目次
1. 家庭菜園で栽培することが多い人気のみょうが、その魅力とは?

みょうがの栽培方法をチェックする前に、基本的な情報を確認しておこう。特徴や栄養など、知っておきたいポイントを説明する。
みょうがの特徴
みょうがは、ショウガ科・ミョウガ属に分類される宿根性の多年草である。独特の辛味と芳香をもち、薬味やつまとして利用される香味野菜だ。半日陰と湿った土壌を好み、草丈は60~100cmほどまで大きくなる。薬味として一般的に食べられるのは、みょうがの地下茎から出る花穂の部分。地下茎から咲く白っぽい花が開く前の段階を食用としてため、「花みょうが」ともよばれている。
7~8月に収穫できるやや小ぶりな夏みょうがと、9~10月に収穫できる秋みょうがに分かれる。また、植え付けてから後2~3年ほどの若いみょうがの新芽を遮光して軟白栽培し、ほんの少しだけ日に当てて赤みを帯びさせたものを「みょうが茸」とよぶ。
7~8月に収穫できるやや小ぶりな夏みょうがと、9~10月に収穫できる秋みょうがに分かれる。また、植え付けてから後2~3年ほどの若いみょうがの新芽を遮光して軟白栽培し、ほんの少しだけ日に当てて赤みを帯びさせたものを「みょうが茸」とよぶ。
家庭菜園で人気の秘密
みょうがの魅力は育てやすさだ。病害虫の被害が少なく、手をあまりかけなくても元気に育つ。初心者でも栽培が簡単で、数年間繰り返し収穫できるのが魅力だ。
また、みょうがは暗く湿気が多い場所を好む性質がある。直射日光が当たらない場所を好むため、家庭菜園でも場所を確保しやすい。プランターに植えればベランダなどでも手軽に育てられる。
また、みょうがは暗く湿気が多い場所を好む性質がある。直射日光が当たらない場所を好むため、家庭菜園でも場所を確保しやすい。プランターに植えればベランダなどでも手軽に育てられる。
みょうがに含まれる栄養は?
みょうがは約95%が水なので栄養価はあまり高くない。しかし、100gあたり11Kcalと非常に低カロリーで、ヘルシーに楽しむことができる(※1)。体内の塩分濃度を調節する「カリウム」や、食欲や血行の促進が期待できる「αピネン」といった栄養にも注目しよう。夏場のむくみや食欲減退の対策に活用してほしい。
2. みょうがの栽培スケジュールがひと目で分かる「育て方カレンダー」

みょうがの栽培スケジュールをカレンダーにまとめた。植え付けや収穫など、育て方のタイミングを確認しておこう。
みょうがの年間栽培カレンダー
- 植え付け:3~4月/10~11月
- 植え替え:6月/10月
- 収穫(夏みょうが):7~8月
- 収穫(秋みょうが):9~10月
- 収穫(みょうが茸):5~6月
- 株分け:2~4月
品種によって夏みょうがと秋みょうがに分かれており、それぞれ収穫時期が異なるため確認しておこう。また、みょうが茸が収穫できるようになるのは、植え付けから2~3年ほどたってからだ。
3. みょうがの栽培に適した環境とは?

みょうがを栽培するなら、育て方の前にまず環境づくりから始めよう。日当たりと適した温度について解説する。
日当たりについて
直射日光には強くないので、日陰や半日陰の環境を選ぶ。日光の当たらない北側や、木陰などでも元気に育つ。土が乾燥しにくく、湿気が多い場所がおすすめだ。
温度について育て方
みょうがの栽培に適した温度は20~23度くらいだ。極端な暑さや寒さにも弱いので、育て方や管理の方法には注意しよう。一方で根は低温にも強い。冬は枯れたように見えるが、根は休眠している状態なので越冬すれば次の年も生育できる。
4. みょうがの栽培に必要なものとは?

みょうがの栽培を始めるなら、必要なものを揃える必要がある。プランターや用土を用意して、準備を整えておこう。
プランター
みょうがは4~5年間は繰り返し収穫できるため、大きく生長できるように深さが30cm以上のプランターを準備する。根株が十分に育つと収穫量が増えるため、深さが40cmくらいあるプランターが理想的だ。
用土
みょうがは十分な有機質と、排水・保水性を併せ持った肥沃な土壌を好む。プランター栽培の場合は、野菜用の培養土に完熟堆肥を加えた有機質分の多い土を用意しよう。野菜用培養土が8、完熟堆肥が2の割合で混ぜてほしい。
地下茎
根株または地下茎と呼ばれる地下に伸びた茎を用意する。この地下茎を2~3節ごとにカットして植え付けよう。ただし、カットすると大きくなるまで時間がかかり、収穫も翌年以降になる。カットせずそのままの状態で植えれば、その年に収穫できるかもしれない。
地下茎の選び方も知っておこう
地下茎は大きいものがおすすめだ。芽が数個ついた乾燥していないもの、またカビや腐敗のないものを選ぼう。
みょうがの「種」が手に入らない?
みょうがの種は市販されていない。地下茎から育てるのが一般的なので、春先にホームセンターや園芸店で購入しよう。ポット苗で売られているケースもあるため、そちらを選んでもよい。
5. みょうがの栽培は難しくない!上手な育て方のポイントを解説

みょうがの基本的な育て方をまとめた。栽培のポイントをチェックしておけば、失敗する心配が少ない。
植え付け
みょうがは、だいたい3月~4月ごろに植え付けをする。プランターの土に植え付け用の植え穴をあけ、2~3節ごとに切った根株を、芽を上部に向けて植え付けよう。あとは10cmほどの厚さになるようにしっかりと土をかぶせる。みょうがは乾燥を嫌うため、植え付けのあとはたっぷりと水やりをしよう。
水やり
みょうがは乾燥に弱い植物だ。地植えよりも乾燥しやすいプランターで栽培する場合は、水分不足に陥って弱らせてしまわないように、水やりは毎日するのが育て方のポイントだ。わらを敷いている場合、上から水やりしても問題ない。
肥料・追肥
みょうがは日常的な肥料を必要としない。本葉が7~8枚ほど生えてきたころと、収穫が終わったときだけ追肥すれば十分だ。肥料の量は20gを目安にしよう。
腐葉土・敷き藁(ワラ)
土の表面から新芽が出てきた5月ころ、株元に腐葉土や堆肥、ワラなどを厚さ10cm程度敷く。新芽の緑化防止や株が乾燥しすぎるのを防ぐのが目的になる。
剪定
株が混み合った状態だと食用になる花穂が生えにくい。葉が生い茂り株まわりが混み合ってきたら、根元から切って間引こう。7~8cm間隔になるよう間引くのが育て方のポイントだ。
株分け
みょうがは株分けで増やすことができる。2~4月くらいに地下茎を傷つけないように掘り返したら、15cmくらいにカットしよう。あとはそれぞれを植え付けるだけでOKだ。同じところに植えると連作障害になる可能性があるので、別の場所に植え付けるか違う土に入れ替えよう。
乾燥に注意し3〜4年に1回は植え替える
栽培中のみょうがは3〜4年たったら植え替えが必要だ。地下茎を掘り返したら周囲の土をキレイに落とす。大きなサイズのプランターに変えるか、余分な地下茎をカットしてから植え直そう。
太く新しい地下茎を残して、半分ほどにカットするのが育て方のポイントだ。みょうがは乾燥に弱いので適度な水やりも忘れずに。また、株分けをして増やしながら植え替えをする方法もある。
太く新しい地下茎を残して、半分ほどにカットするのが育て方のポイントだ。みょうがは乾燥に弱いので適度な水やりも忘れずに。また、株分けをして増やしながら植え替えをする方法もある。
注意すべき病気や害虫はある?
みょうがは病気や害虫に強いため、基本的には心配ない。ただし、根が腐って葉茎が黄色になる根茎腐敗病などにかかるケースもあるため、注意が必要だ。感染すると元には戻らないのでほかの株にうつる前に処分する。再発のリスクを減らしたいなら、消毒するかほかの土で育てよう。また、根茎腐敗病はプランターなどの水はけをよくすることで予防ができる。
6. みょうがの収穫時期や収穫方法は?

栽培したみょうがが十分に育ったら収穫しよう。育て方の基礎知識として、収穫時期や収穫方法を詳しく説明する。
植えた年は収穫できないことがある
植え付け1~2年目は収穫が期待できない可能性が高い。花穂が確認できない場合は、来年以降の収穫に期待しよう。
安定して収穫できるようになるのは2年目頃から
2年目以降になると、葉がしっかりと茂って光合成をすることで、地下茎に養分が集中して花穂が出てくるようになる。株が安定した2~3年目以降が収穫のタイミングだ。
みょうがの収穫方法
夏みょうがは7~8月、秋みょうがなら9~10月ごろに収穫しよう。株の周囲にある腐葉土を手ではらって、花穂が生えていないか確認する。根元をつかんだら、ねじりつつ引っ張って収穫してほしい。
また、植え付けて2~3年目の新芽を遮光して育てると、みょうが茸が収穫できる。2~3週間ほど遮光して、草丈が20cmくらいになったら切り取ろう。
また、植え付けて2~3年目の新芽を遮光して育てると、みょうが茸が収穫できる。2~3週間ほど遮光して、草丈が20cmくらいになったら切り取ろう。
みょうがの収穫後の保存方法
収穫したみょうがをすぐに食べきるのは難しい。キッチンペーパーを湿らせてみょうがをつつみ、冷蔵庫で保存する。傷みやすいので早めに食べきってほしい。
丁寧に洗ったあと水気を拭き取って冷凍すると、2ヶ月間ほど保存できる。小分けにカットしておけば必要なだけ使用できるのでおすすめだ。ただし、カットしてから冷凍すると風味がやや損なわれてしまい、保存できる期間も2週間くらいになる。
丁寧に洗ったあと水気を拭き取って冷凍すると、2ヶ月間ほど保存できる。小分けにカットしておけば必要なだけ使用できるのでおすすめだ。ただし、カットしてから冷凍すると風味がやや損なわれてしまい、保存できる期間も2週間くらいになる。
花が咲くと風味が落ちるため注意
花が咲いてしまうと花穂はやわらかくなり、味や食感が落ちる。開花前のかたく締まった状態を見極めて、取り忘れのないよう、素早く収穫しよう。
みょうがを収穫したあとは翌年への準備も忘れずに
翌年もみょうがを栽培するために準備を整えておく。収穫後は葉だけになるので、枯れるまで待って倒れるのを待つか、地際でカットしておこう。土の上に堆肥を少しだけのせて、地下茎が枯れないように定期的な水やりで土を湿らせて管理してほしい。正しい方法で管理しておけば、春になればみょうがはまた発芽する。
7. 収穫したみょうがのおすすめの食べ方は?

みょうがはさまざまな食べ方ができる。自分で栽培した新鮮なみょうがを、料理に活用してみよう。たとえば新鮮なままぬか漬けや、浅漬け、甘酢漬けにすれば、シャキシャキした食感を楽しめる。
お味噌汁の具や天ぷらにしてもよいだろう。もちろんシンプルに、冷やっこやそうめんの薬味として食べるのもおすすめだ。さまざまな料理に重宝するので、ぜひ自分で栽培して味わってほしい。
お味噌汁の具や天ぷらにしてもよいだろう。もちろんシンプルに、冷やっこやそうめんの薬味として食べるのもおすすめだ。さまざまな料理に重宝するので、ぜひ自分で栽培して味わってほしい。
8. 自家栽培のみょうがは格別!育て方や収穫のタイミングを覚えよう

病害虫に強いみょうがは育てやすい植物だ。プランターで手軽に栽培できるので、ぜひ試してみてほしい。植え付けや剪定など、育て方のポイントをチェックする。乾燥に弱いのでしっかりと水やりしよう。
ただし、みょうがは植え付けから1~2年目だと収穫できないことがある。2年目以降に備えて株を安定させることが重要だ。収穫できるようになったら株の周囲に出てきた花穂をつみ、収穫後は来年に向けて準備を整えておこう。
ただし、みょうがは植え付けから1~2年目だと収穫できないことがある。2年目以降に備えて株を安定させることが重要だ。収穫できるようになったら株の周囲に出てきた花穂をつみ、収穫後は来年に向けて準備を整えておこう。
結論
自分で栽培したみょうがは格別だ。育て方のポイントを知っておけば、初心者でも簡単に栽培できる。植え付けや収穫の時期や方法など、詳しい育て方をチェックしておこう。収穫したあとのみょうがをすぐ使わないときは、冷蔵庫や冷凍庫で保存してほしい。漬物や天ぷらなどの料理に使えるので、いろいろな味に挑戦してみよう。