目次
1. マスクの裏表とは

マスクに裏表があるというのは、報道などですでに多くの方がご存知だろう。どちらを裏、どちらを表と認識するかは人によって分かれるかもしれないので、本稿においては「裏=内側(口や鼻に触れるほう)」「表=外側(相手から見えるほう)」とさせていただく。
2. 不織布製プリーツマスクの裏表の見分け方

マスクの裏表の見分け方を解説しよう。まずは、一般的な不織布製のプリーツマスクから説明する。
ノーズフィッターの位置で上下をチェック
「ノーズフィッター」とは、鼻の形に沿ってマスクの上端がフィットするように取り付けられたワイヤーのことだ。「ノーズワイヤー」「ノーズクリップ」などと呼ぶこともある。今や多くの不織布プリーツマスクにこのノーズフィッターが取り付けられている。触れればすぐに分かるので迷うことはほとんどないかもしれないが、ノーズフィッターが上にくるのが正解だ。
ゴム紐の取り付け位置で裏表をチェック
上下が分かったら、今度は裏表を確認していこう。ゴム紐が取り付けられている部分が「表」となるのが一般的だ。ただしメーカーなどにより、ゴム紐が取り付けられている部分が「裏」にくるものもある。裏表が判別しにくい絶妙な位置にゴム紐が取り付けられていることも考えられる。そのため、ゴム紐だけでなくプリーツの位置でも裏表を判別すると安心だ。
プリーツの向きで裏表をチェック
プリーツが一方向のみに向いているマスクの裏表はすぐに判別できる。プリーツが下を向いているほうが表だ。一方、マスクの真ん中を中心に上向きと下向きにプリーツが広がるマスクもある。このタイプは、プリーツを広げたときに中心部分が膨らむほうが表である。
一般的な不織布製のプリーツマスクであれば、この手順で裏表を判別できるはずだ。ただし、上述のように商品によってはゴム紐の取り付け位置などで判別できないこともある。パッケージに裏表の説明が書かれている場合は、そちらに従っていただきたい。
一般的な不織布製のプリーツマスクであれば、この手順で裏表を判別できるはずだ。ただし、上述のように商品によってはゴム紐の取り付け位置などで判別できないこともある。パッケージに裏表の説明が書かれている場合は、そちらに従っていただきたい。
3. 裏表がひと目で判別できるマスクとは?

文字やロゴ、イラストなどが入っているマスクであれば、ゴム紐の取り付け位置やプリーツの方向を見て裏表を確認するよりも簡単に見分けられる。たとえば次のような基準だ。
文字が正しく読める向きが表
マスクの端に文字やロゴなどが刻印されている場合がある。メーカー名や商品名などさまざまだが、そうした文字があれば裏表を見分けるのは一瞬でできる。「正しく読むことができる面」が表である。裏側から見ると文字も裏向きに見えるため、どちらが裏表かわかりやすいだろう。マスクに文字が入っていればこの見分け方で判断できる。刻印ではなく印字されている場合も同様に、見える面が表となる。
イラストが正しく見える面が表
文字やロゴなどではなく、イラストがプリントされているマスクもある。この場合もやはりイラストが正しく見える面が表だ。
このように、マスクの裏表が分かりやすいよう簡単に見分けられるデザインを採用するメーカーも増えた。裏表の判断によく迷う方は、店頭でマスクのパッケージを見て文字やイラストが入っていることを確認したうえで購入するのもおすすめだ。
このように、マスクの裏表が分かりやすいよう簡単に見分けられるデザインを採用するメーカーも増えた。裏表の判断によく迷う方は、店頭でマスクのパッケージを見て文字やイラストが入っていることを確認したうえで購入するのもおすすめだ。
4. 立体マスク・ウレタンマスクの裏表の見分け方

不織布製の立体マスクや、デザイン性の高いウレタンマスクを着用している方も多いだろう。これらの裏表はどう見分ければよいのだろうか?
立体プリーツマスクの裏表の見分け方
基本的には、上述した不織布製プリーツマスクと同じだ。プリーツはマスクの中心を境に「ひだ」が上向きと下向きに分かれるので覚えておこう。
立体マスク・ウレタンマスクの裏表の見分け方
プリーツがない不織布製の立体マスクやウレタンマスクは、マスクを広げたときに凸になる面が表と思っておけばOKだ。上下は、折りたたんで横から見たときにカーブが急なほうが上と覚えておけば判別できる。
5. 布(ガーゼ)マスクにも裏表がある?

洗って繰り返し使える、経済的な布(ガーゼ)マスクを愛用している方も多い。この布(ガーゼ)マスクにも裏表があるのだろうか?
基本的には「なし」と考えてよい
商品によって異なるかもしれないが、布(ガーゼ)マスクは左右両端に、上下にゴム通し口が作られているものが一般的だ。不織布製のマスクのように糊付けされていないため、ゴム紐で裏表を見分けるのは難しい。またノーズフィットも入っていないため上下も判別しにくい。ギリギリ分かるとしたら、ゴム通し口の縫い目などかもしれないが、それでもどちらが裏表かははっきりしない。したがって基本的には裏表なしと考えてよいだろう。
参考までに、アイリスオーヤマの公式サイトでもガーゼ(平型)マスクは「裏表無し」と書かれている(※1)。
参考までに、アイリスオーヤマの公式サイトでもガーゼ(平型)マスクは「裏表無し」と書かれている(※1)。
自分なりの印を付けておくのがおすすめ
裏表がないとはいえ、表にしていた面を今度は裏として使うというのは衛生上好ましくないこともある。自分が見て裏表が分かるような印を付けておくことをおすすめする。
6. マスクの裏表を間違えるとどうなる?

マスクの裏表を間違えて着用してしまった場合、どういったマイナス要素があるのだろうか?
細菌やウイルス、花粉などが溜まるおそれがある
たとえば本来下向きが正しいはずのプリーツが、裏表を逆にしたことで上向きだった場合、その段の部分に細菌やウイルス、花粉などが溜まるおそれがある。裏表正しく着用していてもある程度は付着するものだが、それよりも量が多くなってしまうことが考えられるため好ましくはない。
いったん外して再着用する際はとくに要注意
朝から晩まで裏表を逆に付けたまま一度も外さなかった、という場合はまだマシかもしれない。それよりも裏表を逆に着用したまま家を出て、ランチをしたあとに同じマスクを今度は裏表正しく着用した場合のほうが問題だろう。朝からランチまでの間に付着した細菌やウイルス、花粉などを自ら顔に付けてしまうことになりかねないためだ。裏表はくれぐれも間違えないように注意したいものである。
快適に着用できないおそれがある
肌への刺激が少ないよう、内側の肌触りを考えて作られているマスクも多い。裏表を逆にしてしまうと、装着感が低下したり皮膚が弱い方は何らかのトラブルを招いたりするリスクもゼロとは言い切れない。
7. マスクの正しい着用方法

上下や裏表が分かっても、正しく着用できていなければマスクの意味は半減してしまう。ここでいま一度、正しいマスクの着用方法についてもおさらいしておこう。
正しいマスクの着用方法
- 手指をよく洗う
- マスクの上下・裏表を確認する
- 鼻と口の両方を確実に覆う
- ゴム紐を耳にかける
- 隙間がないよう、鼻や顎の下まで広げる
- ノーズフィットがあれば鼻のラインに沿って密着させる
なお、厚生労働省ではマスクの正しいつけ方を動画で公開している(※2)。一度視聴しておくとよいだろう。
マスクは外し方も重要
着用方法と同じくらい、外し方も重要だ。指にはさまざまな細菌やウイルス、汚れなどが付着しているし、マスクにもその日の細菌・ウイルス・花粉などが付着している。外すときはフィルター(プリーツ)部分に触れないようにゴム紐を耳から外し、蓋付きのゴミ箱などに捨てるようにしよう。
8. マスクの不適切な着用方法

逆に、不適切とされるマスクの着用方法もある。自分が当てはまっていないか、無意識にやってしまうことはないかなど、振り返ってみよう。
鼻が出ている
いわゆる「鼻出しマスク」だ。鼻が出ているのは見た目にもよい印象を与えないだけでなく、鼻から細菌やウイルス、花粉などが入り込むためマスクとしての機能をほとんど果たせていないことになる。しっかり鼻まで覆うようにしよう。
フィルター部分があごにかかっている
鼻だけでなく口も露出された状態の、いわゆる「あごマスク」である。当然、マスクの意味はない。そのうえあごから首にかけて付着している細菌やウイルス、花粉などがマスクのフィルターの内側に付着するため、口に戻したときにそれを吸い込んでしまうおそれがある。
オーバーサイズである
両サイドや上下に隙間が多くある、オーバーサイズのマスクも好ましくない。隙間から細菌やウイルス、花粉などが入り込んでしまうためだ。適切なサイズを選ぶようにしよう。
不織布製の再利用は控えよう
使い捨てタイプのマスクは、1日ごとに新しいものを使おう。マスク用の除菌スプレーなども販売されているが、過信は禁物だ。ランチなどで一時的に外す場合などであればよいかもしれないが、たとえ除菌したとしても使い捨ては日々新しいものを使うことをおすすめする。
9. マスクは裏表を正しく着用してこそ効果を発揮する

布(ガーゼ)マスクなど一部を除き、マスクには上下や裏表がある。マスクの効果を最大限に得るためには正しく着用することがなによりも大切だ。本稿を参考に、正しい裏表の判別の仕方や着用方法を身につけよう。なお商品パッケージを確認し、上下や裏表、着用方法などについて書かれていればそちらに従ってほしい。
結論
マスクに上下や裏表があるのを知らなかった、気にしたことがなかったという方は、ぜひこの機会に覚えておいてほしい。また知っていた方でも再確認できた部分はあったのではないだろうか?正しく着用してこそ本来の効果を発揮するのがマスクだ。ぜひ覚えておいて、周囲に間違っている方がいたら教えてあげよう。
(参考文献)
- 1:マスクの裏表について_新型コロナウイルス感染症に対するマスクの取り組みについて_アイリスオーヤマ
https://www.irisohyama.co.jp/company/mask-initiatives/knowledge/front-and-back.html - 2:国民の皆さまへ 関連情報((新型コロナウイルス感染症)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00094.html