅうわし)鳥取県

因州和紙といえば画仙用紙(書道や水墨画に向いている和紙)などが有名だ。天然繊維の温かみや強靭性などを備えており、高品質かつ実用性に優れた和紙として人気がある。

石州和紙(せきしゅうわし)島根県

とにかく丈夫な和紙だ。その昔、商人が帳簿に石州和紙を用いており、火事が発生したときに井戸に投げ込んだ(保存のため)といわれたほどである。中でも最高級は「みざらし」という。

大洲和紙(おおずわし)愛媛県

とりわけ書道用紙として広く知られているのが大洲和紙だ。薄い上に漉きムラが少ないことから、墨なじみがよいとされている。表面が艶やかなところもまた大洲和紙の特徴だろう。

阿波和紙(あわわし)徳島県

薄くて強い、生成りの風合いが特徴の和紙だ。その上、破れにくく水にも強いというからさまざまな場面で重宝するだろう。藍染紙など新しい製品も次々に生み出されている。

土佐和紙(とさわし)高知県

海外でも評判が高いのが土佐和紙である。ちぎり絵やふすま、食品(お菓子)の包装などさまざまな用途がある。薄くて上手な上、とにかく種類が豊富なのも土佐和紙の特徴だ。

4. 名刺にも和紙が使われている

花柄の和紙の写真
ご存知の方も多いと思われるが、名刺にも和紙が使われている。高級感があり、相手にも好印象を与えられるのが和紙でできている名刺の特徴だ。

和紙を使った名刺はやや高価

モノクロ片面の名刺は100枚1,000〜2,000円の料金がかかる。和紙を使用した名刺の場合、100枚2,000〜5,000円が一般的だが、和紙の種類によりさらに高額となるケースもある。たとえば手漉き和紙などを使った贅沢なものになると5,000円は余裕で超えてくるだろう。両面印刷よりも片面印刷のほうが料金は割安になる。独特な手触りの和紙を使った名刺に興味がある方は、ぜひ一度作ってみてはいかがだろうか?

5. 書道の半紙にも和紙が使われている

書道をしている男性の写真
もうひとつ、書道で使われる半紙もまた和紙である。

書道に使われる和紙の特徴

書道に使われる和紙は丈夫で繊維が細かい。ゆえに墨が滲みにくいというのが特徴だ。表面が粗い紙は筆への抵抗が大きくなり擦れが出やすくなる。その点、墨を使って和紙に文字を書いた場合、墨本来の色を表せるというメリットがある。値段が上がるほど質も向上するため、高価な和紙ほど本格的な書道に適しているといえるだろう。原料によって異なる和紙の特徴を知れば、自分に合う半紙も選びやすくなるはずだ。

結論

和紙の主な種類とその特徴や用途を知ることは、その和紙が持つ魅力に気づくことにもつながる。そもそも用途により選ぶ和紙も変わってくるため、そういう意味でも特徴を知ることは大切だ。和紙を選ぶ機会は少ないかもしれないが、ぜひとも豊富な種類の中から用途に適したものを選べるようになっておこう。
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  • 公開日:

    2019年10月 8日

  • 更新日:

    2022年4月 1日

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